道徳的判断力を育む授業づくり
多面的・多角的な教材の読み方と発問
著:高宮 正貴
著:杉本 遼
内容紹介
児童生徒が問題を「自分事」として考える道徳授業とは? そして道徳的価値を多面的・多角的に理解し判断する力を育むために教師は何をすべきか? 「深い学び」につながる教材の読み方や「問題追求的な学習」の指導過程を,12の指導案とともに解説。発問の効果的な積み重ねで,一般的な価値理解と個別状況に対応できる〈思慮深さ〉を養う。
目次
はじめに:道徳的判断力を育むために
凡例
第1章 道徳的判断力を育む授業づくり
1 道徳的判断力の定義
2 個別の状況下での判断を問う理由:「思慮深さ」を養う
3 道徳的判断力を育む学習の3つの階層
4 道徳的判断力を育む学習の強み:価値理解の学習と問題解決的な学習の「間」
5 道徳的判断力を育むための「価値の一般化」の工夫
6 道徳科における「個別最適な学び」と「協働的な学び」
第2章 道徳的判断力の構成要素を見いだす5つの教材類型と6つの教材の読み方
1 5つの教材類型
2 教材の読み方 A:道徳的価値の意味(内包・外延)、成立条件を読み解く
3 教材の読み方 B:複数の価値観の重みの違いを読み解く
4 教材の読み方 C:道徳的価値の意義(理由、効用・目的)を読み解く
5 教材の読み方 D:「人間理解」の視点で読み解く
6 教材の読み方 E:教材で描かれている状況の条件を変える(条件変更)
7 教材の読み方 F:個別の状況下(時処位)での価値理解の適用の是非・あり方を考える
第3章 問題追求的な学習
1 問題意識をもつ必要性
2 最初に道徳的な問題を提示し、児童生徒の追求する過程を学習指導過程とする
3 「問題追求的な学習」とは
4 「中心的な発問」と「追発問」は、「拡散」と「焦点化」のイメージ
5 ねらいの立て方
6 児童生徒の言葉をつなげ、柔軟に展開する
7 「問題追求的な学習」の学習指導過程の例
第4章 「学習問題」の設定と発問づくりの手法
1 児童生徒の価値観を引き出し、広げ、深める「学習問題」と「中心的な発問」をつくる5つの視点
2 「追発問」で価値理解を深めるための8つの視点と適用・発展・拡大を促す4つの視点
おわりに
巻末資料 学習指導案
教材と手法の対応表
「特別の教科 道徳(道徳科)」の内容項目一覧
1 小学校低学年 節度、節制(かぼちゃのつる)
2 小学校低学年 親切、思いやり(はしの上のおおかみ)
3 小学校低学年 感動、畏敬の念(ひしゃくぼし)
4 小学校中学年 礼儀(フィンガーボール)
5 小学校中学年 友情、信頼(泣いた赤おに)
6 小学校中学年 規則の尊重(雨のバスていりゅう所で)
7 小学校高学年 善悪の判断、自律、自由と責任(うばわれた自由)
8 小学校高学年 相互理解、寛容(ブランコ乗りとピエロ)
9 小学校高学年 よりよい学校生活、集団生活の充実(森の絵)
10 中学校 希望と勇気、克己と強い意志(木箱の中の鉛筆たち)
11 中学校 公正、公平、社会正義(卒業文集最後の二行)
12 中学校 国際理解、国際貢献(海と空:樫野の人々)
文 献
索 引