はしがき
第1部 アブラヤシ小農増大の社会的枠組みと趨勢
第1章 アブラヤシ栽培・流通における「産業と社会のジレンマ」とその調整方向
──タイの事例から──
生方史数
はじめに
1 タイのパーム油産業とアブラヤシ生産
2 タイ糖業の生産制度と発展過程
3 パーム油産業の変革への動き
おわりに
──「産業と社会のジレンマ」の調整方向──
第2章 インドネシアにおけるアブラヤシ農園企業による小農支援方式(PIR)の変遷
河合真之
はじめに
1 PIR 方式の特徴と時期区分による分類
2 権威主義体制期のPIR
3 体制転換期のPIR 方式
4 民主主義体制期のPIR 方式
おわりに
第3章 インドネシアにおけるアブラヤシ栽培の空間的展開プロセス
小泉佑介
はじめに
1 アブラヤシ栽培に携わる経営主体
2 企業によるアブラヤシ栽培の空間的展開プロセス
3 小農によるアブラヤシ栽培の空間的展開プロセス
4 企業と小農のアブラヤシ栽培面積の比較(2015年)
おわりに
第2部 アブラヤシ農園開発の先進地域
──インドネシア・リアウ州の事例──
第4章 リアウ州におけるアブラヤシ農園産業の拡大と構造変化
永田淳嗣
はじめに
1 東南アジアにおけるアブラヤシ農園産業の拡大とリアウ州
2 1970 年代末〜1990 年代末のリアウ州におけるアブラヤシ農園産業の拡大
3 1990 年代末〜2000 年代半ばのリアウ州におけるアブラヤシ農園産業の拡大
4 2000 年代半ば〜2010 年代半ばのリアウ州におけるアブラヤシ農園産業の拡大
おわりに
第5章 アブラヤシ農園企業における農園労働者の存在形態
──リアウ州PTPN Vの事例分析──
新井祥穂
はじめに
1 アブラヤシ農園労働者のイメージ
2 分析結果
おわりに
第6章 在地住民によるアブラヤシ栽培への参入過程と生計活動の再編
──リアウ州内2地域の比較から──
増田和也
はじめに
1 アブラヤシ栽培ブームと小農
2 アブラヤシ栽培参入までの長い道のり
3 アブラヤシ栽培で直面する現実
4 生計活動の再編
おわりに
コラム1 住民によるアブラヤシ利用の原風景
──西アフリカ・ギニアのフィールドから──
山越言
第3部 小農アブラヤシ農園開発の変容過程
──インドネシア西カリマンタン州の事例──
第7章 小農によるアブラヤシ栽培の受容をめぐって
──ゴム栽培との比較から考える──
加藤剛
はじめに
1 調査地の概要と西カリマンタンへのPIR プロジェクト導入の経緯
2 「森林産物」としてのゴム
3 アブラヤシ栽培の導入とその意味するところ
4 PIR プロジェクトと協同組合
5 農民グループと集合方式
6 入植小農用プラスマ農園の低迷
7 不可思議ならざる低迷
第8章 小農アブラヤシ栽培の発展の軌跡
──国営農園会社プラスマ入植者の事例から──
加藤剛
はじめに
1 1990年代末の「大転換」
2 協同組合と農民グループ運営方式の変容
3 PS組合メンバーにみる「大転換」の経済的影響
4 豊かになったプラスマ小農は誰か
5 「独立小農」と「第3者」の登場
6 独立小農の増加とそれがはらむ問題
7 横たわる再植という難題
第9章 西カリマンタン州における小農アブラヤシ農園の拡大過程
──サンガウ県パリンドゥ郡の事例から──
林田秀樹
はじめに
1 問題の所在と地域的背景
2 西カリマンタン州サンガウ県におけるアブラヤシ農園の拡大
3 第13 国営農園会社,及びパリンドゥ農園の概況
4 パリンドゥ農園周辺での小農アブラヤシ農園の拡大
おわりに
コラム2 バイク,家,そして教育
──「アブラヤシ収入」の使途の是非──
林田秀樹
第4部 アブラヤシ農園開発のフロンティア
第10章 焼畑民によるアブラヤシ農園開発の多様な意義づけ
寺内大左
はじめに
1 焼畑民の土地利用とプランテーション開発
2 焼畑民の土地利用の選好と実践
3 アブラヤシ農園開発への対応とその理由
おわりに
第11章 小規模農家を対象としたRSPO認証の課題と可能性
寺内大左
はじめに
1 小農アブラヤシ農園拡大の問題点と独立小農RSPO認証制度
2 A農民協会の概要と認証取得の背景
3 A農民協会のアブラヤシ生産システム
4 認証取得の経済的メリットと環境効果
おわりに
第12章 タイ農業の「すきま」を埋める
──アブラヤシと現代タイ農村の社会生態空間──
藤田渡
はじめに
1 タイの小農中心のアブラヤシ栽培
2 村の「すきま」を埋め尽くす
──スラートタニー県チャイブリー郡サイガーム村の場合──
3 「すきま」の反転
──クラビー県アオルック協同組合入植地──
4 アブラヤシ栽培の周縁
──イサーンから逆照射する──
おわりに
──中進国化するタイ社会とアブラヤシ──
コラム3 アブラヤシ農園と祈祷師
──ブリトゥン島の事例──
北村由美
あとがき
索 引