第1章 ボランティアの歴史
第1節 ボランティアの起源
1.ボランティアの語源
2.自警団
3.志願兵
第2節 社会活動としての「ボランティア」の登場
1.欧米における「ボランティア活動」の胎動
2.日本における「ボランティア活動」の前史
3.「ボランティア」という言葉の登場
第3節 日本におけるボランティアの始動と普及
1.福祉分野でのボランティアの登場
2.教育分野での普及
3.ボランティア活動の拡がり
第2章 3原則の揺らぎ -概念の拡散-
第1節 ボランティアの3 原則
第2節 無償性の揺らぎ
1.ボランティア活動の無償性
2.「有償ボランティア」問題の起こりと呼称論争
3.政策推進のための有償化
4.対等性のための有償化
5.「非営利」という概念の参入
6.活動歴評価という報酬
7.無償性の現在
第3節 自発性の揺らぎ
1.ボランティア活動の自発性
2.自発性を揺るがす義務化
(1) 教育改革国民会議の最終報告「奉仕活動を全員が行うようにする」
(2)表現の変化(1)―「奉仕活動」から「ボランティア活動」へ
(3)表現の変化(2)―「全員」が消える
(4)ソフトな義務化の動き
(5)新たな呼称の道
(6)やはり残る自発性の揺らぎ
3.揺らぎの拡大 ― 学校以外の場面で
第4節 公共性の揺らぎ
1.ボランティアの公共性
2.自己実現
(1)自己実現型の「ボランティア」
(2)自己実現と公共性
(3)ひろがる自己実現型ボランティアへの期待
(4)呼称の変更を
3.「公共性」の多義性
第3章 ボランティア活動の参加者と動機
第1節 ボランティア活動への参加者
1.日本におけるボランティア活動への参加率
2.参加率の経時的変化
3.ボランティア活動への参加層(属性による相違)
(1)年齢別
(2)男女別
4.諸外国との比較
5.ボランティアは増えているのか
(1)データでみる参加率の推移
(2)「ボランティア元年」の虚像
(3)「ブーム」の実像
第2節 ボランティア活動への参加動機
1.ボランティア活動参加動機のメカニズム
(1)宗教的動機と人道的動機
(2)利他的動機と利己的動機
(3)第三の動機
(4)社会学や心理学での説明
2.参加動機の推移とその背景
3.自己実現型ボランティアのあり方
第4章 ボランティアの罪
第1節 「ボランティア拒否宣言」におけるボランティア批判
1.あらためて「ボランティア拒否宣言」を読む
2.過剰な支援
3.アクセサリー
4.福祉教育
5.パターナリズム
6.非対称性と不本意な依存
7.「拒否宣言」は過去のものか
第2節 自立を妨げるボランティア
1.補充・代行支援から自立支援へ
2.自立を阻害するボランティア
3.ふたつの自立観からみる自立支援
4.仕事を奪うボランティア
第5章 「自発性」「無償性」の危うさ
第1節 戦時における自発性
1.満蒙開拓団
2.集団的勤労奉仕作業
3.満蒙開拓青少年義勇軍/学生義勇軍
4.東京帝国大学セツルメント
5.戦争と自発性
第2節 介護保険とボランティア
1.介護保険制度の見直し
2.ボランティアの参加
3.なぜボランティアなのか
4.プロとボランティアの混在
5.「有償ボランティア」の再登場
第3節 東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティア
1.東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアの募集
2.オリンピック・パラリンピックの変容-営利事業化
3.興業化したオリパラにおけるボランティアの意味
4.延期・無観客におけるボランティア
5.選手の参加資格の変化
6.もうひとつの「無償性」
7.あらためて問われる東京オリパラ開催におけるボランティア起用
コラム 市民マラソン大会のボランティア
第6章 ボランティアの意義 -今日的役割-
第1節 新たな「助」
1.三つの「助」
2.「三つの助」の現実
(1)自助
(2)共助
(3)公助
3.新しい形の「助」
(1)高齢者の共助活動
(2)セルフヘルプグループ
(3)災害時の助
第2節 ボランティアの先駆性
1.穴埋め批判論
2.先駆的役割
3.先駆性の実態-ボランティアの引き際
4.民間事業者の場合の対応-合理的配慮の義務化
第3節 不平等をなくす活動
1.平等化活動
2.不平等や困りごとの社会的背景
第4節 当事者との連帯的運動
1.連帯的運動
2.ボランティア活動における対等性
第5節 伴走型ボランティア
1.伴走型支援
2.伴走型ボランティア活動
コラム ランニング伴走の規定と移動支援の原則
第6節 協同・共生活動
1.支援・被支援を越えた活動
2.協同活動・共生活動
3.協同・共生団体の位置づけ