血のつながりと家族のかたち
わたしたちが血縁を意識するとき
著:久保原 大
内容紹介
親子の絆に血縁は必要か?
血縁が当たり前でなくなった時代だからこそ、血縁とは何かを問う
多様な家族関係における、親子の血縁と血縁に対する意識、そしてアイデンティティの関わりを血縁/非血縁親子関係から検討することにより、親子関係を再考するための新たな視座を提供する。
目次
はじめに
第1章 問題の所在――家族の変遷と新たな問題
1 家族構成と家族観の変遷
2 親子の紐帯
3 子ども虐待の増加
4 生物化学技術の進展と新たな問題
5 用語の定義と扱い
6 本書の構成
第2章 家族と血縁――先行研究の検討と本書の分析視角
1 生物化学分野における血縁
2 生殖補助医療技術の進展
3 生殖補助医療における血縁
4 人文科学分野における血縁
5 血縁・血縁意識・アイデンティティに着目することの意義
第3章 「公/私」的実践としての非血縁親子(養育)関係における血縁
1 公的実践としての非血縁親子(養育)関係における血縁
2 私的実践としての非血縁親子関係における血縁
3 非血縁親子関係を捉える視座
4 非血縁親子関係における血縁の効果の多様性
第4章 血縁意識と家族――大学生アンケート調査より
1 本調査の目的
2 調査の概要
3 ジェンダーと血縁意識
4 血縁規範意識の強弱による分析
5 血縁規範意識の親子観への効果
第5章 シングルマザーからみる親子関係における血縁意識
1 本章の目的
2 調査の概要と倫理的配慮
3 インタビューからみるシングルマザーの血縁意識
4 婚姻関係の変化と血縁意識の変容
第6章 子ども虐待と血縁
1 児童虐待相談対応件数の増加と児童虐待検挙状況
2 データと方法
3 潜在化されていた非血縁パートナーからの虐待
4 子ども虐待を血縁意識から捉えることの意義
第7章 人びとの血縁意識とは――考察
1 潜在化されている血縁意識
2 血縁とアイデンティティ
3 血縁がある/ないことがもたらす正/負の効果と信頼関係の構築
第8章 親子にとって血縁とはなにか――結論
1 親子関係における「血縁・血縁意識・アイデンティティ」
2 本書が示した親子関係における血縁意識を捉える視座
3 本書の意義
4 今後の展望と課題
5 おわりに
あとがき