途上国における基礎教育支援 下
国際的なアプローチと実践
編:廣里 恭史
編:北村 友人
内容紹介
今日の途上国の基礎教育開発に資する、日本と途上国の知見・経験を融合した国際教育協力モデルを構想。
近年の主要な援助形態である教育「セクター・プログラム支援」枠組みにもとづき、
日本の援助諸形態(有償・無償資金協力、技術協力)におけるスキームの連携による
例示的な教育「セクター・プログラム支援」を構想する。
途上国における教育改革過程の全体像を、教育経済学にとらわれることなく、
中央政府、国際援助機関などマクロ・レベルのアクターから、
地方政府、住民組織、学校、教師、親、子どもといったミクロ・レベルのアクターの行動や
相互作用を視野に入れた政治経済学的な概念枠組みを帰納的に提示する。
目次
第1部 基礎教育開発と支援の分析枠組み
第1章 開発途上国における基礎教育開発と国際的な支援の枠組み
―国際教育協力「融合モデル」と能力開発
1.はじめに
2.基礎教育開発に関する国際的な動向
3.国際教育協力「融合モデル」の輪郭
4.教育「セクター・プログラム支援」の展開:インドシナ諸国の事例
5.結び:EFA目標達成と能力開発への展望
第2章 開発途上国における教育開発・改革の政治経済学的分析
―地方分権化の文脈とアクター間の相互作用―
1.はじめに
2.教育開発・改革の政治経済学的分析
3.教育改革分析の視点
4.アクター間の協調(パートナー)関係(シップ)
5.アクター間の相互関係フレームワーク
6.地方分権化を担う政治的アクターたち―インドシナ諸国の事例―
7.結び
第2部 EFA戦略の見直しと基礎教育支援アプローチ
第3章 基礎教育支援の援助アプローチをめぐるグローバル・トレンド
―主流化するプログラム型援助―
1.はじめに
2.援助アプローチの全体的動向:プロジェクト型援助からプログラム型援助へ
3.基礎教育分野への援助アプローチ
4.基礎教育分野におけるプログラム型援助の事例:EFAファスト・トラック・イニシアティブ
5.結び
第4章 国際援助機関のEFA達成をめぐる戦略とポリティクス
1.はじめに
2.多国間援助機関
3.二国間機関
4.カンボジアにおける援助機関の相互協調と住み分け
5.結び
第3部 基礎教育支援の実践と展開:東南アジア諸国
第5章 ベトナム:教育セクター援助強調と基礎教育
1.はじめに
2.ベトナムと援助協調
3.援助協調と取引費用
4.ベトナムにおける公式・組織的協調
5.基礎教育政策の展開とドナーの役割:1990~2000年
6.基礎教育政策の展開とドナーの役割:2000年以降
7.結び
第6章 カンボジア:SWApによる基礎教育セクター改革の成果と課題
―国際教育協力「融合モデル」と能力開発―
1.はじめに
2.カンボジアにおける教育開発の現状
3.教育段階別カンボジア教育開発の状況
4.カンボジア教育開発に対する国際教育協力
5.今後の日本の教育支援のあり方
第7章 ラオス:貧困削減に向けた基礎教育支援
1.はじめに
2.ラオスにおける基礎教育開発の実情
3.ラオスの基礎教育開発に対する国際教育協力
4.結び
第8章 インドネシア:地方分権化のなかの基礎教育支援
1.はじめに
2.基礎教育の課題と新政策・教育改革の特徴
3.インドネシアに対する基礎教育支援の傾向
4.日本の基礎教育支援―J
5.日本の基礎教育支援の方向性と可能性
6.ドナー間協調の傾向
7.結び
おわりに―今後の課題と展望―
ISBN:9784762018923
。出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
。判型:A5
。ページ数:270ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2008年11月
。発売日:2008年11月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNB。