序章 本書の課題と問題の限定
第一節 課題設定理由
第二節 研究史の整理
第三節 問題の限定
第四節 本書の構成
第一章 中国問題をめぐる日本海軍の対英観と政策
―一九三五~三八年―
はじめに
第一節 日中戦争以前の対英観と政策
第一項 一九三〇年代前半の対英観
第二項 中国幣制改革の実施と対英提携論のあらわれ
第三項 西安事件の勃発と対英提携論の広まり
第二節 日中戦争初期の対英観と政策
第一項 蔣介石政権否認論の台頭とイギリスへの反発
第二項 イギリスを仲介とした和平工作への対応
第三項 トラウトマン工作への対応
第三節 日中戦争の長期化と対英工作
第一項 対英工作をめぐる協議
第二項 蔣介石政権への対応をめぐる議論の活発化
第三項 イギリスを仲介とする和平工作の再浮上
おわりに
第二章 門戸開放・機会均等をめぐる日本海軍の対米観と政策
―一九三五~三九年―
はじめに
第一節 対米観と政策の転換
第一項 対米依存型経済の自覚と対米観の穏健化
第二項 南進論の高まりと門戸開放・機会均等の標榜
第二節 日中戦争の拡大と対米関係
第一項 門戸開放・機会均等および互恵通商協定政策への賛意表明
第二項 アメリカの和平構想と海軍の「権益思想」
第三項 アメリカの対日抗議とそれへの対応
第三節 日米通商航海条約廃棄通告と第二次世界大戦への対応
第一項 対米関係への憂慮
第二項 海軍による対米具体策の立案
第三項 外務省による対米政策の検討
第四項 揚子江開放とその実態
第五項 南方への再注目
おわりに
第三章 上海租界をめぐる日本海軍の対英米政策
―一九三五~四〇年―
はじめに
第一節 日中戦争直前の上海租界対策
第一項 中国政府および工部局への対応
第二項 対英強硬論の萌芽
第二節 日中戦争の勃発と上海租界問題の「対英」問題化
第一項 上海租界問題の浮上とイギリスへの反発
第二項 対英圧力の強化
第三節 第二次世界大戦の勃発と上海租界問題の「対米」問題化
第一項 欧州交戦国軍隊撤退問題をめぐる対米顧慮
第二項 対米関係打開工作と上海租界問題
第四節 上海租界問題をめぐる日米海軍の対立
第一項 イタリア軍撤退問題
第二項 イギリス軍警備区継承問題
おわりに
第四章 南洋群島と海南島を中心とする日本海軍の対英米戦略
―一九三六~四〇年―
はじめに
第一節 海南島を中心とする対英戦略の展開
第一項 日中戦争以前の対英観と戦略
第二項 対英関係の悪化と戦略研究の進展
第三項 年度作戦計画の進化と海南島の対英航空基地としての位置付け
第二節 南洋群島を中心とする対米戦略の展開
第一項 中国問題をめぐる対米楽観認識と南洋群島の基地化の遅滞
第二項 南洋群島基地化の促進と航空用兵思想の進化
第三節 海南島の対英米軍事拠点化
第一項 作戦構想における英米一体化と海南島の対英米軍事拠点化
第二項 海上交通保護基地という役割の強調
おわりに
第五章 一九四一年日米交渉と海南島駐留問題
はじめに
第一節 出先の逸脱による中国駐兵問題をめぐる混乱
第一項 日米交渉以前の中国駐兵に対する日本側の認識
第二項 日米交渉と中国駐兵をめぐる出先の逸脱
第二節 中国駐兵問題をめぐる海軍と外務省の認識の一致
第一項 海軍の開戦準備と海南島
第二項 「日支和平基礎条件」の策定
第三節 海南島への長期駐留とアメリカの対日批判
第一項 外務省による譲歩案の作成と陸軍の動向
第二項 海南島駐留に固執する海軍と「甲案」の決定
第三項 海南島駐留問題に対するアメリカの反応
おわりに
終章 本書の結論と残された課題
参考文献一覧
あとがき
索引