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作業療法学全書 10

作業療法技術学 2 福祉用具の使い方・住環境整備

改訂第3版

監:日本作業療法士協会
編:木之瀬 隆

紙版

内容紹介

本シリーズは、日本作業療法士協会が監修する作業療法士養成のための教科書であり、わが国初のオリジナルテキストとして刊行以来、全国の作業療法士養成校で使用されてきた。学生に、基本的かつ時代の求める知識と技術を伝えるための改訂第3版。

第10巻は、作業療法士養成校の卒前教育において知っておくべき最低限の知識と技術をまとめつつ、福祉用具と住環境整備について理論的に理解し、実践の中で活用できることを意図して編集を行っている。
具体的な日常生活活動を中心に、福祉用具の活用方法の基本と、作業療法で主に関わる疾患・障害に対する具体的な福祉用具の選定・適合方法と活用例、フォローアップを示した。

目次

改訂第3版の発刊にあたって
改訂第3版の編集にあたって
「作業療法技術学2 福祉用具の使い方・住環境整備」の編集にあたって
編集者・執筆者一覧

第1章 福祉用具
I.福祉用具総論(木之瀬隆)
 1.福祉用具の定義と歴史
 2.アシスティブ・テクノロジーとICFでの位置づけ
 3.ICFの環境因子とATの関係
  3-1 作業療法とATの関係
  3-2 福祉用具の適応
II.福祉用具の運用(木之瀬隆)
 1.テクノエイド協会の分類
 2.JISの分類
 3.ISOの分類
III.福祉用具と作業療法士の役割:福祉用具導入の流れ(木之瀬隆)
 1.福祉用具選択の基本姿勢
 2.福祉用具に関わる他の職種
 3.福祉用具供給システム
  3-1 障害者自立支援法による補装具
  3-2 介護保険法による福祉用具
  3-3 日常生活用具給付事業
  3-4 その他の福祉用具の給付
 4.福祉用具関連の情報
IV.福祉用具適応論(木之瀬隆)
 1.人と用具の関係
 2.生産品と用具(products and technology)
 3.福祉用具の適応方法
  3-1 福祉用具の選定のためのアセスメント要因
  3-2 アセスメントの手順
 4.福祉用具導入の流れ
  4-1 福祉用具に対するニーズの把握と目的の確認
  4-2 福祉用具導入に必要な評価
  4-3 福祉用具の選定・設計・製作
  4-4 適合評価
  4-5 福祉用具使用訓練
  4-6 フォローアップ
 5.福祉用具供給システムの今後について
  5-1 福祉用具の適合性の問題点
  5-2 介護保険制度の福祉用具の選定・適合の問題点
  5-3 北欧の福祉用具供給システムと介護保険福祉用具の比較
V.福祉用具のリスクマネジメント(新田淳子)
 1.福祉用具における現状
  1-1 「事故」・「ひやりはっと」情報の意味するもの
  1-2 どのような事故が起きているのか
 2.福祉用具における安全性
  2-1 関係法規と作業療法士の関わり
  2-2 製品におけるリスクマネジメントの考え方
  2-3 「選定・適合」とメンテナンス
VI.福祉用具の適応(症例を含む)
 1.起居・床上(松本琢磨,玉垣 努)
  1-1 起居・床上動作とは
  1-2 起居・床上動作にみられる患者の傾向
  1-3 福祉用具の選択と適応技術
  1-4 臥位を支援する視点と用具
  1-5 寝返り・起き上がりを支援する視点と用具
  1-6 床上移動を支援する視点と用具
  1-7 立ち上がりを支援する視点と用具
 2.移乗(中山初代)
  2-1 移乗についての基本的考え方
  2-2 評価
  2-3 立位移乗と福祉用具
  2-4 座位移乗と福祉用具
  2-5 持ち上げ移乗と福祉用具
  2-6 在宅でのリフト導入事例
 3.姿勢:座位保持,上腕保持(木之瀬隆)
  3-1 運動学による姿勢保持の理解
  3-2 指標となる椅子座位姿勢
  3-3 姿勢保持と福祉用具
  3-4 シーティング(座位保持)におけるアセスメント
  3-5 作業療法場面で使用する福祉用具
  3-6 筋力増強・筋持久力改善に用いる用具
 4.移動:車いす,杖,歩行器(木之瀬隆)
  4-1 車いす
  4-2 歩行補助具
 5.入浴(沢中 元)
  5-1 移動
  5-2 衣服の着脱
  5-3 洗体
  5-4 浴槽への出入り
 6.更衣・整容(沢中 元)
  6-1 更衣
  6-2 整容
 7.排泄(中山初代)
  7-1 福祉用具支援の基本的考え方
  7-2 評価
  7-3 福祉用具の種類
  7-4 トイレで使用する福祉用具
  7-5 ベッドサイドで使用する福祉用具
  7-6 おむつ・パッドなど
 8.食事(岩谷清一)
  8-1 食事とは
  8-2 食事の評価
  8-3 環境設定
  8-4 選定・適合の際の留意点
  8-5 福祉用具の紹介
 9.家事(岩谷清一)
  9-1 家事とは
  9-2 家事の評価
  9-3 選定・適合の際の留意点
  9-4 家事の各論
 10.余暇活動(関谷宏美)
  10-1 余暇活動とは
  10-2 余暇活動支援の特性
  10-3 余暇活動の種類と支援機器
 11.コミュニケーション機器(関谷宏美)
  11-1 コミュニケーションとは
  11-2 コミュニケーションの構造
  11-3 コミュニケーションの目的
  11-4 コミュニケーション支援の考え方
  11-5 コミュニケーション障害の種類と対応方法
  11-6 コミュニケーション支援に関する情報源
VII.疾患別の福祉用具利用例
 1.頸髄損傷(玉垣 努)
  1-1 頸髄損傷の特徴
  1-2 食事
  1-3 トイレ
  1-4 入浴
  1-5 自動車
 2.脳血管障害(岩谷清一)
  2-1 はじめに
  2-2 事例報告
  2-3 福祉用具を選定・適合する際の留意点
 3.関節リウマチ(RA)(宮川 豊)
  3-1 RAにおける福祉用具の位置づけ
  3-2 福祉用具の利用例
  3-3 まとめ
 4.進行性疾患(本間武蔵)
  4-1 事例1:急速な機能低下のなかで家族,親族の力を引き出して,コミュニケーションやテレビ操作などの維持をはかった事例
  4-2 事例2:パソコンへの入力能力の維持による職業継続
  4-3 事例3:携帯会話補助装置による生活拡大
  4-4 事例4:病状の進行により何もできることがなくなった方へ,福祉仕様の楽器を導入した事例
  4-5 考察
 5.脳性麻痺(波多野裕子)
  5-1 脳性麻痺と福祉用具
  5-2 福祉用具適合にあたって
  5-3 ライフステージを考えた支援の課題
  5-4 適合・選定の支援の実際
  5-5 教育環境における生活支援用具の実際
  5-6 学校環境での機器のいろいろ
 6.認知症(新田淳子)
  6-1 認知症高齢者における福祉用具利用の考え方
  6-2 福祉用具の「選定」における基本的な考え方
  6-3 生活場面と福祉用具の選定・適合における「注意点」
 7.精神障害(本間武蔵)
  7-1 就労場面での用具活用事例
  7-2 ボランティア活動場面での事例
  7-3 考察(用具活用のポイント)

