序 言
凡例
第1章 言文一致文
1.森鷗外初期言文一致体翻訳小説の本文改訂から見えてくるもの
一、はじめに
二、改訂の実際
三、格助詞「へ」から「に」への改訂をめぐって⑴
―靏岡(一九七九)の所論について―
四、格助詞「へ」から「に」への改訂をめぐって⑵
―「へ」と「に」の使い分けの規準とその由来―
五、結び
注
参考文献
2.鷗外翻訳の国語学的分析
―初期の言文一致体の試みをめぐって―
一、はじめに
二、初期の鷗外の言文一致体翻訳小説
三、初出本文から初版『水沫集』へ
四、初版『水沫集』から改訂版『水沫集』へ
五、縮刷本『水沫集』における改訂
六、結び
注
参考文献
3.森鷗外訳「玉を懐いて罪あり」覚書
―その訳出の方向性について―
一、はじめに
二、作品の梗概と大きな省略の問題
三、冒頭の改変
四、訳出の実際
五、〝わかりやすさ〟の背景
六、結び
注
参考文献
4.森鷗外訳「新浦島」の文章について
―デス・マス体をめぐって―
一、はじめに
二、小野(二〇〇四)の分析と「新浦島」の文章
三、従属節とデス・マス形式
四、結び
注
参考文献
5.森鷗外が明治二二年に著したデス・マス体による衛生学関係の著述の文章について
一、はじめに
二、デス・マスの使用
三、三つの文法事項をめぐって
四、結び
注
参考文献
第2章 戯 曲
1.森鷗外訳「折薔薇」とその本文改訂をめぐって
―『水沫集』所収初期翻訳戯曲の言語についての一考察―
一、はじめに
二、翻訳小説の改訂ポイントと「折薔薇」の場合
三、「折薔薇」の改訂ポイント
四、結び
注
参考文献
2.森鷗外初期翻訳戯曲の言語について
―「調高矣洋絃一曲」を中心に―
一、はじめに
二、翻訳小説四作品の改訂ポイントと「洋絃」の場合
三、「ます」から「まする」への改訂と「まする」の言い切り用法をめぐって
四、結び
注
参考文献
3.森鷗外訳「調高矣洋絃一曲」の音訛の実態
一、はじめに
二、「洋絃」の登場人物
三、登場人物の音訛
四、音訛のあらわれ方
五、結び
注
参考文献
4.森鷗外訳「調高矣洋絃一曲」の科白の性格
―待遇表現と自称・対称代名詞の使用の面から―
一、はじめに
二、「洋絃」の梗概と主要登場人物
三、考察のポイント
四、命令形式の待遇レベルの選択
五、自称の代名詞
六、対称の代名詞
七、結び
注
参考文献
5.森鷗外訳「伝奇トーニー」の科白の言語について
一、はじめに
二、改訂事項と「トーニー」の場合
三、音訛をめぐって
四、対称代名詞と待遇(敬語)レベル
五、結び
第3章 文語文
1.森鷗外訳「黄綬章」の文章について
―「瑞西館」「うきよの波」との比較を通して―
一、はじめに
二、分析の視点
三、考察⑴―述部の組み立てに関わる形式について―
四、考察⑵―従属節の接続部分の形式について―
五、考察⑶―音便等について―
六、まとめ
注
参考文献
2.森鷗外訳「埋木」の文章について
一、はじめに
二、文章の性格(質)
三、「埋木」の特質―殊に助動詞「キ」の使用をめぐって―
四、「き」言い切り文の使用とその意味
五、結び
注
参考文献
3.森鷗外訳「ふた夜」の疑問表現について
一、はじめに
二、先行研究
三、「ふた夜」の疑問表現の概観
四、「ふた夜」における文末助詞疑問文と係り結び疑問文の相違
五、補足――文末助詞疑問文における「や」と「か」の使用
六、結び
注
参考文献
4.鷗外初期文語体作品の疑問表現
―『水沫集』所収作品を資料として―
一、はじめに
二、「ドイツ三部作」の疑問表現
三、翻訳七作品における疑問表現
四、結び
注
参考文献
5.森鷗外「そめちがへ」の文章について
―同時代文語作品二、三との比較から―
一、はじめに
二、「黄綬章」と「そめちがへ」
三、「たけくらべ」と「そめちがへ」
四、「風流仏」の場合
五、結び
注
参考文献
6.森鷗外訳「地震」「悪因縁」の文章をめぐって
一、はじめに
二、「地震」「悪因縁」の文章の質
三、述部の膠着の度合
四、一般人の書いた文語文と比べて
五、結び
注
参考文献
あとがき
藤田保幸著述目録