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アフリカ潜在力のカレイドスコープ

編著:落合 雄彦
他著:松田 素二
他著:浜田 明範

紙版

内容紹介

国際社会に押し付けられるアフリカ観. 多様性や主体性を看過するかのようなその価値観を克服するため, アフリカの日常をフィールドから捉えなおす. そこにはもはやモノトーンの世界なんてない. あるのは, 葛藤しながらも問題を乗り越えようとするアフリカの人びとの豊かな潜在力の世界だ.

目次

第1章 西ケニアの村人にとってコロナ禍とは何か
―共同・互助にみるアフリカ潜在力の可能性―
 はじめに―西ケニアからのSOS―
 1 絶対的生活困難を乗り越える技法―
 2 コロナ禍における絶対的生存困難
 3 絶対的生存困難を乗り越える技法
 おわりに―アフリカ潜在力の可能性―

第2章 花嫁と監督
―ガーナ南部の仕立屋が魅せる潜在力―
 はじめに
 1 フィールドの概要
 2 経済と美学
 3 象徴と感情
 4 花嫁としての仕立屋
 5 監督としての仕立屋
 おわりに―ひとつの完成の先に未来を見ること―

第3章 インフォーマル・セクターにみるアフリカ潜在力
―カメルーン起業家の20年から―
 はじめに
 1 インフォーマル・セクターの様態
 2 ある実業家の20年
 3 企業拡大とその困難
 おわりに―アフリカ潜在力の経済―

第4章 南アフリカにおけるコンゴ人ディアスポラ
 はじめに 
 1 ヨーロッパにおけるコンゴ人ディアスポラ
 2 南アフリカにおけるコンゴ人ディアスポラ
 3 南アフリカ在住コンゴ人の階層性と政治運動
 おわりに

第5章 戦争の過去, 移民としての今
―在日イボ人とビアフラ独立運動―
 はじめに
 1 ビアフラ独立運動の歴史的背景
 2 日本におけるビアフラ独立運動の展開
 3 インターネットと運動の越境
 4 交差する過去と現在―在日イボ人にとってのビアフラ戦争―

第6章 ムカデ
―ふたりの姉妹の割礼儀礼をめぐる〈変化と維持〉の物語―
 はじめにーこれは前進か? 衰退か?―
 1 ビーナス・ドリス姉妹
 2 女性の割礼に関する近年の状況
 3 割礼儀礼の準備
 4 割礼の前日
 5 割礼の当日
 6 施術後の祝祭
 おわりに

第7章 われわれは債務を返せない
―トマ・サンカラの負債論―
 はじめに
 1 背 景
 2 演 説
 3 考 察―文化人類学的負債論から―
 おわりに

第8章 西アフリカ・サヘルにおける農牧紛争の基層
―空間的な分析と可視化―
 はじめに
 1 調査地について―農牧関係を中心に―
 2 資源アクセスの制約―衛星画像を用いた土地被覆・利用の推定から―
 3 資源制約に対する牧畜民の適応―日帰り放牧ルートのログ分析から―
 4 適応の限界と食害リスクの空間分布―日帰り放牧のシミュレーションから―
 おわりに

第9章 植民地ナイジェリアのハンセン病コントロール
 はじめに
 1 第1次世界大戦終結以前の時期―1918年以前―
 2 両大戦間期―1919~1938年―
 3 第2次世界大戦勃発以後の時期―1939~1960年―

著者略歴

編著:落合 雄彦
龍谷大学法学部教授
他著:松田 素二
総合地球環境学研究所特任教授
他著:浜田 明範
東京大学大学院総合文化研究科准教授

ISBN:9784771036604
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1H