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ストリートデザイン・マネジメント

公共空間を活用する制度・組織・プロセス

編著:出口 敦
編著:三浦 詩乃
編著:中野 卓

紙版

内容紹介

都市再生の最前線で公共空間の活用が加速している。歩行者天国、オープンカフェ、屋台、パークレット等、ストリートを使いこなす手法も多様化。歩行者にひらく空間デザイン、公民連携の組織運営、社会実験~本格実施のプロセス、制度のアップデート、エリアマネジメ
ントの進化等、都市をイノベートする方法論を多数の事例から解説。

目次

はじめに  出口 敦

序章 ストリートデザイン・マネジメントとは
三浦詩乃
アクティビティの場としてのストリート
ストリートの公共性
日本のストリートデザイン・マネジメント

1章 日本のストリートの変遷
三浦詩乃
日本の「みち」の起源
戦前の変遷:自由と規制がせめぎあう「街路」
戦後の変遷:「道路」の時代がもたらした成長とひずみ
現代のストリート
日本のメインストリートの多様性
道路関連法のハードル

2章 都市文化が育つストリート
1 公-共-私空間としてのストリート
三浦詩乃
2 上越市の雁木通り:私的空間の連続から生まれるコモンスペース
長 聡子
3 高知市の街路市:300年続く生産者の生業の場
吉田宗人
4 福岡市の屋台:公共空間での適正な営業を支える組合と市の連携
趙 世晨
5 柏市の柏駅東口駅前地区:郊外のストリートカルチャーの形成
中野 卓

コラム1 マネジメントの組織としくみ  出口 敦、中野 卓

3章 ストリートの復権を後押しする政策
1 地域が主導するストリートの復権
三浦詩乃
2 東京都の歩行者天国:50年前に始まったエリアマネジメントの原点
三浦詩乃
3 ニューヨーク市のプラザ・プログラム:ストリートを多彩な地域活動が生まれる広場へ
三浦詩乃
4 ライプツィヒ市のアクター連携アプローチ:公共投資と民間アクションの相乗効果
三浦詩乃
5 ソウル市の延世路:トランジットモールからエリアマネジメントへ
宋 俊煥
6 大阪市の御堂筋:デザインガイドラインによる沿道開発と歩行者空間への再編
中野 卓
7 ジョグジャカルタ市のマリオボロ通り:アジア的な賑わいをもたらす屋台空間
志摩憲寿

4章 ストリートを歩行者にひらく
1 ストリートを歩行者にひらく際の課題
 中村文彦
2 歩行者空間のネットワークデザイン
 中村文彦、三浦詩乃
3 歩行者と他の利用者が共存できるデザイン
 中村文彦、三浦詩乃
4 アジアの歩行者空間
 中村文彦

5章 まちの価値を高める組織としくみ
1 ストリートから育てるまちづくり
三浦詩乃
2 新宿区の新宿モア4番街:商店街が主導するオープンカフェ
中野 卓
3 喜多方市のふれあい通り:行政と商店街が連携した沿道整備とまちづくりの連動
野原 卓
4 横浜市の日本大通り、元町商店街:官民連携によるハードとソフトの一体型マネジメント
野原 卓
5 松山市の花園町通り:7年の実験で育った、まちを使いこなす組織としくみ
野原 卓
6 福岡市のきらめき通り:エリマネ組織による国家戦略特区を活用した賑わい創出
出口 敦、宋 俊煥
7 千代田区の仲通り:民間地権者が主導するハードとソフトのマネジメント
宋 俊煥
8 札幌市北3条広場(アカプラ):ストリートの広場化を実現した手法と組織
廣瀬 健
9 柏市の柏の葉キャンパス駅西口線と駅前広場:アーバンデザインセンターによる公・民・学の連携
出口 敦

6章 活用を仕掛けるプロセス
1 ストリート活用の仕掛け方
三浦詩乃
2 活用を仕掛ける方法
〈1〉社会実験:短期間の試行から本格実施へ
中野 卓
〈2〉プレイスメイキング:気軽に迅速に安価に都市の居場所をつくる
三浦詩乃
 〈3〉アクション志向型プランニング:測定-実験-改善のループで課題を解決
泉山塁威
 〈4〉タクティカルアーバニズム:ゲリラ的アクションで突破口を開く
  泉山塁威
3 名古屋市の長者町ウッドテラス:地域主導型社会実験の発展的循環プロセス
村山顕人
4 神戸市の三宮中央通りのオープンカフェ:社会実験から本格実施へつなげる官民連携体制
中野 卓
5 サンフランシスコ市のパークレット:ゲリラ活動を路上活用政策に進化させたプロセス
泉山塁威
6 ストリートの質を評価する
〈1〉ストリートの質の診断
三浦詩乃
〈2〉快適性の評価
小﨑美希
〈3〉アクティビティの評価
泉山塁威

コラム2 ストリート研究の潮流|前編  三浦詩乃

7章 ストリートから始まる復興まちづくり
1 災害からの復興プロセスにおけるストリートの役割
中野 卓
2 南相馬市の小高駅前通り:市民による原発被災地域の空きスペース活用
窪田亜矢
3 石巻市の中央一大通り:商店主たちが構想したまちにひらかれた使い方
野原 卓
4 女川町のレンガみちプロムナード:復興の数歩先を見据えたマネジメントへ
三浦詩乃

終章 ストリートから起こす都市のイノベーション
出口 敦
ストリートへの向きあい方
ストリート活用の制度・組織・プロセス
歩行者にひらくための法制度とローカルルール
交通と活用を両立させる設計・管理制度の提案
ストリート活用から地域ガバナンスの組織化へ
地域ガバナンスを支える「共」の組織化
ストリートデザイン・マネジメントの目指す方向性

コラム3 ストリート研究の潮流|後編  三浦詩乃

参考文献
おわりに  出口 敦

著者略歴

編著:出口 敦
東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻教授。1961年生まれ。1990年東京大学大学院博士課程修了。工学博士。九州大学教授等を経て2011年より現職。柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)センター長も務める。著書に『Society5.0 人間中心の超スマート社会』(共著)など。
編著:三浦 詩乃
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院助教。1987年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科修了。博士(環境学)。2015年より現職。専門は都市デザイン、公共空間のデザイン・マネジメント。国際交通安全学会特別研究員を兼務。日本都市計画学会論文奨励賞受賞。
編著:中野 卓
東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻特任研究員。1990年生まれ。2013年一橋大学社会学部社会学科卒業、2018年東京大学大学院博士課程修了。博士(環境学)。都市住宅学会学生論文コンテスト博士論文部門優秀賞を受賞。著書に『Society5.0 人間中心の超スマート社会』(共著)。

ISBN:9784761526993
出版社:学芸出版社
判型:B5
ページ数:176ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQS