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「自己決定権」という罠

増補決定版

ナチスから新型コロナ感染症まで

著:小松 美彦
著:今野 哲男

紙版

内容紹介

旧版から約二〇年、「自己決定権」と「自己決定」は今や当たり前のものになった。しかし、その問題性は見えにくい形でますます広がっている。本書では、「自己決定権」が医療や福祉でどのように作用しているか、近年喧伝される「人間の尊厳」という言葉がいかに巧妙に作用しているかを考えた。
増補決定版にあたり、これら全ての問題が噴出した出来事として、「相模原障害者殺傷事件」「新型コロナ感染症」を詳論。

目次

・序 章 「自己決定権」とは何か
・第1章 私はなぜ自己決定権を認めないのか
・第2章 自己決定と自己決定権はどう違うのか
・第3章 自己決定権と福祉国家の行方
・第4章 死をめぐる感性、批判をめぐる感性
・第5章 ノンと言いつづけることの重要さについて
・終 章 自己決定権批判の課題はどこにあるのか
・増補第1章 「自己決定権」をめぐる二〇一八年の状況
・増補第2章 鏡としての「相模原障害者殺傷事件」
・増補第3章 新型コロナ感染症禍の現在を抉る――「新日本零年」に向けて

著者略歴

著:小松 美彦
1955年東京生まれ。1989 年、東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。博士(学術、東京大学)。専攻は、科学史・科学論、生命倫理学、死生学。著書に、『死は共鳴する──脳死・臓器移植の深みへ』(勁草書房、1996)、『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP新書、2004)、『生権力の歴史──脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』(青土社、2012)、共編著に、『メタバイオエシックス──生命倫理を問いなおす』(NTT 出版、2010)、『生命倫理の源流──戦後日本社会とバイオエシックス』(岩波書店、2014)、『反延命主義の時代』(現代書館、近刊)、共訳書に、グザヴィエ・ビシャ『生と死の生理学研究』(中川久定・村上陽一郎責任編集『十八世紀叢書Ⅶ 生と死』国書刊行会、2020所収)他。
著:今野 哲男
1953年生まれ。編集者・ライター。元・月刊『翻訳の世界』編集長。著書に『評伝 竹内敏晴』(言視舎)。森達也との共著に『希望の国の少数異見』(言視舎)。吉本隆明、木村敏、鷲田清一らの聞き手を務め単行本を多数制作。

ISBN:9784768435854
出版社:現代書館
判型:4-6
ページ数:376ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDX