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DOJIN文庫

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか (DOJIN文庫:11)

太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来

著:宮原 ひろ子

紙版

内容紹介

太陽活動が活発になったり,低調になったりすると,地球の環境にはどのような影響が及ぶのか.屋久杉の年輪や南極の氷などから太陽活動を復元すると,過去の地球環境についてどんなことがわかるのか.地球と宇宙のつながりという観点から,地球46億年の変動の歴史に迫る「宇宙気候学」.その最前線を丁寧に解説し,大いなる可能性を語る.第31回講談社科学出版賞を受賞した話題作が文庫版で登場!

目次

第1章 変化する太陽
一 太陽とはどのような星か
  恒星の進化
  太陽がつくり出すエネルギー
  惑星を温める太陽のエネルギー
  磁場を持つ太陽
二 黒点とは
  太陽の自転と黒点の生成
  太陽活動の長期的な変化の謎
三 マウンダー極小期の謎
  マウンダー極小期の発見
  小氷期の謎
  太陽の光量の変動
  月に残された太陽光の変化
四 ダイナミックに変化する太陽と宇宙天気
  宇宙の天気とは
  オーロラはなぜ発生するのか
  宇宙天気災害
  太陽フレアと放射線被ばく
  磁場が引き起こすトラブル
  通信機器への影響
  宇宙天気災害と地磁気のかたち
  太陽フレアの規模と宇宙天気災害の規模の関係性

第2章 太陽の真の姿を追う
一 太陽活動史を復元する方法
  樹木に記録される太陽の活動
  太陽活動の指標となる炭素14
  屋久島に残された太陽活動の記録
  太陽の記録を残す南極の氷―― ベリリウム10
二 宇宙線の変動は何を映し出すか
  地球を包み込む太陽風のシールド
  太陽圏磁場のスパイラル構造
  太陽圏はどのように宇宙線を遮るか
  宇宙線量の11年周期変動
  太陽磁場の反転の影響による宇宙線の22年周期変動
  太陽圏の構造と宇宙線量
三 復元された太陽活動
  過去に何度も起こっていた無黒点期
  樹木に残された太陽の“心音”
  正確な太陽活動の復元をめざして
四 太陽活動を駆動するのは

第3章 太陽活動と気候変動の関係性
一 過去の気候を調べる方法
  年輪から探る過去の気候
  樹木の年輪以外を使って気候を調べる方法
  試料の年代決定
二 ミランコビッチ・サイクル
  天文学的な要素による太陽の地球への影響
  氷期と間氷期の10万年周期
三 ボンド・イベント
  1000年スケールの気候変動と太陽活動
  氷期における太陽活動と気候変動
四 小氷期が社会に与えるインパクト
  小氷期の発生と太陽活動
  社会に与えた影響

第4章 宇宙はどのようにして地球に影響するのか
一 宇宙線の影響を見分けるには
  太陽活動が気候に影響するいくつかの経路
  地磁気の変動を利用して宇宙線影響を探る
  宇宙線だけに特徴的な22年周期変動を手がかりにする
  太陽圏環境に左右される気候
二 宇宙線と雲
  宇宙線が影響するプロセス
  宇宙線の影響を受容しやすいホットスポットはどこか
  宇宙線のもうひとつの効果

第5章 変わるハビタブルゾーン
一 地球史の謎は解けるか?
  宇宙線源の密集域への接近
  地球史上の大イベント
  地磁気変動との相乗効果
  恐竜が滅んだのは?
  数億年スケールの地球史を記録する地層
  生命誕生と宇宙線
二 暗い太陽のパラドックス
  暗い太陽のもとで生命は誕生した
  パラドックスは解けるか
  変わるハビタブルゾーン
三 地球型惑星を探せ!
  地球型惑星の探査方法
  住み心地のよい環境かどうかの観測

第6章 未来の太陽と地球
一 太陽はマウンダー極小期を迎えるのか
  突然訪れた太陽活動の異常
  マウンダー極小期が再来するかどうかのカギ
  地球への影響
二 天気予報は変わるか
  宇宙天気と天気
  太陽フレアと宇宙線のフォーブッシュ減少
  天気予報につながるか?
  得られ始めた太陽フレア予報への手がかり

ISBN:9784759825114
出版社:化学同人
判型:文庫
ページ数:232ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年12月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PGS