序 説――映像表現論
第1章
映画とは何か
1 映画の誕生――19世紀の視覚文化
2 初期映画の表現史――アトラクションのシネマ
3 映画技法の模索――スペクタクルから物語映画へ
第2章
映画の視線
1 映画の文法とその解体――切り返しショット
2 小津安二郎による視線のダイアローグ――『小早川家の秋』『麦秋』
3 視覚の失効と〈逃走〉の物語――スタンリー・キューブリック『シャイニング』
4 成瀬巳喜男の視線劇――『乱れる』のダイナミズム
第3章
映画の編集
1 ヒッチコックの編集術を見極める――『汚名』『鳥』
2 ホラー映画を比較する――『リング』『ザ・リング』
3 シーンを構成する――スコセッシ、成瀬巳喜男、清水宏
4 フレームを解体する――黒澤明『羅生門』
5 ショットを操作する――黒沢清『CURE』
第4章
映画の音響
1 黒澤明の対位法――『酔いどれ天使』『野良犬』
2 北野武の音響設計――フレームによる(不)可視化
3 〈音〉と映像の表現――マーティン・スコセッシ『ディパーテッド』
4 〈声〉のメロドラマ――篠田正浩『心中天網島』
第5章
映画の境界
1 境界で物語は生起する――宮崎駿、大林宣彦、溝口健二
2 フェデリコ・フェリーニの〈断絶〉の線――『女の都』『道』『甘い生活』
3 海辺の境界線――阪本順治、相米慎二、北野武
4 〈分裂〉するスクリーン――川島雄三の映像空間
第6章
映画の形態
1 接触と触覚――クリント・イーストウッド『ヒア アフター』
2 切断と分裂――アルフレッド・ヒッチコック『サイコ』
3 堕落と下降――任侠映画のカメラワーク
第7章
アニメーションの表現
1 ディズニー・アニメーションの誕生――生命を吹き込む
2 ジャパニーズ・アニメーションの勃興――手塚治虫『鉄腕アトム』
3 スタジオジブリと宮崎駿――国民的アニメーション作家
第8章
アニメーションの現在
1 虚/実を超えるアニメーション表現――今敏『千年女優』
2 実景を再解釈するデジタル表現――新海誠『君の名は。』『言の葉の庭』
3 アニメ/映画の越境――細田守『おおかみこどもの雨と雪』
第9章
文学の映画化――遠藤周作『沈黙』のアダプテーション
1 映画の再創造――アダプテーション/リメイク
2 遠藤周作が描く「弱者の物語」
3 篠田正浩の「堕落/敗北の物語」――『沈黙 SILENCE』
4 マーティン・スコセッシの「強者/弱者の物語」――『沈黙―サイレンス―』
第10章
アニメ・リメイク――『打ち上げ花火、横から見るか? 下から見るか』 br> 1 観察者としての映像経験――メディアと身体
2 テレビドラマ/アニメーションの比較分析――「岩井ワールド」のアニメ化
3 ポストメディウム時代の受容――「リメイク的映像文化」の誕生
結 論――映像の快楽