第一章 『竹取物語』を考える
「幼き人」竹取の翁礼讃の書―『竹取物語』の主題と方法―
かぐや姫の素姓と「昇天」―現行『竹取物語』は中世の改作本か―
〔コラム〕翁は竹を切ったか―かぐや姫発見場面の解釈―
第二章 『伊勢物語』と歌物語の世界
〔研究の手引き〕歌物語(『伊勢物語』・『大和物語』・『平中物語』)
〔研究の手引き〕文学史上の『伊勢物語』
〔講演筆録〕『伊勢物語』の女君―二条の后と伊勢斎宮の恋を読み解く―
『伊勢物語』の斎宮像
伊勢斎宮章段・惟喬親王章段と『伊勢物語』の形成―業平・有常、そして貫之をキーパーソンとして―
『伊勢物語』第二十四段「あづさ弓」読解考―女はなぜ死ななければならなかったのか―
妹は反発したのか喜んだのか―『伊勢物語』第四十九段の解釈―
『伊勢物語』と『大和物語』―『大和物語』在中将関連章段の検討を中心に―
〔研究の手引き〕『大和物語』の歴史的背景
〔コラム〕教科書教材としての『伊勢物語』瞥見
第三章 日記文学の解読試案
〔研究の手引き〕表象論と日記文学
作者の思いは正しく伝わっているか―『蜻蛉日記』起筆部の表現を例として―
平安朝文学における角筆使用二場面の解釈―『篁物語』と『蜻蛉日記』の読解私見―
『紫式部日記』と寛弘期の道長
第四章 平安私家集の素描と読解
〔研究の手引き〕歌物語的私家集・日記的私家集
『千里集』(「句題和歌」)小考
第二類本『中務集』の成り立ちについての試論―「正月山里詠歌」と「贈為基詠十二首」の位置づけを中心に―
『中務集』梅の実盗難事件歌群の解釈
付章一 平安文学の中世的展開についての短章
『住吉物語』の報復譚/うら紫の藤の花―『平家物語』「大原御幸」の一節―/「薪負へる山人」と「謀叛の仁」―中世における大友黒主像―/「関吹き越ゆる……」は行平の歌か/都鳥はユリカモメか―『伊勢物語』そして謡曲「隅田川」―/源融の河原院と紀貫之、そして『伊勢物語』/謡曲「井筒」―「筒井筒」と「筒井つの」と―/謡曲「葵上」と『源氏物語』葵の巻/「高砂・住吉の松も相生のやうに覚え」小考/「歌を吟ずる」夕顔―「半蔀」間狂言の一節―/狂言「墨塗」と平中墨塗譚/「井筒の女」紀有常の娘と業平
付章二 文献資料の探索
〔講演筆録〕広島大学図書館所蔵の池田亀鑑旧蔵『古今著聞集』について
仙台伊達藩における王朝文学享受―猪苗代正益著『源氏栄鑑抄』を中心に―
〔シンポジウム発表筆録〕地方小都市の公立図書館における文献調査と目録作成について
妹尾好信 著述・編纂物目録
あとがき
索引(書名・作品名索引 人名索引 和歌索引)