第2章 住環境整備(島田克充)
I.作業療法と環境整備
 1.ICF:人的要因,物理的要因
 2.環境整備の一つとしての住宅改造
 3.人的環境整備
II.住宅の機能
 1.住宅の機能
 2.日本の住宅の特徴
III.建築の基礎知識:建築図面の見方と描き方
 1.建築計画の基礎知識
  1-1 改造における諸問題
 2.建築モジュールと機器の関連
  2-1 建築モジュール
  2-2 機器との関係
 3.建築図面の見方と描き方
  3-1 建築図面の見方
  3-2 実際の図面の見方
  3-3 図面の描き方
IV.住宅改造
 1.住宅改造の概念
 2.住宅改造の必要性
  2-1 住宅改造の必要性
  2-2 住宅改造と作業療法士の関わり方
 3.住宅改造の留意点
  3-1 住宅改造の考え方と工夫
  3-2 基本的検討事項
  3-3 住宅改造の進め方
 4.図面の作成
  4-1 改造案の作成
  4-2 打ち合わせ
  4-3 改造案の作成
  4-4 フォローアップ
  4-5 記録
 5.住宅改造の検討事項
  5-1 基礎事項
 6.相談記録表(チェックシート)の作成
  6-1 プロフィール
  6-2 日常生活活動
  6-3 住宅状況
 7.住宅改造の助成制度
V.環境制御装置
 1.スイッチ部
 2.制御装置
 3.装置の活用
VI.障害別住宅改造の留意点
 1.頸髄損傷(四肢麻痺)者
 2.脳血管障害者
 3.関節リウマチ
 4.進行性疾患
 5.脳性麻痺

キーワード説明
索引

ISBN:9784763921277
出版社:協同医書出版社
判型:B5
ページ数:216ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2009年04月
発売日:2009年04月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MNC