叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態 38
多文化多世代交差世界における市民意識の形成
編:渡辺秀樹
編:有末賢
内容紹介
匿名性の意義変化や下位文化の断片化を呈する、戦後市民社会における多世代状況。
多世代および世代概念を軸にして、この現代社会および戦後日本社会を、「多文化・多世代交差世界」としてとらえ、社会学的に分析する。
目次
巻頭言 安西祐一郎
刊行にあたって 小林良彰
第1章 総論 多文化交差世界と市民意識 有末賢
Ⅰ 多文化・多世代交差世界とは
Ⅱ 戦後市民意識と多世代状況——匿名性と下位文化
Ⅲ 本書の構成
第Ⅰ部 世代と社会化
第2章 “世代”の社会学的考察——“世代”の条件とその表象の変質 和田宗樹
はじめに
Ⅰ マンハイムの“世代”把握
Ⅱ 与件としての「世代状態」
Ⅲ 形成的志向としての「世代関連」の表象
Ⅳ 考察と今後の課題
第3章 ユースカルチャーと時間——レトロスペクティブな若者文化の位相 松尾浩一郎
Ⅰ 変容するユースカルチャー
Ⅱ 若者たちの新しい生き方
Ⅲ 「若さ」と「新しさ」の転回
Ⅳ 過去と未来のはざまで
第4章 再社会化とジェネラティビティ——向老世代のライフストーリーから 小倉康嗣
はじめに
Ⅰ 〈再帰的近代としての高齢化社会〉とエイジングの発見
Ⅱ 社会の捉え直しと再社会化——向老世代のライフストーリーから
Ⅲ 世代の捉え直しとジェネラティビティ
第Ⅱ部 社会化の場の変容——家族と教育の現代
第5章 IT型コミュニケーションと拡散的核家族——情報化と家族の変化のなかの社会化 渡辺秀樹
はじめに
Ⅰ IT化と修正核家族の可能性——〈e-work〉、〈tele-work〉と〈e-family〉〈tele-family〉とエイジングの発見
Ⅱ 家族コミュニケーションの変容
Ⅲ ITと人間関係形成能力
第6章 不登校事例にみる親子関係の変容プロセス——親子のライフヒストリーの比較から 青田泰明
はじめに
Ⅰ 不登校にみる親子関係のダイナミズム
Ⅱ 調査方法と対象
Ⅲ 家族の「語り」
Ⅳ 事例研究
おわりに
第7章 現代大学生の進学動機と職業観——ゆらぐ青年期とキャリアデザイン 小澤昌之
はじめに
Ⅰ 大学生の進路と就職の関係——青年期=モラトリアム期の社会的背景
Ⅱ 問題枠組のパースペクティブ
Ⅲ 調査分析
おわりに
第Ⅲ部 国際移動と社会化
第8章 「文化移民」——文化的活動をめぐる若者の国際移動 藤田結子
はじめに
Ⅰ 「プッシュ」要因
Ⅱ 「プル」要因と「移住システム」
Ⅲ 移住の象徴的な動機——なぜニューヨーク、ロンドンなのか
おわりに
第9章 国際移動と再社会化——中国における日本人女性移住者の意識調査 オイ ション ゴウ
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 先行研究の考察
Ⅲ 調査方法と対象者
Ⅳ 移住する以前の意識
Ⅴ 移住した後の意識
Ⅵ 考察と結論
第Ⅳ部 市民社会の時間・空間
第10章 松田道雄における転向と戦争経験——戦後市民主義の歴史的契機として 和田悠
Ⅰ 大正自由教育の経験
Ⅱ マルクス主義への転向/からの転向
Ⅲ 転向者としての戦時の出発
Ⅳ 全体主義の時代経験
Ⅴ 戦後への連続と非連続
第11章 多文化・高齢社会におけるソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり 浦野慶子
はじめに——背景と目的
Ⅰ ソーシャル・キャピタルの概念と健康なまちづくり
Ⅱ ソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり
Ⅲ 考察と日本への含意
第12章 まちづくりと市民意識——街並みをめぐる「公共性」の諸相 石井清輝
はじめに——問題の所在
Ⅰ 街並みをめぐる公共性の相克
Ⅱ 街並み運動における「公共性」
Ⅲ 「私民」からの「公共性」へむけて
おわりに——要約と今後の展望
索引
ISBN:9784766414646
。出版社:慶應義塾大学出版会
。ページ数:306ページ
。定価:3600円(本体)
。発行年月日:2008年01月
。発売日:2008年01月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB。