[凡例]
【序論】
本書のねらいと研究対象、日本語学研究における位置付け
本書の概要と構成
本書の立場と観点、術語
本書の調査方法
注
【第一部】「式(しき)」
[第一編]一字漢語「式」とその形式化
第一章 語義派生
第一節 意味用法の変遷の概観
第二節 語義派生の時期
第二章 古記録類における「式」の語の用法
第一節 文の目的格に立つもの(類型①~③)
第二節 文の主格に立つもの(類型④~⑥)
第三節 文の述部に立つもの(類型⑦~⑨・⑩)
第四節 類型の整理と分布
第三章 まとめ
注
[第二編]近世における接尾語「―しき」
第一章 「式」の語の接尾語化
第二章 近世における接尾語「―しき」
第一節 価値を引き下げるもの
第二節 価値を引き下げないもの
第三節 動作を伴うもの
第四節 まとめ
第三章 接尾語「―しき」の意味構造についての考察
注
[第三編]「式」による熟語形成
第一章 中世から近世にかけて見られる熟語群「X式」
第一節 皆式
第二節 合式
第三節 常式
第二章 漢語「□式」の異分析・異解釈
第一節 本式
第二節 定式
第三章 熟語「X式」の成立についての考察
注
[第四編]第一部のまとめと補遺
第一章 「式」の用法史まとめ
第二章 近代以降の「式」、昭和末期~平成初期頃の「式」について
第一節 連体用法〈「……」式のN〉(Nは名詞)について
第二節 連用用法〈「……」式にV〉(Vは動詞)について
第三章 今日における「式2」の衰退と消滅
注
【第二部】「体(てい)」
[第一編]一字漢語(由来の)名詞「体」
第一章 現代語におけるサマ名詞「体」とその系譜
第二章 通時的に見たサマ名詞「体」の歴史
第一節 中世の記録類における一字漢語「体」
第二節 近世以降の「体」
第三章 サマ名詞「体」の通時的展開・総括と予告と付記
注
[第二編]接尾語「―てい」の意味用法
第一章 中世における接尾語「―てい」
第二章 近世における接尾語「―てい」
第一節 価値を引き下げるもの
第二節 価値を引き下げないもの
第三節 まとめ
第三章 接尾語「―てい」の意味構造についての考察
注
[第三編]「体」による熟語形成
第一章 「体」による熟語(漢語系+体)
第一節 異体
第二節 実体
第三節 世間体とその周辺
1.「世間体1」(古記録類での「世間体」)
2.近現代の「世間体2」
3.「世間体2」概念ならびに社会学的言説の変容
4.近世の「世間体2」
5.「世間体2」の語史
6.まとめ
6の1.「世間体」についてのまとめ
6の2.「体」を後項に持つ熟語群への「世間体」の位置付け
注
第二章 「体」による熟語(和語系+体)
第一節 みぎてい(右体)
第二節 つねてい(常体)
第三節 ありてい(有体)
第四節 いかてい(如何体)
第五節 おほてい(大体)
第六節 「こてい(小体)」とその系譜
1.近世・近代の「こてい」
2.現代語における位相語としての「こてい」
第七節 「にくてい(憎体)」とその展開
1.にくてい
2.「にくてい」の展開(1)――にくて(い)らしい
3.「にくてい」の展開(2)――「にくてらしい」から「にくたらしい」へ
4.付説・ラシイ型形容詞の表現性とタラシイ型派生の要因
注
第三章 熟語「□体」についての整理とまとめ
第一節 後項に「体」を持つサマ名詞熟語の構造
第二節 後項に「体」を持つサマ名詞熟語の体系的整理
[第四編]第二部のまとめと補遺
第一章 サマ名詞「体」の各用法の関連性
第一節 文末名詞性 ――名詞用法と熟語後項
第二節 判断性 ――名詞用法と接尾語
注
第二章 派生語「ていたらく」の語史
第一節 意味特性から見た語史(中世~近世)
第二節 用法変化から見た語史(現代)
1.萌芽期における広義の「新用法」発生(一九五〇年代末)
2.連体修飾用法の一般化と狭義の「新用法」発生(一九七〇年代末)
3.「ていたらくぶり」の変化と新用法の拡張(一九八〇年代)
4.まとめ
注
【第三部】一字漢語サマ名詞・総論
[第一編]「サマ名詞熟語」論
第一章 サマ名詞熟語の類義語
第一節 「つねてい」と「つねしき」
第二節 「いかてい」と「いかやう」
第三節 「ありてい」と「ありやう」
第四節 「おほてい」と「おほふう」・「おほやう」
第五節 「つねさま」
第六節 「いかさま」
第七節 「ありさま」「ありすがた」
第二章 サマ名詞熟語の構造的考察
第一節 サマ名詞熟語群の一般化
第二節 サマ名詞文とサマ名詞熟語の連続性
注
[第二編] 「サマ名詞表現」論
第一章 サマ名詞表現における詠嘆性
第二章 サマ名詞表現に見る形式名詞性
第三章 サマ名詞表現通史への展望と課題
第一節 サマ名詞表現の消長と展開
第二節 サマ名詞表現の連用修飾用法や包摂性などをめぐって
第三節 サマ名詞論の視程と課題
注
【付論】
「式」「体」の現在
接尾語「―しき」と副助詞「しか」との“連想”
サマ名詞論の周縁――本書の意義と価値
注
[参考文献]
[使用テキスト]
[初出一覧]既発表論文との関係
あとがき ――令和六年のサマ名詞論
索引(事項・語句)