はじめに―『視て語る王朝散文選』を読む人のために― 小山利彦・原 豊二
凡例
大和物語 原 豊二
①亭子の院(一段〜二段)―宇多天皇の退位―
②兼盛(五六段〜五八段)―恋と旅の顚末―
③檜垣の御・筑紫なりける女(一二六段〜一三〇段)―伝説の老女を追う―
④玉淵がむすめ(一四六段)―遊女の歌と帝の涙―
〔コラム〕 王朝文学における都と鄙
⑤生田川(一四七段)―同じような男二人―
⑥蘆刈(一四八段)―貧しさと恥じらい―
⑦ならの帝(一五〇段〜一五一段・一五三段)―入水の女と人麻呂―
⑧姥捨(一五六段)―更級山と男の後悔―
〔コラム〕ゼミ旅行 学びの体験をともに
源氏物語 菅原郁子
①光源氏物語の前代(桐壺)―玄宗と楊貴妃の例―
〔コラム〕『源氏物語』と渤海使節 〔執筆・小山利彦〕
②ヒロインの登場(若紫)―舞台の北山―
③藤壺の懊悩(紅葉賀)―光源氏の青海波―
④葵の上と六条御息所(葵)―賀茂祭の車争い―
〔コラム〕 近世源氏絵の世界―堂上と地下の文化交流―
⑤光源氏と明石の君の再会(澪標) ―住吉の神へのお礼参り―
⑥玉鬘の宿運(玉鬘)―初瀬観音での出会い―
⑦柏木と女三の宮(若菜上)―蹴鞠と唐猫―
⑧匂宮と浮舟(浮舟)―宇治川での逢瀬―
〔コラム〕米国議会図書館(Library of Congress)への旅
枕草子 小山利彦
①春はあけぼの―四季折々の美―
②清涼殿の丑寅の隅の―中関白家の栄耀―
③すさまじきもの―清少納言にとって興ざめな物事―
④無名といふ琵琶の御琴を―王朝の管絃―
〔コラム〕『枕草子』と風景
⑤あはれなるもの―話好きな清少納言―
⑥八幡の行幸―一条帝の還御を見る東三条院詮子―
⑦頭弁の、職にまゐりたまひて―清少納言の才と恋―
⑧祭の還さ―都の初夏を彩る風物詩―
〔コラム〕 賀茂信仰と平安京
大鏡 園山千里
①雲林院の菩提講―二人の翁と若侍の出逢い―
②都府楼の鐘―菅原道真の左遷―
③三島明神の懇請―佐理の書―
④道長嵯峨大堰の宴―公任の三船の才―
⑤宣耀殿の女御芳子―『古今和歌集』の暗記―
⑥百鬼夜行―師輔が遭遇―
⑦春日行幸―道長の詩歌の才―
⑧鶯宿梅―貫之の娘と梅―
⑨亡き愛犬のための法事―清範律師の機知―
〔コラム〕ポーランドとヤギェロン大学の学生たち
〔コラム〕日本文学研究から世界をみることのおもしろさ