凡例
序章
第一部 物語表現としての継子いじめ
第一章 平安期物語における「継子」「継母」「継父」「継女」の使用実態
一 はじめに
二 平安期物語の「継母」「継父」「継子」「継女」の用例数
三 呼称的用例の「継母」「継父」「継子」「継女」
四 一般語用例の「継母」「継子」
五 継子いじめに対する連想
六 まとめ
第二章 平安期物語の継子譚展開――孝子説話型の継子譚との関わり
一 はじめに
二 先行研究概観と問題点
三 継子いじめ発端要因の設定
四 孝と漢土の継子譚の受容
五 まとめ
第二部 短編から長編物語へ
第三章 『落窪物語』における孝養――継子いじめとの関わりから
一 はじめに
二 孝養譚に対する視座
三 継子いじめから孝養へ
四 拡大された孝
五 物語内における孝の役割
六 まとめ
第四章 『落窪物語』北の方における継母造形――継子譚における迫害行為
一 はじめに
二 先行継子譚における継母の迫害
三 『落窪物語』における継母の迫害
四 娘を幽閉する母の姿
五 まとめ
第五章 『うつほ物語』忠こそ物語における長編への方法
一 はじめに
二 忠こそ物語と『孝子伝』「伯奇」
三 忠こそ物語における「親子の愛しさ」と「琴(きん)の音楽」
四 「琴」「親子のいとしさ」と「孝」の関係
五 まとめ
第三部 『源氏物語』と継子譚
第六章 継息子の物語としての光源氏の物語――弘徽殿女御との関係を中心に
一 はじめに
二 光源氏と弘徽殿女御の関係規定
三 先行研究における評価
四 大陸伝来の継子譚との展開比較
五 まとめ
第七章 光源氏の物語と舜譚――孝思想との関わりから
一 はじめに
二 舜譚の構成
三 舜譚と光源氏の物語における展開比較
四 国家統治理念としての孝
五 まとめ
第八章 紫の上と明石姫君――馬皇后・粛宗型の関係との比較から
一 はじめに
二 継子としての紫の上
三 継母・養母としての紫の上
四 馬皇后・粛宗型の関係との比較
五 隠される紫の上の傷
六 まとめ
第四部 物語における「孝」
第九章 『落窪物語』における女君の力――父親との関係から
一 はじめに
二 先行継子譚における父親の描写
三 『落窪物語』の父親の役割
四 孝の力
五 まとめ
第十章 『源氏物語』における「孝」の方法――「孝」の用例を起点として
一 はじめに
二 「孝」本来の意味と、先行物語のあり方
三 『源氏物語』における「孝」の用例
四 内大臣における「孝」の連なり
五 まとめ
第十一章 光源氏の「孝」に対するまなざし
一 はじめに
二 光源氏に繫がる「孝」の用例
三 継母・継子の恋愛関係と不孝意識
四 「天」と「孝」
五 不孝の人、光源氏
六 まとめ
終章
参考文献
初出一覧
謝辞
索引(事項・書名・人名)