第1章 なぜ監査上の懐疑を考えることが重要なのか
1.1 問題の所在
1.2 監査研究におけるaudit skepticismの展開
1.2.1 Mautz = Sharafのaudit skepticism研究
1.2.2 ASOBACのaudit skepticism研究
1.2.3 Robertsonのaudit skepticism研究
1.2.4 Shaubのaudit skepticism 研究
1.2.5 Bell = Peecher = Solomonと職業的懐疑心
1.2.6 Audit skepticismに関する新しい監査研究
1.3 監査実務におけるskepticismの議論
1.3.1 SECと監査人の職業的懐疑心
1.3.2 監査基準審議会と職業的懐疑心
1.3.3 監査基準書第82号と職業的懐疑心
1.3.4 監査基準書第99号と職業的懐疑心
第2章 財務諸表監査における監査判断の態様と監査認識プロセス
2.1 判断とは
2.1.1 認知心理学と判断
2.1.2 哲学と判断
2.1.3 主張についての判断
2.1.4 表現(表示)についての判断
2.1.5 行為についての判断
2.1.6 倫理的判断──さらに上位の判断
2.2 監査認識プロセスと監査判断
2.3 監査判断のミス
2.4 監査判断・職業的専門家としての正当な注意・職業的懐疑心
第3章 財務諸表監査上の懐疑に関連する基礎概念
3.1 監査の失敗
3.1.1 監査の失敗を引き起こす原因
3.2 監査の質
第4章 監査上の懐疑の二重構造――認識方法と懐疑心
4.1 財務諸表監査に構造的に組み込まれている監査認識上の罠――確証傾向
4.2 監査上の懐疑――監査認識のあり方(懐疑の幅)
4.2.1 実証主義
4.2.2 反証主義
4.3 監査上の懐疑――懐疑心を働かせる程度(懐疑の深度)
4.3.1 中立的懐疑心
4.3.2 推定的懐疑心
第5章 監査上の懐疑概念と監査人の認識プロセス
5.1 監査上の懐疑─―定義
5.2 監査人の認識プロセスで果たす監査上の懐疑
5.2.1 監査計画を策定する段階
5.2.2 監査証拠を入手・評価し,その状況と結果を文書化する段階
5.2.3 監査調書に記載された証拠を評価する段階
5.2.4 アサーションに関連してなされた証拠判断を見直す段階
5.3 監査上の懐疑の枠組みと懐疑のシフト
5.3.1 監査上の懐疑水準の初期設定
5.3.2 監査上の懐疑水準のシフト
5.3.3 非確証という監査上の懐疑水準
結びに代えて─今後の監査研究