小泉信三エッセイ選 2 私と福澤諭吉
著:小泉 信三
内容紹介
▼歿後50年。
「勇気ある自由人」小泉信三の言葉を再び。
福澤諭吉の膝下に育ち、慶應義塾長を長く務めた小泉が描く、追憶の福澤像の数々。近代日本の偉人を温かい眼差しで見つめ、独立自尊の精神を継承する。
▼戦後を代表する言論人 小泉信三のエッセイを精選し2巻に編集し刊行。
戦後を代表する言論人であり、今上陛下の御教育掛であった小泉信三は、長谷川如是間や柳田國男から「当代の名文家」と称賛されたエッセイの書き手であった。現在では入手が困難となっている小泉の随筆を、没後50年を機に2巻に集約して刊行する。
「福澤先生のエライところはどこだったろう」と私はいった。「それは愛よ」(「姉弟」より)――
「2 私と福澤諭吉」は、幼少期に傍でみていた福澤諭吉を個人的に追憶する随筆から、歴史的資料を精読して研究者の視点で福澤を描いた小論まで、数々の福澤像を描いた文章をバランスよく編集。慶應義塾ひいては近代日本の一つの思想体系をあぶり出す。
目次
<b>Ⅰ 福澤先生と私</b>
姉弟
師弟 ―― 福澤諭吉と私の父 ――
わが住居(抄)
私の大学生生活(抄)
実学の精神(抄) ―― 西洋文化と私の歩んだ道 ――
<b>Ⅱ 福澤先生が今おられたら</b>
言語雑感
演説
福澤先生と新聞道徳
国民的反省と自重
秋日所感
佐藤春夫
明治の精神
つむじ曲りの説
孤忠の精神
抵抗の精神
「徳教は耳より入らずして目より入る」
徳教のこと
福澤先生が今おられたら
<b>Ⅲ 福澤諭吉を語る ―― 人と著作 ――</b>
父としての福澤先生
教育者緒方洪庵
大隈重信と福澤諭吉
日原昌造と小泉信吉
明治の民・国権論
福澤諭吉と北里柴三郎
一夕話 ―― 福澤と物理学 ――
人の噂
福澤諭吉書翰(抄)
福澤先生の著作について
文字による戯画
帝室論
福澤と唯物史観
<b>Ⅳ 福澤諭吉と向き合う</b>
日本の近代化とアジア ―― 全集発刊に寄せて ――
富田正文君名誉学位授与式祝辞
ライフワーク
全集難
青い鳥(抄)
福澤諭吉と福澤先生
福澤研究の方向について
発見
編者あとがき(山内慶太)