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金融・商事判例別冊「反社会的勢力を巡る判例の分析と展開Ⅱ」

編:東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会

紙版

内容紹介

法務省が出した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」により、各企業において反社会的勢力にかかわらないよう取り組むことが求められています。

本書では、裁判例から反社会的勢力がどのような手口を使うのかという点だけでなく、企業としてどのような体制を整えればよいか、反社会的勢力とかかわった場合にどのように対処すべきかなど、反社会的勢力への企業がとるべき対応についても書かれています。

弁護士などの実務家だけでなく、すべての企業の担当者様の手許に置いていてほしい1冊です。

目次

I 憲法・刑法上の問題

1 暴力団員であることを秘してゴルフ場を利用した行為につき詐欺利得罪の成立を肯定した事例

2 暴力団員に対して市営住宅の明渡しを請求できる条例が合憲とされた事例

3 工藤會総裁が上納金から得た分配金を収入と認定し所得税法違反で有罪とした事例



II 関係遮断

4 理由を示さない口座開設拒否の合理性

5 取引謝絶と独占禁止法違反

6 反社会的勢力に属する者を債務者とする信用保証契約の錯誤と反社属性の調査義務

7 信用保証協会が主張する免責の抗弁が認められなかった事例

8 預金約款暴排条項遡及適用事件

9 保険会社がした、保険契約者の代表取締役が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係があることを理由とする保
険契約の解除の有効性

10 名義借暴力団員の損害保険金請求を棄却した事例

11 銀行持株会社の取締役に銀行子会社での反社会的勢力への融資を防止・解消する善管注意義務の違反が認められなかった事例



III 不動産取引

12 暴力団事務所の近隣土地の売買を仲介した宅地建物取引業者の調査説明義務

13 暴力団排除条項による建物賃貸借契約の解除が認められなかった事案

14 暴力団排除条項に基づく解除に対する違約金請求事件

15 振り込め詐欺拠点の賃貸と瑕疵担保責任の否定事例

16 指定暴力団を代表する者の交替に伴って暴力団の名称が変更された後に申し立てた間接強制において、債務の内容の同一性が認められた事例

17 暴力団組事務所の近隣に位置する施設の所有者・設置者である地方公共団体が、施設の平穏な業務遂行が侵害されていることを理由に暴力団組事務所の使用の差止等を求めて認められた事例

18 暴力団追放運動推進センターを債権者とする暴力団組事務所使用禁止等仮処分命令申立て

19 対立組織双方の事務所と駐車場の使用差止め

20 暴追センターが近隣住民から委託を受けて、暴力団事務所としての使用禁止等仮処分を申し立てた事例

21 適格都道府県センターが付近住民の委託に基づき申し立てた未指定の暴力団事務所使用禁止仮処分について、任意的訴訟担当として当事者適格を認めた事例

22 適格団体訴訟制度を利用した暴力団事務所使用差止仮処分命令申立て



IV 被害の予防・排除

23 特定危険指定暴力団への指定処分を受けた指定暴力団による当該指定処分の取消請求等がいずれも棄却等されたとい
う事例

24 資金移転先口座が「犯罪利用預金口座等」(振り込め詐欺救済法2条4項2号)に該当すると判断された事例

25 濫用的な情報公開請求等を通じて地方公共団体の業務を繰り返し妨害した者に対する面談強要行為等の差止請求およ
び損害賠償請求が認容された事例



V 被害の回復

26 暴力団員の恐喝行為および和解強要行為について指定暴力団トップの責任を認めた事例

27 ヤミ金融被害と指定暴力団組長の使用者責任

28 聴覚障害者への詐欺・恐喝に対する組長責任

29 暴力団組長のみかじめ料徴収行為について、その不法行為責任とともに上部団体の組長の使用者責任を認めた事例

30 みかじめ料徴収に関し在監中の指定暴力団代表者の使用者責任を認めた事例

31 暴対法31 条の2に基づき指定暴力団の代表者等の責任が認められた事例

32 特殊詐欺被害につき指定暴力団の代表者等責任が争われた事例

33 振り込め詐欺被害につき指定暴力団トップの責任を認めた事件

34 特殊詐欺被害について指定暴力団組長の責任が認められた事例

35 特殊詐欺に関する指定暴力団代表者等の責任


VI 暴力団関係者等であるとの風評に関する問題

36 元暴力団構成員によるインターネット上の検索結果の削除請求を棄却した事例

37 前科等を有する者による検索サービス提供者に対する検索結果の削除請求が棄却された事例

38 暴力団とのつながりを示唆する表現について、名誉毀損による不法行為の成立を認めた例

39 知事の実父および叔父が暴力団組員であったという事実の摘示を含む雑誌記事の執筆およびその販売について違法性が阻却された事例


VII 盛り場の問題

40 客引き行為について無罪となった事例

41 キャバクラ店経営者による高額な料金請求の大部分を棄却した事例

42 元クラブホステスの暴力団員に対する貸金等返還請求権の成立を否定した事例

ISBN:9784766824766
出版社:経済法令研究会
判型:B5
ページ数:232ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年02月
発売日:2022年02月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF