目次
はじめに
1.原始科学の成立
1 自然を理解するということ / 2 自然の神話的理解と宇宙の二元的理解
/ 3 科学思想史と二元論 / 4 季節の循環と宇宙の運命 / 5 ギリシア自然学のはじまり
/ 6 運動・変化・実体 / 7 パルメニデスの存在論 / 8 ヘラクレイトスの流転説
コラム「経験主義と合理主義」
/ 9 ピタゴラスが科学に及ぼした影響
コラム「物体の性質」
/ 10 ヒポクラテスの医学 / 11 アテナイの哲学者たち
/ 12 アリストテレスの実証主義と自然哲学の完成 / 13 目的に満たされた世界
/ 14 ヒューレーと四元素説 / 15 目的論的宇宙論とアリストテレスの物理学
/ 16 アリストテレスの天文学 / 17 アリストテレス自然学の特徴
2.古代アジアの科学思想
1 中国の陰陽思想 / 2 春秋戦国時代のソフィストたち / 3 古代インドの自3然観
3.ヘレニズム期の科学と神秘主義
1 ユークリッドの幾何原論 / 2 アルキメデスの数理科学 / 3 古代天文体系の完成
/ 4 自然界に隠された神秘の力 / 5 グノーシス思想 / 6 新プラトン学派
/ 7 ヘルメストリスメギストス / 8 神秘主義と科学
4.イスラム世界の科学思想
1 イスラム帝国の勃興とアラビア科学の黎明 / 2 アラビア科学と神秘主義思想
/ 3 プトレマイオスの検証(アラビア天文学) / 4 アラビア錬金術(化学)
/ 5 ユーラシアの中のアラビア科学 / 6 医師、哲学者、そして神秘思想家(イブン・シーナ)
5.普遍論争と12世紀ルネサンス
1 普遍論争と科学
コラム「帰納法と演繹法(個別と普遍)
/ 2 古代ギリシア哲学との再会
6.イタリアルネサンスと自然魔術
1 イタリアに蘇ったヘルメス思想と新プラトン主義 / 2 ルネサンス的人間と宇宙
/ 3 自然魔術という発想 / 4 文献魔術から実験魔術へ / 5 自然魔術から近代科学へ
7.近代科学を創った人たち
1 ケプラーの新天文学 / 2 ガリレオの数学的自然観
/ 3 フランシス・ベーコンの「四つのイドラ」
コラム「近代科学はイドラを葬ることができたのか」
/ 4 デカルトの二元論的世界像 / 5 疑いようのない確実なものから全学問の再構成
/ 6 デカルトの運動理論 / 7 デカルトの代数幾何学 / 8 近代科学の始動
8.古典的世界像の完成
1 ニュートン力学 / 2 絶対的な空間 / 3 ニュートンが達成したもの、未来に託したもの
/ 4 決定論的世界観
コラム「第一性質と第二性質」
/ 5 ラプラスの決定論 / 6 世界に存在する偶然性(確率論の創設)
/ 7 光とは何か(古典的世界像の風穴) / 8 真空の発見と原子論の復権
9.近代的生命科学
1 近代生命科学を準備した博物学 / 2 自然発生説の終焉 / 3 生命種の多様性と進化
/ 4 ラマルクの進化論とダーウィンの進化論 / 5 退化化から進化へ
/ 6 メンデルの遺伝学
10.情報理論の黎明と古典的世界の構造
1 ブール代数 / 2 二色に塗りつぶされる世界(二値的世界)
11.近代科学のつまずきと現代科学の描く世界
1 空洞放射実験とプランク定数の発見 / 2 アインシュタインの光量子仮説
/ 3 もう一つの光の謎と原子構造 / 4 光の描像と新しい力学
/ 5 ハイゼンベルグのマトリクス力学 / 6 シュレディンガーの波動方程式
/ 7 量子力学の完成
12.量子力学はいったい何を意味しているのか
1 量子力学に現れた確率 / 2 ボルンの確率解釈 / 3 ハイゼンベルグの不確定性原理
/ 4 観測問題 / 5 シュレディンガーの猫 / 6 アインシュタインの執拗な反論
/ 7 ベルの不等式とアスペの実験 / 8 局所性の破れ
コラム「ボーアの対応原理」
13.特殊相対性理論から、一般相対性理論への道のり
1 ローレンツ収縮と特殊相対性理論の成立 / 2 重力と一般相対性理論
14.近代の破局(マッハの実証主義とウィーン学団)
1 マッハのニュートン批判 / 2 マッハの実証主義 / 3 マッハの原子論批判
/ 4 ウィーン学団の設立 / 5 論理実証主義
15.ゲーデルの不完全性定理
1 ラッセルの論理主義 / 2 ヒルベルトの形式主義 / 3 ブロウウェルの直観主義
/ 4 不完全性定理
16.量子力学が描く宇宙
1 観測問題から量子力学解釈へ / 2 コペンハーゲン解釈 / 3 隠れた変数解釈
コラム「自然は隠れることを好む」
/ 4 エヴェレットの多世界解釈 / 5 解釈問題から量子情報理論へ
あとがき(科学思想史の中の現代科学)