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都市科学叢書

自治と参加・協働

ローカル・ガバナンスの再構築

編著:羽貝 正美
著:中林 一樹
著:名和田 是彦

紙版

内容紹介

本格的な地方分権改革が始動して10年、現場ではさまざまな取組みが実践されてきたが、今も課題は少なくない。基礎自治体と住民自治のあるべき姿、それを実現するための行政の制度・仕組み・権限、そして参加や協働のあり方について、その問題と解決の方途を、政治・社会学の理論、地域づくりとまちづくりの実践から示した。

目次

まえがき

序 基礎自治体の新しい地平

       ──参画と協働による ローカル・ガバナンスの刷新と自治体再構築
       羽貝正美
1 問題の所在
2 「自治・分権改革」としての地方分権改革
3 基礎自治体改革の3つのビジョン
4 基礎自治体の座標軸
5 ローカル・ガバナンスの刷新

第1部 自治と参加・協働の理論
1章 コミュニティからパートナーシップへ
      ──地方分権改革とコミュニティ政策の転換      
      玉野和志

1 分権改革の流れと自治体政策の変遷
2 コミュニティ行政の流れ
3 コミュニティ政策の展開
4 市民と行政の協働=パートナーシップ
5 地方分権改革とパートナーシップ

2章 近隣政府・自治体内分権と住民自治
      ──身近な自治を実現するための考え方と仕組み      
      名和田是彦
1 近隣政府とは?  自治体内分権とは?
2 合併と地域的まとまり
3 身近な地域をまもるドイツの工夫
4 日本型自治体内分権としてのコミュニティ政策
5 平成の大合併と地域自治組織制度の創設
6 協働型社会構想におけるコミュニティのゆくえ
3章 自治体財政からみた住民参画型社会の必然性
      ──財政危機と新しい社会統治システムの模索      
       斎藤忠雄
1 構造転換期の財政
2 経済成長と社会統合をめぐる政府間財政関係
3 地方分権改革の経緯と課題
4 新しい社会統合システムの模索
5 小さな自治の実現に向けて
4章 自立型マンション管理組合と新しい自治組織の可能性
      ──自立型組織の形成とその意義      
      西田奈保子
1 マンション管理組合とその自立的な運営
2 管理組合分析の方法
3 管理組合の組織分析
4 自立型管理システムの形成
5 地域の社会資源としての自治組織の可能性

第2部 自治と参加・協働の現場
5章 NPO活動の展開と行政の変容
      ──参画・協働を支える行政のあり方とは      
      前田成東
1 拡大する市民活動と行政の変容
2 市民・行政の協働と行政組織
3 NPO法の制定と行政組織
4 協働の推進と行政組織の構築──市町村を中心に
5 協働の推進と行政職員の意識改革
6 行政組織の変容──所管や領域を越えて

6章 都市計画における自治と審議会
      ──都市計画審議会は自治の機能を果たしうるか      
      加藤仁美

1 転換期にある都市計画行政
2 地方分権下における都市計画審議会
3 市区町村都市計画審議会の運営をめぐる現状と課題
4 地方自治の充実と都市計画審議会の可能性
5 都市計画自治と審議会のあり方

7章 大規模開発と協議・調整型まちづくり条例
      ──基礎自治体の能力が問われている      
      高見沢邦郎・饗庭伸・小笠原拓士

1 まちづくり条例による開発への対応
2 住宅市街地を対象とする条例制定の経緯と現況
3 多発する近隣紛争と建築・都市の法律
4 東京圏におけるまちづくり条例の概況
5 府中市地域まちづくり条例による事前協議・調整システム
6 まちづくり条例の可能性と課題

8章 大都市郊外地域のまちづくり活動と街づくり条例
      ──条例策定過程からみた住民自治の仕組みとしての可能性
       中林一樹

1 街づくり条例の背景
2 わが国の「街づくり条例」の系譜
3 今、なぜ大都市郊外市街地で「街づくり条例」か──大和・町田・多摩での策定活動を通して
4 大和・町田・多摩の「街づくり条例」の比較にみる「街づくりの仕組み」の展開
5 街づくり条例のもう1つの主役「不動産業界」の役割
6 街づくり条例の展開と課題

結 住民参加型自治への展望            羽貝正美

著者略歴

編著:羽貝 正美
1956年生まれ。首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学専攻教授。1987年東京都立大学大学院社会科学研究科(政治学専攻)博士課程単位取得満期退学。新潟大学法学部、東京都立大学都市科学研究科を経て、現職。著書に『自治責任と地方行政改革』(共著、1996年、敬文堂)、『都市の科学』(共著、2005年、東京都立大学出版会)
著:中林 一樹
1947年生まれ。首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学専攻教授。1975年東京都立大学工学研究科博士課程退学、工学博士。 著書に『安全と再生の都市づくり』(共著、1999年、学芸出版社)、『安全・安心のまちづくり』(共著、2000年、丸善)、『路地からのまちづくり』(共著、2006年、学芸出版社)など。
著:名和田 是彦
1955年生まれ。法政大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学、法学修士。横浜市立大学文理学部、東京都立大学法学部を経て、現職。著書に『コミュニティの法理論』(1998年、創文社)。

ISBN:9784761531546
出版社:学芸出版社
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2007年08月
発売日:2007年08月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPT