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みんなのスピリチュアリティ

シシリー・ソンダース,トータルペインの現在

編:アンドリュー・グッドヘッド
編:ナイジェル・ハートレー
他訳:小森 康永

紙版

内容紹介

ホスピスはいかにして死にゆく人とその家族を支えるのか?

ホスピス管理者,緩和ケア医,理学療法士,ボランティア,心理療法家,チャプレン,看護師,ソーシャルワーカー……
12人のベテランのホスピス臨床家たちが,〈スピリチュアリティ〉あるいは〈スピリチュアルケア〉をどのようなものとして理解しているのか,自身の経験を交えながら率直に語り合う。

「近代ホスピスの母」シシリー・ソンダースが創設したセント・クリストファー・ホスピス50周年記念として編まれた論文集。
[原著]Goodhead, A., & Hartley, N. (2017). Spirituality in Hospice Care: How Staff and Volunteers Can Support the Dying and Their Families. Jessica Kingsley Publishers Ltd.

【主な目次】
はしがき

第1章 スピリチュアルペインとは何か──ホスピス管理者の視点
第2章 患者の前にいることのニード──スピリチュアルケア・リードの視点
第3章 介入ではなく関係を──緩和ケア医の視点
第4章 ヘルスケアにおける希望の提示──理学療法士の視点
第5章 関係とレジリエンス──ホスピス・ボランティアの視点
第6章 トータルペインと多様性──教育者の視点
第7章 アートによるスピリチュアルペイン探求──心理療法家の視点
第8章 スピリチュアリティと宗教の緊張関係での仕事──チャプレンの視点
第9章 スピリチュアリティと職業──看護師の視点
第10章 スピリチュアルケアを実践する──三人の緩和ケア・ソーシャルワーカーの視点
結論
解説に代えて──「スピリチュアルペイン」を読む

目次

はしがき


第1章 スピリチュアルペインとは何か──ホスピス管理者の視点
 はじめに
 僕のバックグラウンド
 知らずにいることと決して満足しないこと
 四つの話
 結びに代えて

第2章 患者の前にいることのニード──スピリチュアルケア・リードの視点

第3章 介入ではなく関係を──緩和ケア医の視点
 はじめに
 ヒーラーとしての医師
 死の不安
 配慮の性質
 小さい話が大きな話になるとき
 尊厳――どのように見られたいか
 意味――答えのない問い
 語り方――われわれが選ぶ言葉
 チームの葛藤と相容れいない語り方
 手放すこと――ものを捨てること
 否認――誤解されている対処法
 希望と意気消沈
 火山と滝、怒りと恐怖
 関係を結ぶケア――ネットワークと夫婦
 結びに代えて

第4章 ヘルスケアにおける希望の提示──理学療法士の視点
 見込みがない旅におけるスピリチュアルな存在
 暗闇の中の希望
 体と心と生気の完全な統合
 スピリチュアルな死からの解放
 スピリチュアリティと人生の嵐

第5章 関係とレジリエンス──ホスピス・ボランティアの視点
 はじめに
 スピリチュアリティをどう見るか
 レジリエンス
 レジリエンスとスピリチュアリティ
 「間」とトランスパーソナルなもの
 ホスピスのボランティアとしての意味づけ――場面を設定すること
 アニバーサリーセンターでの関わり
 実際的な支援
 患者の家族
 社会的苦痛
 情緒的苦痛
 スピリチュアルペイン
 身体的苦痛
 結びに代えて

第6章 トータルペインと多様性──教育者の視点
 はじめに
 スピリチュアリティとは何か
 専門性の限界
 スピリチュアリティと動機づけ
 トータルペインと多様性
 スピリチュアルペイン
 結びに代えて

第7章 アートによるスピリチュアルペイン探求──心理療法家の視点
 はじめに
 スピリチュアリティ――私にとっての意味
 スピリチュアリティと専門職の生
 アートを使う心理療法
 トータルペインという概念
 スピリチュアルケアとスピリチュアルペイン
 スピリチュアル・ニードへの応答
 死や死ぬことについてのタブーを取り除くこと
 スピリチュアル・アセスメント
 スピリチュアルペインスピリチュアルな苦悩はどのように見えるか
 結びに代えて

