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教師の条件-改訂新版

改訂新版

授業と学校をつくる力

他著:小島 弘道
他著:北神 正行
他著:水本 徳明

紙版

内容紹介

教員評価の実施、学校評価ガイドラインの設定、免許更新制導入・教職大学院・専門職大学院設置への動き、
そして教育基本法改正案国会提出などにともない、大きく変化する教育とその制度。
これからの時代にもとめられる「教師の条件」とは何か。

?21世紀の教職という教師の職業の性質とそれにふさわしい力量(資質能力)と
その育成(養成・採用・研修)の在り方
?教職員の多様化、職務、教育実践、教師の成長発達から読み取れる教職の学校社会学
?教師の専門性の本質と変化
?教師の仕事場としての学校の使命とその運営
上記の4点について、論じ、教職について学び、自らの教職人としての資質や能力を確かなものにし、
子どもたちと向き合う豊かな人間性を備えた人間教師、高度専門職業人をめざすためのテキスト。

学習指導要領の改訂、「働き方改革」の問題など、近年の大きな変化に対応するため、
大幅な改訂を行った改訂新版。

目次

第1章 教職への道―大学で何を学ぶか
 1.教師になることの意味
  1.教育は教師次第 / 2.教師教育の意味
 2.大学における教師養成教育
  1.大学という世界 / 2.「大学における教員養成」の原則
 3.教員養成カリキュラムの基本枠組み
  1.教師の三重の教養 / 2.教職の専門性と教職教育 / 3.教師教育と教育学教育

第2章 教職の歴史―教師像の変遷と教師論
 1.「教員」の誕生と教職の成立
 2.教職=聖職者論
 3.師範教育批判と戦後の教師教育
  1.戦後教育改革と教員制度改革 / 2.教員組合の結成と労働者教師論 / 3.教師批判と改革論議
 4.教職=専門職論
  1.専門職論の登場 / 2.移り変わる教職像―「実践的指導力」への傾斜
  / 3.教師教育改革と新たな教師像 / 4. 高度専門職と「学び続ける教員像」

第3章 教育養成と教員採用
 1.教員免許制度と教員養成
  1. わが国の教員養成―その理念と制度 / 2. 教員免許制度 / 3. 教育養成カリキュラムの改善
  / 4. 大学院における教員養成と教職大学院
 2.教員採用制度
  1. 「選考」としての教員採用制度 / 2. 採用の実態 / 3. 選考方法・内容

第4章 教員研修の制度
 1.教員研修の意義
  1. 専門職と研修 / 2. 教員研修の意義・必要性
 2. 教員研修の法制度
  1.教員の研修規定 / 2. 教員育成指標と教員研修計画
 3.教員研修の種類と体系
  1. 教員研修の種類 / 2. 教員研修の体系化
 4. 初任者研修の制度
  1. 初任者研修の理念 / 2. 初任者研修の内容・方法 / 3. 初任者研修の改善
 5. 学び続ける教員と教員研修
  1. 学び続ける教員を支えるキャリアシステムの構築
  / 2. 学び続ける教員と反省的成長―専門職としての教員の成長

第5章 学校における教職員の多様化と協働
 1.学校に配置される職員の多様化
  1. 学校に配置される教職員等 / 2. 職、業務の分化 / 3. 採用(任用)形態、勤務形態の多様性
 2.教職員配置の実態
  1. 公立小学校の教職員 / 2. 公立中学校の教職員 / 3. 産休・育休代替教員と再任用教員の状況
  / 4. 相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
 3. 教職の在り方と学校における協働
  1.限定的な専門分化 / 2.教職員定数改善の抑制と「チーム学校」「働き方改革」
  / 3.教職と協働の在り方をどう展望するか

第6章 教師の職務
 1.教師の仕事の多面性
 2.「個業」としての教師の仕事
  1. 授業者としての教師 / 2. 学級担任としての教師
 3.「分業―協業」としての教師の仕事
  1. 学級組織の中の教師 / 2. 教育公務員としての教師

