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ひとりでマスター 心臓ペースメーカ植込み術

著:岡村 英夫

紙版

内容紹介

徐脈性不整脈治療に用いられるペースメーカの植込み数は年々増加の一途を辿っている。徐脈とは,心拍数が全身に十分な血液を供給できなくなることを指し,ペースメーカの植込みを行う治療が一般的で洞不全症候群や房室ブロックが代表的である。このペースメーカ植込み術は,施設基準が緩く,循環器内科を標榜しているほとんどの病院で行われている。
植込みは不整脈専門医のみが行っているわけではなく,普段は冠疾患専門医として治療を行うかたわら,ペースメーカは年に数件行うという医師も少なくない。循環器医として歩み始めたばかりの医師にとってペースメーカの植込み手技を正しく教わる環境にあるかは非常に重要であるが,もし十分な指導医がいない環境でペースメーカ植込みを行うとしても,手技の流れ,注意点,コツを知っていれば自信をもって手術に臨むことができる。また,指導医にとって少ない経験で新人医師に指導するのもストレスである。そんな時にもポイントを押さえて指導できる解説本があれば役立つはずである。
本書を読めば,独学で植込み術ができるようになるための知識を習得することができる。透視画像+ガイドワイヤー穿刺画像の比較で手技がわかるDVD付き。

目次

第1章 DDDペースメーカの新規植込み
 Ⅰ 手術の準備と手術器具
  ペースメーカの適応決定
  ペースメーカの機種決定
  一時ペースメーカの適応
  術前準備
  手術場所
  術野の準備
  手術器具
 Ⅱ 皮下ポケットの作成
  皮膚切開線の位置決め
  皮下ポケットの深さ
  皮下ポケット作成
 Ⅲ 鎖骨下静脈の穿刺
  私が穿刺をおすすめする理由
  胸郭外穿刺法
  合併症対策
  鎖骨下静脈走行のバリエーション
  皮下ポケットは先に作る
  静脈穿刺の流れ
 Ⅳ 心室リードの留置
  リードの種類
  リード選択における注意点
  リードの硬さ
  心室リード留置イメージ
  計測時の注意点
  心室リード植込みの流れ(実手技)
 Ⅴ 心房リードの留置
  心房リード留置イメージ
  心房リード植込みの流れ(実手技)
  計測時の注意点
 Ⅵ リードのたわみ
  「適度なたわみ」とは
 Ⅶ リードの固定と本体の収納
  おすすめのリード固定法
  皮下ポケットへの本体収納
 Ⅷ 閉創
  閉創のコツ
  連続縫合の実際
 Ⅸ 術後のケア

第2章 ペースメーカ交換
 Ⅰ 交換術の注意点
 Ⅱ リードチェックのコツ
 Ⅲ 交換の実際
 Ⅳ リードを追加するときの注意点
  静脈造影の重要性
  
第3章 こんなときどうする? トラブルシューティング
 Ⅰ 心室にタイン型リードを使用するときは,どうしたらよいですか?
 Ⅱ 心房にスクリューインリードを使用するときは,どうしたらよいですか?
  心房にスクリューインリードを留置する方法
  右房へのスクリューインリードの留置(イメージ)
  リードを使い分ける
 Ⅲ 不要なリードの処理の仕方を教えてください
  将来を見据える
  リード抜去の手順
  タイン型リード切断時の注意点
 Ⅳ ワルファリン内服中の患者は,どのように対応すればよいですか?
  状況に応じて判断する
  ワルファリン継続? ヘパリンブリッジ?
  抗血小板薬の場合
 Ⅴ 血腫ができたときは,どのように対応すればよいですか?
  ガーゼ圧迫が有効
  いつ再手術を決断するか
 Ⅵ PLSVCが判明したときは,どのように対応すればよいですか?
  PLSVCの走行
 Ⅶ 右側からの植込みが必要な場合の方法を教えてください
  右側植込みのコツ
 Ⅷ 右室リードが固定できないときは,どうすればよいですか?
 Ⅸ 創部が発赤したときは,どうすればよいですか?
  ポケット感染か? 表層感染か?
 Ⅹ 悩ましい交換例の注意点を教えてください
  皮膚切開線の決定
  症例提示
 Ⅺ 本体からリードが抜けないときは,どうしたらよいですか?
  リードが抜けないときの正攻法
  どうしても抜けないとき

第4章 ペースメーカの基礎知識
 Ⅰ ペーシングモード
  ICHDコード
  DDDとDDIの違い
  DDDペースメーカの動作−タイミングサイクルを理解する−
 Ⅱ 電磁波障害
  電磁波障害の実例
 Ⅲ 死後のペースメーカの取り扱い

ISBN:9784758314466
出版社:メジカルビュー社
判型:B5
ページ数:120ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:2018年02月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MNC