目次

本書の論点 ―― 問題提起と結論

<b>序　章　日本の正貨政策に関する研究史</b>
　第1節　正貨政策に関する鳥瞰的研究
　第2節　金本位制確立前の正貨政策に関する研究
　第3節　金本位制確立以後の正貨政策に関する研究
　第4節　第1次世界大戦から昭和初期までの正貨政策に関する研究
　第5節　金本位制離脱後の正貨政策に関する研究

　<b><u>第１編　金本位制確立前の正貨政策</u></b>

<b>第1章　日清戦争以前の正貨政策</b>
　第1節　明治前期の弊制改革
　第2節　明治初期の紙弊と信認
　第3節　兌換制度による銀行券の信用・信認の維持と弾力的な銀行券の
　発行
　第4節　「準備金」と正貨蓄積・在外正資
　第5節　横浜正金銀行の外国為替業務による正貨吸収と日本銀行の外国
　為替資金融通
　第6節　日本銀行の地金銀購入および地金銀購入資金融通
　第7節　外資導入と公定歩合操作の正貨吸収策としての未採用

<b>第2章　日清戦争賠償金と正貨政策</b>
　第1節　日清戦争賠償金の獲得と保管
　第2節　日清戦争賠償金保管金の機能

　<b><u>第２編　金本位制確立期の正貨政策</u></b>

<b>第3章　金本位制の確立</b>
　第1節　金本位制の確立過程
　第2節　金本位制実施方針の決定と実施方法の検討
　第3節　金本位制の確立 ―― 金本位制への一般的信認の確立
　第4節　金本位制の確立が日本経済に及ぼした影響

<b>第4章　確立期金本位制の機構</b>
　第1節　金貨の国内流通なき金貨本位制
　第2節　日本銀行金兌換券に対する一般的信認
　第3節　在外正貨依存の金本位制とその限界
　第4節　在内正貨の吸収とその存在意義
　第5節　金本位制確立期の公定歩合操作と金・正貨維持

　<b><u>第３編　日露戦争以後の金本位制維持政策</u></b>

<b>第5章　日露戦争以後の正貨維持吸収政策と在外正貨</b>
　第1節　正貨維持吸収策
　第2節　日露戦争以後の外債発行と募集金の運用
　第3節　日露戦争以後の公定歩合操作と正貨政策
　第4節　在外正貨保有の増大・恒常化とその保有形態
　第5節　在外正貨の対外支払手段としての機能と金の取寄機能
　第6節　日本銀行の在外正貨売却政策 ―― 大口為替売却政策を中心と
　して
　第7節　在外正貨の正貨準備繰入れ
　第8節　在外正貨の資金運用原則とその実態
　第9節　国際関係と正貨
　補　論　東アジアをめぐる国際政治関係

<b>第6章　明治末・大正初期の正貨危機対策構想</b>
　第1節　日露戦争終了時の高橋是清の正貨維持意見（1905年9月）
　第2節　日本銀行の「正貨維持ノ事ニ就キ上申」書（1906年4月）
　第3節　正貨準備維持に関する閣議案（1907年）
　第4節　日本銀行の「再正貨維持上ノ事ニ付上申」書（1908年4月）
　第5節　正貨事項会議における外債依存の積極的正貨維持方策
　第6節　「正貨準備維持ニ就キ積極、消極孰レノ主義ニ拠ラントスル哉
　ニ関シ政府ノ方針内示方上申」書（1912年）
　第7節　大蔵省内作成『正貨吸収二十五策』（1913年）
　第8節　正貨吸収基本協定の締結（1914年7月）

　<b><u>第４編　第１次世界大戦期の正貨政策</u></b>

<b>第7章　第１次世界大戦期の正貨吸収政策</b>
　第1節　国際収支の大幅黒字下の正貨吸収政策
　第2節　輸出為替買入の奨励
　第3節　政府を中心とする在外資金買上政策
　第4節　為替資金供給、在外資金買上政策の要約とその行詰り

<b>第8章　第１次世界大戦期の正貨処理政策</b>
　はじめに
　第1節　外債償還政策 ―― 消極的正貨処理政策
　第2節　正貨蓄積政策 ―― 中間的正貨処理政策
　第3節　「正貨の産業資金化」政策 ―― 積極的正貨処理政策
　第4節　対外投資政策
　補　論　対中国投資の展開

　<b><u>第５編　第１次世界大戦後の正貨政策</u></b>

<b>第9章　正貨吸収と正貨保有、国際信用と日銀券への信認の維持</b>
　第1節　国際収支構造と国際収支改善策
　第2節　外資導入と正貨吸収
　第3節　諸外国の金・外貨準備保有と日本
　第4節　日本の正貨保有構造とその使途
　第5節　震災復興・借換併用外貨国債の発行と国際信用
　第6節　金輸出禁止下の日本銀行券信認維持の継続

<b>第10章　金輸出禁止下の在外正貨払下政策とその転換</b>
　第1節　第1次世界大戦後の在外正貨払下げの概要
　第2節　第1次世界大戦後の在外正貨払下げ開始
　第3節　在外正貨払下げによる為替相場維持政策の事実上の開始
　第4節　在外正貨の払下げによる為替相場維持政策の展開
　第5節　在外正貨払下政策から在外正貨補充政策への転換過程
　第6節　在外正貨補充政策の展開

<b>第11章　金解禁政策</b>
　第1節　第1次世界大戦後当初の国際政治環境と金輸出禁止の継続
　第2節　金解禁論の台頭と大蔵省の対応
　第3節　国際的金本位制復帰とその日本への影響
　第4節　在外正貨の枯渇
　第5節　浜口内閣の金解禁方針と政策当局者の政策思想
　第6節　金解禁準備政策
　第7節　金解禁への世論操作と金解禁反対行動の取締り

　<b><u>第６編　金輸出の解禁実施と再禁止</u></b>

<b>第12章　金解禁実施下の正貨政策</b>
<b>―― 再建金本位制の内実</b>
　第1節　金解禁維持政策
　第2節　金解禁実施下の正貨吸収政策
　第3節　金解禁実施の基本方針の策定、基本的枠組み
　第4節　金兌換と在外正貨売却による金本位制の維持の重視（1930
　年）
　第5節　正金銀行の為替統制売り

<b>第13章　金輸出再禁止と金兌換停止</b>
<b>―― 日本の金本位制に対する「一般的信認」の事実上の崩壊</b>
　第1節　恐慌の深刻化と金輸出再禁止輿論の形成
　第2節　満州事変の勃発
　第3節　イギリスの金本位制離脱後の外貨・金の流出
　第4節　満州事変後の連立内閣構想と民政党内閣の崩壊
　第5節　金輸出の再禁止と金兌換の停止
　第6節　　金輸出再禁止・金兌換停止後の金・外貨政策

　<b><u>第７編　人物からみた戦前日本の国際金融</u></b>

<b>第14章　海外駐箚財務官制度成立以前の在外国際金融担当者</b>
　第1節　日露戦争以前――海外派遣大蔵官僚とロンドン駐在外交官僚・
　正金銀行ロンドン支店支配人
　第2節　帝国特派財政委員の派遣

<b>第15章　戦前日本の国際金融官僚</b>
<b>―― 海外駐箚財務官を中心として</b>
　第1節　海外駐箚財務官制度の成立
　第2節　海外駐箚財務官制度展開期の財務官とその協力者
　第3節　海外駐箚財務官制度後退期の財務官

<b>終　章　各章の要約</b>

あとがき
主要参考文献一覧
索引