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若者の曖昧な進路選択とキャリア形成

とりあえず志向の実証的探究

著:中嶌 剛

紙版

内容紹介

若者は,自分の進路について,自己分析や業界/企業研究では十分確信できない曖昧さや不安を抱えている.この問題にいかに対処するか,基本的な考え方がここにある.最新のエビデンスに基づく「とりあえず研究」により,若者が自覚的にキャリアを築くための道筋を模索した唯一の書.

目次

はじめに
表目次
図目次

第1章 「とりあえず志向」研究の意義と目的
 1.1 問題の所在
 1.2 従来のキャリア理論と曖昧性研究の限界―― 研究意義
 1.3 本書の構成

第2章 先行研究サーベイ
 2.1 とりあえず志向の言語学的アプローチ
 2.2 とりあえず志向の心理学的アプローチ
 2.3 とりあえず志向の哲学的アプローチ
 2.4 とりあえず性の社会学的アプローチ
 ~補論~ とりあえず志向とFlyer モデル(1997)の拡張

第3章 とりあえず公務員
 3.1 問題意識
 3.2 先行研究から導かれる仮説
 3.3 使用データ
 3.4 推定結果
 3.5 結語
 ~補論~ 「地元愛着」の階層構造に関する分析

第4章 とりあえず正社員
 4.1 問題意識
 4.2 「とりあえず正社員」の概念構造分析
 4.3 とりあえず正社員の労働需給両面からの仮説構築
 4.4 分析枠組みと推定モデル
 4.5 推定結果
 4.6 結語
 ~補論~ 「とりあえず正社員」意識のバイアスがキャリア成熟に与える影響

第5章 とりあえず志向の縦断的研究――大学生の「とりあえず進学」から「とりあえず初職継続」までの4時点間の検討
 5.1 問題意識
 5.2 「とりあえず志向」の概念整理
 5.3 使用データ
 5.4 推定結果
 5.5 結語
 ~補論~ ディベート論題解説:「とりあえず正社員になることは得策である.是か非か」

第6章 とりあえずフリーター――正規就業を積極的に表明しない心理の概念構造の分析
 6.1 問題意識
 6.2 先行研究から導かれる仮説
 6.3 使用データと分析対象者の特徴
 6.4 分散共分散分析による「働くことへの意識」に影響する要因の因果構造モデル
 6.5 結語
 ~補論~ 「とりあえず志向」の論理学的アプローチ

第7章 とりあえずニート――若年無業者の曖昧心理がキャリア意識に及ぼす影響
 7.1 問題意識
 7.2 先行研究分析
 7.3 研究デザイン
 7.4 推定結果
 7.5 結語
 ~補論~ 「とりあえず何もしない」若者の進路保障教育を考える

第8章 とりあえず志向の国際比較(日米韓)――キャリア選択過程における曖昧心理の要因分析
 8.1 問題意識
 8.2 方法
 8.3 推定結果
 8.4 考察
 8.5 結語
 ~補論~ 「とりあえず正社員」(自由記述回答)に関するテキストマイニング分析(日韓比較)

第9章 全体的結論と今後の研究課題
 9.1 総合考察
 9.2 「とりあえず志向」研究の学術的意義
 9.3 「とりあえず志向」研究の実践的意義
 9.4 今後の「とりあえず志向」研究の課題と展望

追  記
参考文献一覧
附表:調査票
人名索引
事項索引

著者略歴

著:中嶌 剛
千葉経済大学経済学部教授

ISBN:9784771035140
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:244ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF