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「事実性」の哲学

フッサール、メルロ=ポンティ、ウィトゲンシュタイン、ハーバーマス等の現代哲学を見る視点

著:宮坂 和男

紙版

内容紹介

ソクラテス、デカルト対現代哲学
ヨーロッパの伝統的哲学を代表しうる哲学者の考えを検討した後に、それを批判し、それと対比させる仕方で、20世紀の現代哲学が<事実性>に依拠しようとした次第を見る。
根本から知ることを目指す哲学は、本来は日常の現実から離れようとする営みであった。本書は、20世紀の哲学がそれと違って、知覚、言語等に関する「事実」を受け容れ、それに向き合おうとした<事実性>に着目する。

目次

まえがき

序章 哲学とは何か

第一章 ソクラテス
第一節 問答活動
第二節 ソクラテスが訊いたこと
第三節 倫理
第四節 ソクラテスの探究によって見失われる「事実性」

第二章 デカルト
第一節 方法的懐疑とコギト命題
第二節 三つの実体
第三節 デカルト哲学の批判的検討
第四節 デカルトが実は前提していたこと

第三章 フッサール
第一節 双方向性の哲学としての現象学
第二節 現象学的還元
第三節 具体的経験の学としての現象学
第四節 無前提性と事実性

第四章 メルロ=ポンティ
第一節 「事実性の哲学」「両義性の哲学」としての現象学
第二節 知覚をめぐる謎
第三節 色の知覚――知覚の身体的・触覚的組織化
第四節 身 体
第五節 知覚と身体
第六節 知覚を生きる

第五章 アーペルとハーバーマス
第一節 ヒンティッカによるコギト命題の行為遂行論的解釈
第二節 アーペルの語用論哲学
第三節 アーペルの倫理学
第四節 ハーバーマスの「理想的発話状況」
第五節 ディスクルス倫理学
第六節 倫理・道徳に関する《事実性》

第六章 ウィトゲンシュタイン
第一節 語の意味はそれが指示する対象か?
第二節 言語的意味の基礎としての「家族的類似性」
第三節 言語ゲーム
第四節 事実性
第五節 「反‐哲学」――伝統的哲学の批判

あとがき――結語を兼ねて――
こと

著者略歴

著:宮坂 和男
広島修道大学人間環境学部教授

ISBN:9784771036963
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年02月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1D