読めばわかる!わかれば変わる! ドライアイ診療
著:島崎 潤
内容紹介
ドライアイは大した病気ではない,どう診療しても大差はないと考える眼科医に向けて「スペシャリストが行う診察,検査,治療」のコツを丁寧に解説。診療の時系列に組み立てられ,要点がすっきり頭に入ってくる読みやすい構成で,最新知見に基づき,読者目線で(開業医が)即実践できる診断手順と治療方法をもらすことなく記載。読めば意識が変わり,明日からの診療も変わる1冊。
目次
■イントロダクション
ドライアイ診療オーバービュー
日本は、ドライアイ先進国
本書のゴール
新しいドライアイの定義と診断基準
ドライアイ治療の目的は症状の軽減
涙液層の安定化
ミッシングリンク
リスクファクター
■Ⅰ 問診のポイント
A. アナムネはフローチャートだ
B. ドライアイこそ,アナムネが大事
患者満足度を高めるチャンス
アナムネは行ったり来たり
まずは症状の種類の把握
訴えが多い人には
軽く診察を始める
特別な悪化要因はないか?
これまでの治療内容
鑑別疾患
問診中に外眼部のチェックをしよう
■Ⅱ スリットの上で勝負が決まる
A. 症状と所見の関係を念頭に置いて
涙液層に異常のあるタイプ:BUTとブレークパターンのチェックが最重要!
上皮に異常のあるタイプ:広い範囲の観察を!
充血,目やにが主体のタイプ:ドライアイと決めつけずに!
B. さあ,スリットランプで診察だ
眼表面を広く見よう
フルオレセイン染色こそドライアイ診療の主役だ
涙液の可視化
上皮障害の観察
■Ⅲ 徹底解説 ! タイプを見極める
A. ドライアイのタイプ(病態)って何?
B. ドライアイを形成する『様々な要因』
涙液層ブレークパターン
涙液層の異常
眼表面形状の異常
C.6大要因とドライアイの関係
■Ⅳ 検査法とそのポイント
A. 角結膜染色
ローズベンガル
リサミングリーン
B. 涙液量測定
Schirmer試験
涙液貯留量測定法
C. 涙液の質の検査
非侵襲的BUT(non-invasive BUT)
涙液干渉像の観察(インターフェロメトリ)
涙液クリアランス試験
涙液のバイオマーカー測定
D. 視機能検査
実用視力
角膜トポグラフィ(TSAS)
高次収差解析(wavefront analyzer)
E. 細胞レベルの検査
共焦点顕微鏡(confocal microscopy)
インプレッションサイトロジー
ブラッシュサイトロジー
F. その他のドライアイ検査
涙液蒸発量測定
■Ⅴ 関連疾患“2大疾患の診療ポイント”
A. Meibom腺機能不全(MGD)
疾患概念のポイント
わが国におけるMGDの定義と分類
診断のポイント
治療のポイント
B. 結膜弛緩症
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
■Ⅵ 関連疾患“見逃してはならないポイント/外因性要因”
A. コンタクトレンズ
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
B. 点眼薬による薬剤性障害
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
C. 全身投与による薬剤性障害
病態のポイント/診断と治療のポイント
D. 手術によるドライアイ
手術によるドライアイの要因/治療のポイント
E. その他の外的要因
■Ⅶ 関連疾患“見逃してはならないポイント/摩擦関連疾患・その他”
A. lid wiper epitheliopathy (LWE)
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
B. 上輪部角結膜炎(SLK)
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
C. 糸状角膜炎
病態のポイント/診断のポイント/治療のポイント
D. 眼瞼けいれん
病態のポイント/診断のポイント
E. 瞬目,閉瞼異常,知覚低下
瞬目の減少/閉瞼異常/角膜知覚低下
■Ⅷ 治療
A. わが国はドライアイ治療先進国
B. まずは主要点眼4種の正しい用い方をしっかりと把握しよう
人工涙液
ヒアルロン酸製剤
ジクアホソル
レバミピド
C. 抗炎症療法
ステロイド点眼
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)点眼
D. その他の内科的治療法
自己血清点眼
眼軟膏
治療用ソフトコンタクトレンズ
E. 涙点プラグ,涙点閉鎖
涙点プラグ
涙点閉鎖
■Ⅸ 症例別診療の進め方
症例1 仕事中,眼が乾いてつらい
症例2 眼の不快感がずっと続く
症例3 眼がごろごろして見づらい
症例4 ドクターショッピングの患者
症例5 眼が赤くなった