はじめに
PartⅠ つながる保育をめざして――エピソードと座談会
1「ユウスケくんはずるい!」
――やりたい思いを大切にする保育とは?〔3歳児6月〕
2「小さいのがいいんだもん!」
――一人ひとりの思いを受けとめる保育とは?〔3歳児10月〕
3「いのちの選択」
――子どもの柔軟な感性を育む保育とは?〔4歳児6月〕
4「なんでミカちゃんだけ!」
――いざこざの中で自分の思いを出す保育とは?〔4歳児9月〕
5「だって、ジャンケン弱いから負けるもん」
――けんかやいざこざでつながる保育とは?〔5歳児5月〕
6「バッタはカマキリのエサじゃない!」
――互いの思いを出してつながる保育とは?〔5歳児9月〕
7「ねっ、当てたらもどれるでしょ」
――異年齢の子どもがつながり育ち合う保育とは?〔5歳児10月〕
8「誰が嫌い?」
――遊びでつながり友だちへの思いが変わる保育とは?〔5歳児11月〕
9「靴おにいれて!」
――遊びをとおして「あるがまま」が肯定される保育とは?〔5歳児1月〕
PartⅡ 「10の姿」をこえて――人権の世紀を生きる保育者へのメッセージ
幼稚園教育要領の変遷と「10の姿」●佐藤哲也
1.保育をめぐる不易と流行
2.高度経済成長期の保育内容
3.保育内容・方法の新展開
4.少子化時代の「生きる力」を育む保育
5.「10の姿」の登場
6.教育・保育政策の保守化
7.「3法令」という詭弁
8.まとめ
子どもの権利の視点からみた「10の姿」●井上寿美
1.子どもの人権に関する記述の温度差
2.保育概念に含意された教育とは異なる幼児教育
3.国が目標とする5歳児の子ども像
4.到達目標としての評価観点と化す「10の姿」
5.あるがままでいることが認められない保育
6.子どもが自分らしく育つ権利を保障する保育
人権保育から「10の姿」を超える●堀正嗣
1.日本の学校教育の問題点と「10の姿」
2.人権保育としての就学前保育・教育
3.人権保育の4つの側面
4.人権保育の視点
5.人権教育としてのインクルーシブ教育
6.特別支援教育ではなく、インクルーシブ教育を
おわりに
資料 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
●コラム
「つぶやき」は接着剤 思いと思いで人とつながる●辻木愼吾
子ども心●大川織雅
「男の先生」と言われない日をめざして●辻木愼吾
ジェネレーションギャップ●見元由紀子
わたしの思う「チーム幼稚園」 保育者だけがチームではない●疋田美和
子どもの人権を大切にする「同和保育」の運動●井上寿美