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ADHDとともに生きる人たちへ

医療からみた「生きづらさ」と支援

著:田中 康雄

紙版

内容紹介

精神科医として、ADHDをもつ子どもたちとその家族の「生活」にまなざしを注いできた著者が語る、臨床的視点と支援のかたち。
「生きてきた苦悩」だけではなく、「生きる強さ」を見つけていく。

目次

はじめに――本書成立における言い訳のようなもの  1

Ⅰ ADHDの登場  9
絵本にみる「落ち着きのない子」  10
ADHD概念のあゆみ  13
診断基準DSMの浸透  18
ICD―10の台頭  21
日本語名の変遷  23

Ⅱ ADHDのいま  25
障害を規定するもの  26
メリカの保険制度との関連  31
転換期を迎えた診断基準  34
ADHDの原因  41
ADHDの障害モデル  48
ADHDの症状の変わり方  54
才能として発揮される特性  58
ADHD理解の新展開  62

Ⅲ アセスメント・診立て  67 
主観的アセスメントと客観的アセスメント  68
ADHDの評価スケール  71
診立ての統合  85
生活支援につなげるために  90

Ⅳ ADHDとともに生きるために  95
語りを聴き続けるなかでの治癒  96
治療の柱  99
ADHDの薬物療法  101
生活に折り合いをつけていくこと  108
注意に対する戦略  110
衝動性への対応  112
多動への理解  117
学校はほめられる場所  119
自尊心への配慮  124
整理整頓のサポート  126
心配事は大きめに見積もる  127

Ⅴ 「生きづらさ」の複雑多様な背景  129
ADHDは多様異種性  130
アタッチメントの問題という視点  132
アタッチメント障害との鑑別  136
自己形成にみる二者関係の影響  140
一人ひとりをより深く理解するために  144

おわりに  149

著者略歴

著:田中 康雄
こころとそだちのクリニックむすびめ院長
北海道大学名誉教授
児童精神科医
臨床心理士
主な著書に『生活障害として診る発達障害臨床』(中山書店、2016年)、『支援から共生への道Ⅱ 希望を共有する精神医療を求めて』(慶応義塾大学出版会、2016年)など多数。訳書に『Conners3 日本語版』(金子書房、コナーズ、2012年)、『コナーズの評価スケールの臨床的応用と解釈事例』(金子書房、エリザベス・P. スパロー、2013年)、『診断・対応のためのADHD評価スケール ADHD-RS【DSM 準拠】―― チェックリスト、標準値とその臨床的解釈』(明石書店、ジョージ・J. デュポール他、共監修、2008年)ほか多数。

ISBN:9784760821822
出版社:金子書房
判型:4-6
ページ数:152ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