日本漢文学の射程
その方法、達成と可能性
編:王 小林
編:町 泉寿郎
紙版
内容紹介
◎独自の文体・思想体系を形成させてきた日本漢文学――日中国際ワークショップの研究成果なる!
目次
まえがき
Ⅰ 日本漢文―文献研究とその方法
「聖徳」の転落――日本における緯書の享受と変容 (王小林)
ヤマタノオロチと九尾のキツネ――日中古代神話研究序説 (牧角悦子)
現代日本の中国思想古典学における漢文訓読法の位置
――文言資料読解の現場から (市來津由彦)
Ⅱ 近代教育と漢学・儒教
安井息軒「辨妄」に見える忠孝観念の性格
――井上毅「教育勅語」との共通点に注目して (青山大介)
日本の中等学校における儒学文化――校訓・校歌表象から (江藤茂博)
戦前期台湾公学校の漢文教科書について (川邉雄大)
Ⅲ 近代漢学と思想・宗教
『荀子』の性説は『韓非子』人間観の基礎にあらず (佐藤将之)
「二つの陽明学」再論――近代日本陽明学の問題についての省察 (呉 震)
「市民宗教」と儒教――中国の現在、日本の過去と儒教復興 (キリ・パラモア)
Ⅳ 日本漢文学の可能性
祈禱する弘法大師――密教と漢文学の間にある願文 (ニコラス・モロー・ウィリアムズ)
近世東アジア外交と漢文――林羅山の外交文書を中心に (武田祐樹)
隠逸の多様なイメージ――日本幕末維新期の漢詩人と陶淵明 (マシュー・フレーリ)
漢詩と政治批評――木下彪の「国分青厓と明治大正昭和の漢詩界」 (町泉寿郎)
著者・翻訳者紹介
編集後記