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事例から学ぶ 心理職としての援助要請の視点

「助けて」と言えない人へのカウンセリング

監:水野 治久
編:木村 真人
編:飯田 敏晴

紙版

内容紹介

公認心理師の5つの職域(教育・医療・福祉・産業・司法)から12の事例を挙げて、援助要請の問題への理解と関わりの工夫を示す。
相談をためらう心理へのアプローチの実際。

目次

まえがき (水野治久) ⅰ

第1部 援助要請をどう理解するか 002

1章 臨床における援助要請の問題  (木村真人・飯田敏晴・永井 智) 002
 1 援助要請の実態 002
 2 心理学における援助要請 004
 3 臨床場面における援助への抵抗 006
 4 援助要請という視点の共有に向けて 008

第2部 実践現場からみた援助要請 010

●教育●
2章 子どもの援助要請を考慮した援助  (水野治久) 010
 1 子どもの援助要請パターンを知る 010
 2 事例とポイントの解説 011
 3 まとめ 017
3章 学校で行う保護者への支援と援助要請  (本田真大) 018
 1 学校に相談しない保護者の心理 018
 2 事例とポイントの解説 020
 3「不器用な援助要請」の背後にある「本当の訴え」に共感する 024
4章 学生相談実践における援助要請の視点  (木村真人) 026
 1 悩みを抱えていながら相談に来ない学生の理解と支援 026
 2 事例とポイントの解説 027
 3 援助要請の視点を生かした学生相談実践に向けて 033

●医療●
5章 精神障害についての援助要請と支援  (梅垣佑介) 036
 1 援助要請の難しさと「援助要請の視点」 036
 2 事例とポイントの解説 037
 3 全体の解説 043
6章 性感染などスティグマを伴う問題と援助要請  (飯田敏晴) 044
 1 性感染などのスティグマを伴う問題と援助要請 044
 2 事例とポイントの解説 045
 3 まとめ 051

●福祉●
7章 子ども虐待への支援と援助要請  (千賀則史) 054
 1 子ども虐待への支援の困難さ 054
 2 事例とポイントの解説 055
 3 心理職に求められること 060
8章 子ども・子育て支援と援助要請  (本田真大) 062
 1 子ども・子育て支援と援助要請 062
 2 事例とポイントの解説 064
 3 他職種へのコンサルテーションに援助要請の知見を活かす 068
9章 援助要請の促進による自殺予防――情報通信技術を用いた実践  (末木 新) 070
 1 自殺を考える者の心理の理解と支援 070
 2 事例とポイントの解説 072
 3 まとめ 077

●産業●
10章 事業所内の相談窓口における援助要請  (関屋裕希) 080
 1 心身の不調を抱えていながら相談につながらない従業員の理解と支援 080
 2 事例とポイントの解説 081
 3 全体の解説 087
11章 EAPにおける援助要請  (榎本正己) 088
 1 働く人々のストレスと援助要請の相手 088
 2 EAPの源流と日本での拡がり 089
 3 事例とポイントの解説 089
 4 全体の解説 095

●司法●
12章 犯罪被害者の援助要請  (米田弘枝) 098
 1 犯罪被害者の心の傷 098
 2 犯罪被害者の援助要請行動の実態 099
 3 支援の方法 099
 4 事例とポイントの解説 101
 5 全体の解説 105
13章 非行と援助要請  (村尾泰弘) 106
 1 非行少年の援助要請 106
 2 事例とポイントの解説 107
 3 家族支援の基本 114

第3部 心理療法からみた援助要請 118
 
14章 精神分析からみた援助要請  (田中健夫) 118
 1 援助要請を考える手がかりとなる精神分析の概念 118
 2 精神分析の発想 119
 3 来談前の無意識的空想の投影の影響 120
 4 抵抗は起こるものである 121
 5 転移(抵抗)の扱いの実際 122
 6 依存の苦痛と,変化することの怖さ 123
 7 「治療0期」におこなう仕事への着目 124
15章 人間性心理学からみた援助要請  (金子周平) 126
 1 人間の全体性を重視する立場 126
 2 援助要請の困難さの人間性心理学的理解 127
 3 援助要請に関する人間性心理学の理論 128
 4 援助要請が困難なクライエントに対する促進的技法 130
 5 まとめ 132
16章 認知行動療法からみた援助要請  (石川信一・肥田乃梨子) 134
 1 認知行動療法における援助要請の理解 134
 2 面接における対応の工夫と留意点 135
 3 まとめ 141
17章 家族療法・家族支援からみた援助要請  (藤田博康) 142
 1 家族での援助要請の難しさ 142
 2 家族の閉鎖性 143
 3 家族としての援助要請の視点の持ちづらさ 144
 4 家族面接における援助要請の温度差 145
 5 家族面接での対応,工夫,留意点 146
 6 個々のメンバーへの共感的なかかわり 147
 7 問題の成り立ちや維持の「からくり」を見立てる 148
 8 おわりに 149
18章 コミュニティアプローチからみた援助要請  (大西晶子) 150
 1 人と社会の関わり――援助を求めることに関して 150
 2 助けを求めるという行為を説明する従来のモデル 150
 3 コミュニティアプローチからみた援助 151
 4 助けを求めやすいコミュニティの構築 154

第4部 まとめ 160

19章 心理職に求められる援助要請の視点  (本田真大・飯田敏晴・木村真人) 160
 1 援助要請研究の実践への応用 160
 2 今後勉強していく人のために 163


COLUMN 
 当事者の声・支援者の声
 1 薬物依存症の普通を想う  (久世恭詩) 034
 2 非行への支援のために  (渋谷幸靖) 052
 3 精神疾患に悩む人の心理的負担
  ――当事者,そして援助職の立場から思うこと  (匿名) 078 
 4 性的マイノリティ支援のために――支援を受ける前の葛藤  (飛嶋一歩) 096
教員の声・支援者の声
 5 小学校の学級担任が抱える援助要請の困難  (四辻伸吾) 116
 被災者の声・支援者の声
 6 大災害時における被災者の援助要請  (久田 満) 158

監修者・編者紹介 168
執筆者一覧 169

著者略歴

監:水野 治久
大阪教育大学大学院連合教職実践研究科教授
編:木村 真人
大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部機関教育機構准教授
編:飯田 敏晴
立正大学心理学部特任講師

ISBN:9784760826711
出版社:金子書房
判型:A5
ページ数:176ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM