序 章
0-1 問題の所在
0-2 ドイツ図書館史研究の研究動向
0-3 教養・読書・図書館をめぐって
0-4 本書の構成
第1章 1910~1920 年代民衆図書館における路線論争
1-1 閉架制と開架制の対立としての路線論争
1-2 同時代的背景とコンテクスト
1-3 路線論争に関わる先行研究の検討
1-4 路線論争の構造と経緯
1-5 旧路線ラーデヴィヒの立場
1-6 新路線ホーフマンの立場
1-7 民衆層の読書能力をめぐる対立としての路線論争
第2章 1920 年代ヴァイマル期ドイツ民衆教育における素人教養論争
2-1 ヴァイマル期ドイツにおける民衆教育
2-2 素人 教養論争の史的背景──ヴァイマル期ドイツにおける教養の亀裂──
2-3 素人教養論争の経緯とその論争点の再構成
2-4 教養をめぐる亀裂の表象としての民衆
第3章 ヴァルター・ホーフマンの教養論と図書館論
3-1 ヴァ イマル期民衆教育の先駆者──先行研究におけるホーフマン像──
3-2 ホーフマンの形成的民衆教養論
3-3 教養財としての図書とその選別
3-4 形成的民衆教養展開の場としての民衆図書館
3-5 読者研究による利用者の把握
3-6 ホーフマンの限界
第4章 ヴァイマル期ドイツにおける読書論争
4-1 俗悪図書をめぐるたたかい
4-2 先行研究の検討
4-3 GBJSS前史──俗悪図書の流布と俗悪図書に対する闘争──
4-4 GBJSSの制定過程──議事録の検討から──
4-5 教養市民層は民衆層の読書をどのように捉えたのか
4-6 排除項目としての民衆の読書
第5章 ナチ期ドイツにおける教養理念の変容とその構造
5-1 ナチ期ドイツにおけるBildung 理念
5-2 世紀転換期からヴァイマル期マイヤー事典におけるBildung理念
5-3 ナチ・マイヤーにおけるBildung理念
5-4 ナチ期Bildung理念の論拠
5-5 ナチ期Bildung理念の構造とその歴史的性格
第6章 ナチ期ドイツの民衆図書館の構造とその理念
6-1 ナチ期ドイツにおける図書館組織の変容
6-2 民衆図書館における図書の制限
6-3 民衆図書館の増加
6-4 ナチ期ドイツにおける民衆図書館──ナチ政権の言説から──
6-5 教養市民と「教養の終焉」──ドイツ民衆図書館員連盟会長ヴィルヘルム・シュスター──
6-6 教養 から民族へ──帝国民衆図書館局長官フランツ・シュリーヴァー──
第7章 ナチ 期民衆図書館の活動──青少年の読書に着目して──
7-1 民族の読書としての青少年の読書
7-2 『ディー・ビューヘライ』誌の成立とその性格
7-3 『ディー・ビューヘライ』誌における青少年の読書への意義付け
7-4 『ディー・ビューヘライ』誌における青少年の読書
7-5 戦時下図書館における青少年の読書
7-6 ナチ下における青少年の読書の意義
第8章 本の 排除・推薦・焚書──図書リスト作成と読書規範──
8-1 何を読ませようと/読ませまいとしたのか?
8-2 図書リストの分析と検討
8-3 図書リストの著者重複率の検討
8-4 図書リストの特徴
終 章
9-1 本書のまとめ
9-2 本書が明らかにしたこと
9-3 本書の意義と今後の課題