第4部 中世
第1章 中世前期における古典荘園の形成―牧畜世界の中で、穀物農耕定着の兆し(4~9世紀)
はじめに―「蛮族」の侵入とその後の土地の接収―
Ⅰ.軍事的占領としてのメロヴイング王朝(5世紀から8世紀頃まで)
Ⅱ.カロリング朝期(8世紀半ばから10世紀頃まで)―古典荘園の成立―
おわりに―フランク王国における循環的な牧農社会の成立
第2章「中世温暖期Jにおける農業発展ヨーロッパ中世の技術革新(10~13世紀)
はじめに
Ⅰ.中世温暖化
Ⅱ.農業における技術革新
Ⅲ.三圃制と開放耕地制の発展
Ⅳ.中世における西ヨーロッパ農業の外観
おわりに―中世農業革命がもたらしたもの―
第3章 中世盛期における領域国家の成立
―ヨーロッパ中世における分権社会の誕生(11~13世紀)―
はじめに―権力の在地化と分権社会の成立―
Ⅰ.領域支配権の成立
Ⅱ.在地領主による支配と城郭
Ⅲ.在地型権力を基盤とする領域国家の出現―西ヨーロッパと日本との共通性―
Ⅳ.ピレンヌ・テーゼ:I陸地に閉じこめられたヨーロッパ
おわりに―征服王権の土着化―
第4章 中世末期における領主制の危機―森林・環境鞍壊と人口減少(14~15世紀)―
はじめに
Ⅰ.商業と都市の発達
Ⅱ.気候寒冷化と森林の破壊―環境維持機能の劣化―
Ⅲ.領主制と農奴の関係発展
Ⅳ.中世における領主制の展開
おわりに―危機からの脱出を模索―
第5部 近代
第1章 16世紀:ヨーロッパによる≪新大陸≫の征服と≪価格革命≫
―≪金の卵を生む鶏≫の獲得と市場経済化への胎動―
はじめに―南北アメリカは≪金の卵を産む鶏≫だった―
Ⅰ.15世紀末≪新大陸の発見≫と16世紀における征服
Ⅱ.ピサロは、なぜ、インカ帝国を征服できたのか
Ⅲ.ヨーロッパ人による≪新大陸≫の征服―≪ヒツジ≫化の復活・再現・再興―
Ⅳ.エンクロージャー―近代初期イギリスにおける資本主義化への動き―
Ⅴ.近代初期インフレ時代―16 世紀における人口増加と≪価格革命≫―
おわりに
第2章 17世紀:≪小氷期≫における絶対王政と大西洋システムの形成
―ヨーロッパ史上最大の危機と「近代化」というその対応―
はじめに―17世紀は寒冷化がさらに深刻化―
Ⅰ.寒冷化と不作、そして、ベストの周期的襲来
Ⅱ.17世紀の「全般的危機」
Ⅲ.《新大陸》の開発
おわりに―「全般的危機」という、17世紀ヨーロッパが抱えた諸困難一
第3章 18世紀:イギリス・最初の工業国家への道
―収穫逓減法則が機能した高度有機経済―
はじめに
Ⅰ.イギリスにおける市場経済の発展
Ⅱ.イギリスにおける農業の発達
Ⅲ.高度有機経済としてのイギリス経済
おわりに
第4章 交換の全面化による市場社会の形成
―規制下の市場から自由な市場へ―
はじめに―市場社会という特異な仕組み―
Ⅰ.歴史を貫く物的生活維持方法―カールーポランニーによる三つの統合原理―
Ⅱ.交換の全面化による市場社会への転換
おわりに
第6部 現代
第1章 石炭社会への大転換と現代資本主義の成立
―18世紀末、鉱物起源エネルギーの大規模資源化―
はじめに
Ⅰ.エネルギーの種類
Ⅱ.古代から現代にいたるエネルギー消費の歴史
Ⅲ.生物起源エネルギーから鉱物起源エネルギーへの転換が意味するもの
おわりに―化石燃料の大規模活用による現代資本主義の成立一
第2章 コンドラチエフの長期波動―19世紀・20世紀における景気の四つの[うねり]―
はじめに
Ⅰ.19・20世紀における経済指標の動き
Ⅱ.長期波動の経験的特徴
Ⅲ.長期波動という視角からの現代経済史
おわりに
第3章 19世紀前半:産業革命コンドラチエフ―綿紡織・石炭・蒸気機関 1780年代~1840年代―
はじめに
Ⅰ.陸路―18世紀、ほほ極限状態となった森林への過度の負荷―
Ⅱ.革新―18世紀中葉、アメリカ原綿の獲得と石炭による木炭の代替への模索―
Ⅲ.資源・エネルギーの壁とその克服―第Iコンドラチエフの場合―
おわりに―第Iコンドラチエフは、大衆への綿下着(衣料品)の大量普及で終わった―
第4章 19世紀後半:ブルジョワコンドラチエフ―鉄道・製鉄。大不況1840年代~1896年―
はじめに
Ⅰ.1830年代、巨大になった生産力に対応できなくなった供給販売体制
Ⅱ.鉄道開設・蒸気船就航の衝撃
Ⅲ.19世紀末〈大不況〉とヨーロッパ社会の富裕化
おわりに―第立コンドラチエフは、大衆への砂糖(食料品)の大量普及で終わった―
第5章 20世紀前半:帝国主義コンドラチエフ―電気・化学・内燃機関1896年~1950年頃―
はじめに
Ⅰ.19世紀末、蒸気機関の凋落と内燃機関・蒸気タービンの台頭
Ⅱ.電気通信事業の台頭
Ⅲ.動力源としての電気
Ⅳ.金融資本の形成―巨大な設備投資をまかなうために―
Ⅴ.20世紀初頭における資源・エネルギーの陸路の克服?
おわりに―第Ⅲコンドラチエフは、大衆へのラジオ(電気製品)の大量普及で終わった―
第6章 20世紀後半:大量生産コンドラチエフ―石油・半導体・耐久消費財1950年頃~2005年―
はじめに
Ⅰ.石炭(固体燃料)の限界と戦後日本における石油への転換
Ⅱ.石油という比類なき優秀な化石燃料
Ⅲ.大量生産・大量消費型社会の成立
おわりに―第Ⅳコンドラチエフは、大衆への自動車(耐久消費財)の大量普及で終わった―
終 章 自然は≪ヒツジ≫化できない―ヨーロッパ牧畜文明の栄光と破綻―
はじめに―現在の物質的に豊かな世界は、市場経済によって実現している―
大量生産・大量消費システムは、ヨーロッパ起源の仕組み
〈ヒツジ〉化という、牧夫生来の行動様式
集団類型論における二つの軸―自生的と人為的―
組織編成原理における疑似親族原理と機能本位原理
疑似親族原理が原基的であり、機能本位原理は派生的である。
機能本位原理は、遊牧を起源とする。
機能本位原理の出現は、組織編成原理史上の分水嶺であった
乾燥地帯起源の行動様式が、世界の標準的な文明となった。
あとがき
参考文献
資 料
索 引