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食生活のソーシャルイノベーション

2050年の食をめぐる暮らし・地域・社会

編著:田中 浩子
他著:保井 智香子
他著:小椋 真理

紙版

内容紹介

豊かなの食生活を考えるための13の視座

少子高齢化、人口減少などにより生活を取り巻く社会環境の変化が進行している。本書では「食」に着目し、これまでの枠組みを超えた複数の研究領域から、その課題を明らかにすることで、「食」を通じた生活の質の向上、地域社会の維持・活性化、社会経済システムの変化など新たなソーシャルイノベーションを提案する。

目次

は じ め に

第1章 2050年の食生活を支えるしくみ創り……田中浩子
 は じ め に
 1 食生活の変化と課題
 2 人口減少と施策
 3 2050年の暮らしと食
 4 健康を生みだすソーシャルイノベーション
 お わ り に

第2章 2050年に向けた健康づくりの課題……保井智香子
    ―思春期以降の若年者に対する健康・栄養教育の重要性―
 は じ め に
 1 健康寿命延伸の重要性
 2 ライフステージに応じた健康・栄養教育の機会
 3 思春期以降の若年者に対する健康・栄養教育の重要性
 4 今後の健康増進・栄養教育への取り組みの検討
 お わ り に

第3章 新たな食生活デザインによる健康……小椋真理
 は じ め に
 1 健康寿命の延伸と老化
 2 超高齢社会における健康の重要性
 3 老化とアンチエイジング
 4 新生活習慣で食生活デザインを考える
 お わ り に

第4章 配慮が必要な食に関する環境整備の課題……東山幸恵
 は じ め に
 1 現在病院で行われている食事療法・食支援の実際
 2 高齢化による摂食機能の低下
 3 自宅で食事療法を継続するための選択肢
 お わ り に

第5章 「食の豊かさ」における住環境の視点からの一考察……石田由美子
     ―2050年に向けた食生活デザイン創造のために―
 は じ め に
 1 「家庭の味」が担ってきたもの
 2 食に対する価値観と向き合う
 3 新たな暮らし方の模索
   ―健康的な食生活モデルをもとめて―
 お わ り に

第6章 食環境の整備をまちづくりの視点から考える……本田智巳
    ―地域食資源の保全と食を通じたコミュニティの創出による健康づくり ―
 は じ め に
 1 日本の食をめぐる状況
 2 健全な食生活を実践するための施策
 お わ り に

第7章 未来を育む食と農のエコシステムとは何か……吉川成美
    ―農業を変えるコモンズデザイン―
 は じ め に
  ―常識を覆す農業指導家との出会いから―
 1 農業の二極化
   ―永田農法からみえる未来予測―
 2 デンマークからの示唆,人間が自然に伴走するコモンズデザイン
 3 均質化した食と境界の問題を解決するために
   ―参加し合える農業をどう作るか―

第8章 「共食」を起点にした地域コモンズの構築……百武ひろ子
     ―次代の地域交流拠点を担う公共施設のあり方―
 は じ め に
 1 地域交流拠点としての公民館,コミュニティセンターの現状と課題
 2 新しいコモンズとコモニング
 3 これからの地域交流施設に求められる新しい「わたしたち」
 4 コモンズとしての地域交流施設をつくる3つのステップ
 お わ り に

第9章 食 の 未 来……南 直人
    ―歴史学の視点からの一考察―
 は じ め に
  ―歴史学と未来予測―
 1 『食のゆくえ』で展開された未来予測
 2 悲観論の一例
   ―ポール・ロバーツ『食の終焉』―
 3 楽観論の一例
   ―ルース・ドフリース『食糧と人類』―
 4 展   望
   ―2050年の予測のために―

第10章 食品企業の経営戦略とソーシャルイノベーション……肥塚 浩
 は じ め に
 1 経営戦略におけるソーシャルイノベーション
 2 食品企業を取り巻く環境とイノベーション課題
 3 味の素グループに見る経営戦略とソーシャルイノベーション
 4 明治ホールディングスに見る経営戦略とソーシャルイノベーション
 5 日清製粉に見る経営戦略とソーシャルイノベーション
 お わ り に

第11章 フードサービス業における雇用課題……小沢道紀
 は じ め に
 1 国勢調査で見るフードサービス業の就業状況
 2 フードサービス業における人材課題
 お わ り に

第12章 内食・中食・外食の時間配分と支出配分……谷垣和則
    ―社会的規範,夫婦の家事分担,食の未来への含意―
 は じ め に
 1 データによる概説
 2 基本モデル
 3 家族(夫婦)
 4 社会的規範,夫婦の家事分担,食の未来への含意
 お わ り に
 Appendix

第13章 食を巡るソーシャル・イノベーションとライフ・イノベーション……宮内拓智
    ―食文化革命と地域社会の持続可能性と公共性再生―
 1 食の未来を巡る創造的破壊と解体的再構築
   ―問題意識と課題設定―
 2 地域社会の衰退と再生
   ―人口減少時代の地域社会と戦後日本の消費社会の変質―
 3 食文化創造の条件
   ―周辺化・周縁化される生活世界とオープン・イノベーション―
 4 《食のフォーディズム・ライフの超克》と食を通じた持続可能な地域づくり
 お わ り に
  ―2050年の「食の未来図」と「自己完結型生活圏の多角生活経営体」―

むすびにかえて

著者略歴

編著:田中 浩子
立命館大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了、博士(経営学)
立命館大学食マネジメント学部副学部長・教授
他著:保井 智香子
大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科博士後期課程修了、博士(保健学)
立命館大学食マネジメント学部准教授、管理栄養士・健康運動指導士・日本サッカー協会公認C級コーチ・NSCA-CPT
他著:小椋 真理
同志社大学大学院生命医科学研究科生命医科学専攻修了、修士(理学)
京都文教短期大学食物栄養学科教授

ISBN:9784771034242
出版社:晃洋書房
判型:A5
ページ数:276ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WB