はじめに
第一部 『宇治拾遺物語』の研究
第一章 『宇治拾遺物語』の序文―研究史概観―
一 はじめに
二 序文をめぐる研究史
三 序文の内容
四 序の解釈をめぐって―まとめに代えて―
第二章 『宇治拾遺物語』の伝承圏―第七九話を例として―
一 はじめに
二 僧の肉食説話をめぐって
三 氷魚と氷魚使―本話の伝承経路と伝承圏―
四 「所」の性質―まとめに代えて―
第三章 和歌と樵夫―第四〇話の「場」―
一 はじめに
二 樵夫と山守
三 素材としての樵夫
四 第四〇話の場―まとめに代えて―
《別表 樵夫歌一覧表》
第四章 藤六と樵夫―第一四七話の和歌をめぐって―
一 はじめに
二 『藤六集』について
三 藤原輔相について
四 藤六か樵夫か―第一四七話および該歌の解釈―
五 曽丹と藤六の重なり―まとめに代えて―
第五章 大太郎と袴垂―第三三話の表現と特質―
一 はじめに
二 大太郎説話と袴垂説話―冒頭部以降の類似表現―
三 三回繰り返しと「あまたたび」―表現の位相―
四 語りの信憑性と「獄」という場
五 おわりに―『宇治拾遺物語』の表現―
附 章 源隆国と平等院―『教訓抄』巻第九より―
一 はじめに
二 本文上の問題―源隆国について―
三 太鼓の日形をめぐって
四 隆国の見た夢―龍宮と高陽院―
五 「治暦之比」の背景―平等院一切経会をめぐって―
六 おわりに―本話の淵源―
第二部 『古事談』の研究
第一章 『古事談』と『富家語』の関係―説話化の方法と研究史―
一 はじめに
二 『富家語』との比較
三 『古事談』の方法
四 異同から見えてくるもの―まとめに代えて―
第二章 『古事談』と『今鏡』の関係―直接関係説の否定―
一 はじめに
二 直接関係説の再検討(一)
三 直接関係説の再検討(二)
四 直接関係説の再検討(三)
五 『古事談』の文体
六 『今鏡』の素材
七 おわりに
第三章 『古事談』と『江談抄』の関係
一 はじめに
二 顕兼の用いた『江談抄』
三 『江談抄』以外の資料
四 『古事談』と神田本『江談抄』
五 おわりに
附 『宇治拾遺物語』との関係について
第四章 智海と永心―『宇治拾遺物語』、『古事談』と『発心集』との交錯―
一 はじめに―智海について―
二 『宇治拾遺物語』と『古事談』
三 『発心集』の永心説話
四 智海と永心
五 おわりに
第五章 小式部内侍と定頼―『古事談』第二第七七話をめぐって―
一 はじめに
二 好色女房と小式部内侍―『古事談』と『宇治拾遺物語』の視点―
三 定頼と頼宗―両者の音楽的側面―
四 説話配列と伝承圏
五 おわりに
附 章 『古事談』同話比較簡易対照表
一 はじめに
二 『古事談』と『今鏡』の比較
三 『古事談』と『江談抄』の比較
四 『古事談』と『中外抄』の比較
五 『古事談』と『富家語』の比較
おわりに―今後の課題と展望―
あとがき
索引(人名索引・書名索引)