第1章 「補完代替療法」は西洋医学と相対するものなのか?
一 補完代替療法とは?
民間療法? おばあちゃんの知恵袋?
厚生労働省による用語の整理
補完代替療法は西洋医学に相対するものなのか?
二 健康食品について考える
食品の機能性
「食品機能論」とは?
あらゆる食品には機能性がある?
保健機能食品
特別用途食品
そのほかの健康食品
三 米国における補完代替療法事情
国立衛生研究所
国立補完統合衛生センター(旧国立補完代替医療センター)
医科大学における取り組み
第2章 補完代替療法の問題点
一 広告のオモテとウラ
守るべき広告のルール
後を絶たないルール違反
二 消費者を惑わすマーケティング戦略
第三者による経験談の魔力
権威者の言うことは真実か?
みんなが使っている商品は良い商品?
数字のトリック
三 補完代替療法――気をつけたい三つのポイント
補完代替療法は本当に体に優しいのか?
つい見過ごされがちな「お金の問題」
命に関わる近づいてはいけない補完代替療法
第3章 補完代替療法は効くのか?
一 「効く」と言うために必要な裏づけ
私に効いたら、あなたにも効くのか?
大学教授、医学博士が言っていることはすべて真実か?
動物に効いたら、人にも効く?
「効く」と言うための世界共通の基準
二 補完代替療法の臨床試験
急増する報告件数
臨床試験の内容を吟味する
「医療の不確実性」を知っていますか?
三 残された課題
臨床試験は十分に行われているのか?
情報発信は十分に行われているのか?
第4章 病気の人が補完代替療法に関心を持ったとき
一 補完代替療法は自己責任?――突き放す医師に考えてほしいこと
医師は補完代替療法を学んだことがない
医師が補完代替療法の相談に応じることは無駄なのか?
補完代替療法は患者の寿命を縮めるのか?
二 今、医療現場で起きていること
インフォームド・コンセントを知っていますか?
置き去りにされる患者の悩み
三 解決策はあるのか?
患者は補完代替療法に何を期待しているのか?
不安を和らげるための情報検索……落とし穴も
誰に相談すればよいのか?
医療者に伝えたいこと
患者が医師に求めている言葉
第5章 ヘルスリテラシーを知っていますか?
一 ヘルスリテラシーとは?
入手:さまざまな情報源から正確な情報を探し出す能力
理解:情報を医学的な視点で正確に理解する能力
評価:情報が信頼できるものかどうか批判的に吟味する能力
活用:情報をもとに決断・行動の意思決定をおこなう能力
二 ヘルスリテラシー:四つのステップを実践してみる
膝の痛みにグルコサミン?
風邪の予防にはビタミンC?
がん患者がヨガをやると良いって本当?
第6章 補完代替療法との上手な向き合い方
一 利用する? 利用しない? の意思決定プロセス
意思決定プロセスのモデル:科学的根拠に基づいた医療
情報に振り回されないために大切なこと
二 人は正確な情報さえあれば、合理的に最適な選択ができるのか?
選択肢は多ければ多いほどよい?
人は得するより損することに敏感な生き物
「高額な補完代替療法」に潜む罠
三 ひとりで悩まない
自分の体のこと・病気のこと、きちんと知っていますか?
医学は役に立ちますが万能ではありません
あなたの人生観・死生観について考えてみましょう
EBMでいちばん大切なこと