第8章 スピリチュアリティと宗教の緊張関係での仕事──チャプレンの視点
 スピリチュアリティと宗教
 見ること
 つながること
 深み
 諦め
 スピリチュアルペイン
 トータルペイン
 概念の拡張
 結びに代えて

第9章 スピリチュアリティと職業──看護師の視点
 はじめに
 「守護天使」と「スピリチュアルな使命」
 私のスピリチュアルな生がどのように専門職の生と相互作用するのか
 トータルペイン
 スピリチュアルペイン
 結びに代えて

第10章 スピリチュアルケアを実践する──三人の緩和ケア・ソーシャルワーカーの視点
 はじめに
 コスタス
 サリー
 ニノン
 結びに代えて

結論

解説に代えて──「スピリチュアルペイン」を読む
訳者あとがき
文 献
索 引

著者略歴

編:アンドリュー・グッドヘッド
●アンドリュー・グッドヘッド(Andrew Goodhead)
2005年1月に,牧師としてセントクリストファーに参加し,2007年には博士課程研究を修了した。彼はメソジスト派の牧師であり,英国各地の都市部および農村部で14年の教会経験がある。セントクリストファーでのアンドリューの役割は,あらゆるエンドオブライフケアの専門家が,すべての患者と家族にスピリチュアルな評価と継続的サポートを提供するスキルと自信を持てるよう労を惜しまないことである。彼は特に,スピリチュアルニードを理解する方法としてのスピリチュアルペイン概念に興味を持っている。信仰を必要とする患者のために,アンドリューは,スピリチュアルケアリードとしての牧師による心理的ケアおよび宗教の役割を展開している。
Palliative Medicine (January 2106)誌では「一緒に歩いた分しか学べない:死にゆく人々のケアに対するコミュニティ聖職者の経験と態度:パイロット・スタディ(I think you just learned as you went along – community cle…
編:ナイジェル・ハートレー
●ナイジェル・ハートレー(Nigel Hartley)
ナイジェルは30年以上,エンドオブライフケアに携わっているが,2003年から2015年まではロンドンのセントクリストファーのサポーティブケア・ディレクターとして,デイケアおよび外来部門の変革に寄与し,ボランティアの教育やコミュニティ活動でも指導的立場を担った。彼は以前,HIV/AIDSと共に生きる人々のためのセンターであるロンドン・ライトハウスや,オックスフォードのサー・マイケル・ソベル・ハウス・ホスピスでも活動した。彼は,英国のアシュリッジ・ビジネススクールで経営学修士を得て,教師および講師としても国際的評価を獲得している。ナイジェルは,数多くの論文,著作,および分担執筆をこなす経験豊富な著述家でもある。
彼の著作には,『エンドオブライフケア:セラピスト,アーティスト,そしてアートセラピストのためのガイド(End of Life Care – a guide for therapists, artists and arts therapists)』(2014),および共同編集の『ホスピスケアのスピリチュ…
他訳:小森 康永
●小森康永(こもり・やすなが)…… はしがき,序,第1章,第4章,結論,解説に代えて,訳者あとがき

1960年  岐阜県に生まれる
1985年  岐阜大学医学部卒業
現 在  愛知県がんセンター精神腫瘍科部長
〈主著・訳書〉
『緩和ケアと時間』(著)金剛出版 2010年
『ディグニティセラピーのすすめ』(共著)金剛出版 2011年
『バイオサイコソーシャルアプローチ』(共著)金剛出版 2015年
『はじめよう! がんの家族教室』(編) 日本評論社 2015年
『手作りの悲嘆』(共訳)北大路書房 2018年

ISBN:9784762831003
出版社:北大路書房
判型:4-6
ページ数:376ページ
定価:3900円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MB