第7章 教師の日常世界
 1.新任教員は何を学ぶか
  1. 日米の新任教員が一年間に学ぶこと / 2. 日米の実践的知識の違い
  / 3. 実践的知識が維持される仕組み / 4. 学校の日常をしばる文化
 2.文化というシステム
  1. 教師文化の両義性 / 2. 「多忙感」を生み出す構造
 3.教師文化と上手につき合う方法
  1. コーピング・ストラテジー/サバイバル・ストラテジー / 2. 「同僚性」と新たな専門職規範

第8章 教師にとっての学級担任体験と職能発達
 1.教師の発達
  1. 右肩上がりの成長・発達モデル / 2. 四つの理念的モデル
  / 3. 行為の変容の繰り返しとしての発達
 2. 教師にとっての学級担任経験
  1. 学級担任:教職キャリアの基礎経験 / 2. 学級経営の原理 / 3. 学級担任の葛藤とそれへの対処
 3.中堅教師の危機とアイデンティティ発達
  1. 教職経験10年前後とはどのような時期か / 2. アイデンティティ発達を促す契機
  / 3. 中堅期のキャリア発達
 4. 教師の発達と健康を支える学校の課題
  1. 発達の契機となる葛藤を活かす / 2. バーンアウトにつながる葛藤を軽減する

第9章 教師の専門性と力量
 1.教師であるとは
  1. 教師への期待 / 2. 教師を変えるもの / 3. 学校が教師を伸ばす―教師集団は第二の学校
  / 4. 教師の資格
 2.教師の資質
  1. 根本にある子どもとの関係 / 2. 教師の資質は変化し、形成される / 3. 専門性を何に求めるか
  / 4. 総合的指導力としての教師の力量 / 5. 「考える教師」―省察、創造、実践する教師
 3.教育実践の協働と専門性の変容
  1. 専門性の変化―協働の専門性、開かれた専門性
  / 2. 教育実践の協働―「対する関係」から「つながり協働する関係」へ / 3. 協働の文化
  / 4. 専門性の再定義
 4.教育実践の構造を読み解く―「小さな火花」の中に「光の大海」を読む
  1. 教育実践の構造とは / 2. 教育実践―「小さな火花」の世界
  / 3. 教育実践における理論と実践―「理論と実践の往還」は教育実践を変革する概念となりえるか
  / 4. 教育実践の自由と裁量

第10章 学校教育と学校経営
 1.現代社会と学校教育
  1.学校教育の使命 / 2.公教育としての学校教育 / 3.社会の変化と学校教育
 2.AI社会と学校教育
  1. 予測困難な時代―AIリテラシーへの期待 / 2.AIに負けない子供を育てる
 3.「子どもの人生と未来に責任をもつ」学校づくり
  1. 知的成長環境としての学校 / 2.「今を生きる」教育 / 3.夢、希望、未来を放つ学校づくり
  / 4. 日本の学校づくり論―学校づくりの示唆と知見
 4.開かれた学校づくり
  1.学校と保護者・地域住民―「地域に開かれた学校」から協働へ
  / 2.「開かれた学校づくり」からコミュニティ・スクールへ
  / 3.新たな学校ガバナンス、学校運営協議会
 5.教師の仕事と学校経営
  1.教育実践と学校経営―教師に学校経営の知はなぜ必要なのか / 2.学校経営の機能
  / 3.学校はどう運営されているか / 4.学校づくりと学校評価 / 5.学校の働き方改革

資 料 教育基本法の新旧比較
索 引

著者略歴

他著:小島 弘道
(おじま ひろみち)筑波大学名誉教授/元龍谷大学文学部哲学科教授/元京都教育大学大学院連合教職実践研究科教授。

他著:北神 正行
(きたがみ まさゆき)国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科・体育学部こどもスポーツ教育学科教授。

他著:水本 徳明
(みずもと のりあき)同志社女子大学教職課程センター特任教授/京都教育大学大学院連合教職実践研究科教授。

ISBN:9784762029431
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JND