第一章 ソフトロボットとは何か
一 従来のロボット工学の成功と限界
硬く・生真面目なロボットたち
いいかげんなロボットたち
次々と生まれる〝やわらか〟技術
生き物への憧れ
二 ソフトロボットの歴史
一九七〇〜九〇年代の日本
二〇一〇年からの世界の動き
三 ソフトロボットとはなにか
〝不安定〟が生み出す適応性・順応性
〝あいまいさ〟の許容と活用
現場への権限移譲
パイプ椅子とバランスボール
第二章 しなやかな身体——変形・変化する身体
一 やわらかな身体ができること
力学的・幾何学的適応
しなやかな強さ・たくましさ!
二 やわらかな材料
ゴム・粘土・蜂蜜
高分子材料と犬の散歩モデル
高分子材料の多彩な性質
マイ・ソフトロボットを作ってみよう
やわらかな材料の力学と幾何学
三 不安定な材料
身体改変による適応・順応
土に還るソフトロボット
4Dプリンティング
修復・成長する身体
四 やわらかな構造
硬い材料を大きく変形させる
超軽量、インフレータブルロボット
多関節機構
やわらかさ/硬さが変わる身体
五 やわらかな機能性皮膚
薄膜エレクトロニクス
バイオモニタリング・発光する皮膚
第三章 しなやかな動き——すべてを仕切らない
一 やわらかな機構学
自由度
「あとはよろしく」劣駆動
二 ソフトアクチュエータ
アクチュエータとは
空圧ゴムアクチュエータ
マッキベン型人工筋肉
ポリマーアクチュエータ
バイオアクチュエータ
三 ソフトアクチュエータが実現するロボット
大腸内を進むソフトロボット
胃内のバリウムを動かす
動く布と身体サポートロボット
筋骨格ロボット「ガイコツ君」
四 パワーソフトロボット
心優しい力持ちの実現
ゾウの鼻に学ぶパワーソフトロボットアーム
キリンの首に学ぶパワーソフトロボットアーム
第四章 しなやかな知能——やわらかな〝もの〟には知能が宿る
一 よくわからないものを制御する
完全に記述できる硬いロボット・難しすぎるソフトロボット
よくわからないままに動かす
歌うソフトロボット
大腸ロボット
二 しなやかな身体が自ら決める〝動き方〟
泳ぐマス
ハチドリの羽が支配する空気の渦
弱いモータが創り出す歩容
あとはよろしく、適当に
三 分散する知能
アメーバ型ロボット
C・エレガンスが作るパターン
自走するゲル
四 身体にアウトソースする情報処理
連続体に潜む無限の情報
物理リザバーコンピューティング
第五章 ソフトロボット研究の現場から
一 ソフトロボット学研究の最前線
進め「ソフトロボット学」プロジェクト
解剖学×ロボット工学
異分野融合研究の難しさと面白さ
新しいロボット学
二 三五年前のソフトロボット
三 ソフトロボット研究を通じて考えること
グローバル化
新規性と実用性
第六章 E-kagenなロボットが創るしなやかな未来
一 E-kagenなロボット
新しい視点に基づくロボット学
「いいかげん」から「E-kagen」へ
種々の分野で出現するE-kagen
E-kagenの背景
E-kagen科学技術
二 E-kagenなロボットが創るしなやかな未来