縄文王国やまなし
監:九州国立博物館
内容紹介
昨今の縄文ブームの中において、縄文土器の王様と言われる火焔土器などが広く知られている一方で、山梨で多く出土している水煙紋土器はを一堂に見る機会があまりなく、まだまだ広く知られていない。“水の煙”という名前の通り、流れるような文様で形作られた土器は優美そのもので、まさに縄文土器の女王と言える芸術性の高さを誇る。山梨は水煙紋土器を特徴とした極めて重要な土器・土偶の宝庫と言える、多くの出土品に恵まれた縄文王国なのである。本書では、掲載作品56点のうち重要文化財を39点紹介し、各々の土器の美しさとデータを紹介。また図版紹介の合間に豊富なコラムも掲載し、山梨の遺跡・出土品に関する情報を読んで楽しめる。そして後半には、「縄文へのまなざし」として、縄文に惹きつけられた、眼科、医学、着物の帯、醸造、アート、哲学、料理など様々なジャンルの執筆者によるエッセイを特集。縄文人の生き方にも思いを馳せた、縄文ワールドへのロマンが詰まった、読んで見て楽しめる一冊である。
目次
目次
ごあいさつ
巻頭寄稿
縄文美の特質 青柳正規
縄文王国やまなしと九州 ―教科書にみる縄文時代― 赤司善彦
出土遺跡地図
縄文王国やまなしの土器や土偶:水煙紋土器の造形
縄文人と生き物の関わり~イノシシと縄文土器~
有孔鍔付土器とワイン
中部高地の土偶
星降る中部高地の縄文世界日本遺産のストーリー
中部高地の石器 ―黒曜石・水晶原産地と山梨―
クリとクルミは毎年実るか? ―東日本縄文人を支えたクリとクルミ―
圧痕分析から見た縄文時代の植物利用
縄文へのまなざし
2つの器形から?山梨・縄文展に寄せて?
縄文人と目
DNAからみた中央高地の縄文時代人
日本的とは何か
生命へのアート 縄文のヴィーナスとキース・ヘリング
徹底した抽象と創造的造形
縄文の食卓に思いをはせて
縄文土器様甕を用いたワイン試醸
縄文からの手紙
縄文土器の文様 見て、描いて、それから…
1万5千年前からのメッセージ