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カントの「嘘論文」を読む

なぜ嘘をついてはならないのか

著:小谷 英生

紙版

内容紹介

本書は嘘をめぐる現代的問題を視野に入れながら、カントの「人間愛から嘘をつく権利という、誤った考えについて」(通称「嘘論文」)を翻訳・分析するものである。
第 I 部では、嘘という概念についての哲学的分析が行なわれる。そこでは嘘とは何か、正直さの義務はあるのか、嘘がもたらす害悪とは何かという三つの問いに、なるべく平易な文章で回答しようと試みた。
第 II 部では、「嘘論文」の概略を示し、執筆背景について簡単に整理した後、「嘘論文」の翻訳を掲載した。
第III部では、コンスタンのカント批判を踏まえながら「嘘論文」を詳細に分析し、『永遠平和のために』などのサブテキストを用いながら政治に対する道徳の優位というカントの立場を明確化した。(本書「はじめに」より)
(発行=白澤社)

目次

第 I 部 「嘘」概念を整理する
 第1章 嘘とは何か
 第2章 正直であれば何を言ってもよいのか 
 第3章 嘘の害悪について
第 II 部 カントの「嘘論文」 解題と翻訳
 第4章 カント「嘘論文」解題
 第5章 カント「人間愛から嘘をつく権利という、誤った考えについて」(小谷英生訳)
第III部 政治に対する道徳の優位
 第6章 カントの反論
 第7章 コンスタンの原理概念
 第8章 道徳的な政治とは何か

著者略歴

著:小谷 英生
群馬大学共同教育学部准教授。専門は哲学、倫理学、社会思想史。著書に『歴史を書くとはどういうことか: 初期近代ヨーロッパの歴史叙述』(勁草書房、2023年、共編著)。『悩めるあなたの道徳教育読本』(はるか書房、2019年、共著)など。共訳に、ハルトムート・ローザ『加速する社会 近代における時間構造の変容』(出口剛司監訳、福村書店、2022年)など。

ISBN:9784768480014
出版社:白澤社
判型:4-6
ページ数:152ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTQ