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竹内式部と宝暦事件

著:大貫大樹

紙版

内容紹介

竹内式部の思想並びに、式部門弟の視点から宝暦事件について論じた研究書。

【メディア紹介情報】
令和5年04月17日 『神社新報』6面

目次

序 章 竹内式部と宝暦事件研究の課題
一、竹内式部の略伝と先行研究
二、宝暦事件と天皇・朝廷研究
三、研究の視角
四、本書の構成と概要

第一篇 竹内式部の学問と人物

第一章 若林強斎と玉木正英への入門
はじめに
一、上京後の式部
二、玉木正英の学風
三、若林強斎の学風
おわりに

第二章 望楠軒からの「義絶」とその要因
はじめに
一、三宅尚斎・久米訂斎との論争
二、沢田一斎と式部
三、小野鶴山と式部の「義絶」
四、玉木正英門下と望楠軒
おわりに

第三章 『靖献遺言』の講説と「繾綣惻怛」
はじめに
一、講説の成立
二、講説の基本姿勢
三、講説に見る「繾綣惻怛」の精神
おわりに

第四章 『奉公心得書』の成立と受容について―附・『事君辯』翻刻―
はじめに
一、『事君辯』の成立と信憑性
二、垂加神道の本質と『奉公心得書』の改作
三、『事君辯』(『奉公心得書』)の受容
おわりに
【翻刻】『事君辯』

第五章 『糺問次第』に見る忠節と理想
はじめに
一、『糺問次第』について
二、式部の気風と奉行所
三、現実認識と理想―『保建大記』と「中臣祓」―
四、皇居に対する忠節―『靖献遺言』と「君臣合体」―
五、京都所司代の裁定
おわりに

第六章 「中臣祓」の講説と「人欲私欲」の神学
はじめに
一、「中臣祓」に見る理想的治世
二、「人欲私欲」と「祓」の神学
三、式部の「人欲私欲」観と現実社会
四、式部の「人欲私欲」観形成の背景
おわりに

第二篇 朝廷に於ける垂加神道と宝暦事件

第一章 霊元天皇と山崎闇斎の「生き勧請」
はじめに
一、近世前期の学問と朝廷
二、山崎闇斎の生き勧請と吉田家
三、霊元天皇の御精神と生き勧請
おわりに

第二章 一條兼香と垂加神道・崎門学
はじめに
一、崎門学の修学
二、垂加神道の修学
三、「帝王治国論」に見る君徳涵養
おわりに

第三章 松岡雄淵の学問と朝廷
はじめに
一、「日本魂」論の淵源
二、『神道学則日本魂』と玉木正英の破門
三、宝暦事件前後の雄淵
四、隠居後の雄淵
おわりに

第四章 竹内式部の思想受容とその伝播
はじめに
一、桜町天皇主導の朝廷と垂加神道
二、桃園天皇の東宮傅と和歌御修練
三、「官位御定」と式部門弟
四、式部門弟と吉田家〈松岡雄淵〉・吉見幸和
おわりに

第五章 桃園天皇への『日本書紀』御進講の「目的」
はじめに
一、『進講筆記』と『神代巻講義筆記』
二、竹内式部の天皇観
三、御進講の要諦
おわりに

第六章 宝暦事件再考
はじめに
一、御進講の開始
二、桃園天皇の御製と式部門弟の御進講
三、式部門弟の朝廷認識と奉公精神
四、一條道香による御進講の反対
五、桃園天皇の大御心
おわりに

第七章 宝暦事件後の朝廷と垂加神道
はじめに
一、宝暦事件後の式部門弟と垂加神道
二、烏丸光栄の子息と朝廷
三、光格天皇の御治世と垂加神道
四、裏松光世の学問精神
おわりに

終 章 本書の成果と課題
一、竹内式部の実践神学
二、大御心の実現と垂加神道
三、宝暦事件に於ける歴史的神学的意義

あとがき
人名索引

著者略歴

著:大貫大樹
平成六年 神奈川県に生まれる
令和四年 國學院大學大学院文学研究科神道学・宗教学専攻博士後期課程修了・博士(神道学)
現  在 國學院大學神道文化学部兼任講師・國學院大學研究開発推進機構PD研究員

〔主要論文〕
「浅見絅斎『論語師説』と繾綣惻怛―わが国に於ける『論語』実践―」(西岡和彦・石本道明・青木洋司編『江戸期『論語』訓蒙書の基礎的研究』明徳出版社、令和三年所収)
「若林強斎『仁説問答講録』について―崎門学に於ける「仁説」―」(『藝林』七一―二、令和四年)

ISBN:9784764601505
出版社:錦正社
判型:A5
ページ数:556ページ
定価:10000円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年03月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRRL3
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRV