凡例
まえがき
一、理論と実践の往還をめざして
二、本書について
序 章 説話文学を教えるということ理論と実践の往還とはどのようなことか
「理論と実践」の関わり
1問題の所在、史的展望
2現状、問題点
3原因、背景
4提言、学問的関係
5支援、往還
第一章 教訓説話と伝承説話の実相(一)
一、説話と評語その研究史および研究の諸前提
1本研究の目的と背景
2「説話」と「評語」の研究史
⑴ 片寄正義の『今昔物語集論』 ⑵ 西尾光一の「説話評論」
⑶ 「語り」と「説示」の問題
3「評語」をめぐる諸前提
⑴ 「評語」の付加 ⑵「評語」の位置
⑶「評語」の分類
4本研究のまとめと今後の課題
二、評語の伝承『十訓抄』と『寝覚記』との共通説話を手がかりとして
1本研究の目的
2『寝覚記』について
3評語の引用が認められないもの
4評語の引用が認められるもの
⑴ 評語が同じ説話の付随言辞でないもの ⑵ 評語が同じ説話の付随言辞であるもの
5本研究の成果
三、教訓の伝承 教訓説話伝承試論『十訓抄』と『寝覚記』との共通説話の教訓から
1本研究の目的
2教訓内容の一致するもの
3教訓内容が一致しないもの
4「教訓説話」と「教訓説話集」
5本研究の成果と今後の課題
四、資料 『十訓抄』『寝覚記』共通話における評語一覧
第二章 伝説・説話と受容説話の実相(二)
一、説話と教訓『宇治拾遺物語』の教訓の独自性評語から見る教訓的要素の可能性
1本研究の目的
2『宇治拾遺物語』の説話末評語の実態
3『宇治拾遺物語』の評語に見られる教訓
4他に見られない『宇治拾遺物語』だけの教訓
5他と異なる『宇治拾遺物語』独自の教訓
6本研究の成果と今後の課題
二、説話と注釈 説話集と注釈書『雑和集』『月刈藻集』と『日本書紀纂疏』『日本書紀抄』との関わりについて
1本研究の目的
2『雑和集』における『日本書紀纂疏』
3『日本書紀纂疏』とはどのような書か
4『月刈藻集』における『書紀』注釈書
5『雑和集』における『日本書紀抄』
6本研究の成果
三、説話と伝承説話の教材研究「陰陽師晴明、早瓜に毒気あるを占ふ事」
1片山広子「大蛇・小蛇」の安倍晴明説話
2安倍晴明と蛇
3陰陽師晴明、早瓜に毒気あるを占ふ事
4安倍晴明と蛇、ふたたび
第三章 世俗説話と奇異・滑稽説話の授業実践(一)
一、『宇治拾遺物語』の授業 (一) 「想像力」を育む古文の学習指導「僧たち」は「児」の「そら寝」に気づいていたか
1授業実践の目的
2授業実践の概要 「僧たち」は「児」の「そら寝」に気づいていたか
3授業実践の内容
⑴根拠をもって自分の考えをあらわす ⑵ 想像力を働かせて伝え合う
4 授業実践の成果(理論と実践の往還) 古文を劇的におもしろく読む
二、『宇治拾遺物語』の授業 (二) 古典の「言語遊戯(言葉遊び)」について調べさせ、クイズ形式で報告させる授業「小野篁、広才のこと」をもとに
1授業実践の目的
2授業実践の概要 古典の暗号の解読に挑戦しよう(クイズ大会)
3授業実践の内容 古典の「言語遊戯(言葉遊び)」について
4言語活動を充実させるための工夫(理論と実践の往還)
三、『古事談』の授業 古典の中の動物の「恩返し」の話(報恩譚)を調べよう「蜂飼いの大臣」の授業
1授業実践の目的
2授業実践の概要 古典の中の動物の「恩返し」の話(報恩譚)を調べよう
3授業実践の内容 人間と動物(自然)との関わり方について
4学習者のもつ力と教材のもつ力(理論と実践の往還)
四、『古今著聞集』『沙石集』『宇治拾遺物語』『今昔物語集』の授業 「判断力」に関する古文の授業の一報告説話と評語の整合性を〈批評〉させることを通して
1授業実践の目的
2授業実践の概要 四つの説話について、評語は説話に合っているか考えてみよう
3授業実践に用いた説話教材
4授業実践に用いた説話の評語
5授業実践の内容 これらの評語は説話に合っているか
6授業実践の成果(理論と実践の往還) 説話と評語の整合性を〈批評〉させることを通して、「判断力」を付けさせる
7授業実践のまとめと課題
第四章 動物説話と親しみ説話の授業実践(二)
一、動物説話の授業 (一) 動物説話とは何か柳田国男監修高等学校用国語科教科書 問題「各自の知っている動物説話をあげてみよ。」について
1授業実践の目的
2授業実践の概要 古典の中の「蛇」について調べて発表しよう
3授業実践の方法 協同的・主体的な学びへ
4授業実践の内容と成果(理論と実践の往還) 表現力を育てる
5授業実践のまとめ
二、動物説話の授業 (二) 動物説話の教材化と協同学習「動物説話」についての考察
1授業実践の目的
2授業実践の概要 「動物説話」を協同学習(グループ学習)で学ぶ
3授業実践の前提 「動物説話」とは
4授業実践の内容と成果(理論と実践の往還) 「説話教材」の位置づけ
5授業実践のまとめ
三、動物説話の授業 (三) 動物説話における「見方・考え方」
1授業実践の目的
2授業実践の概要 古典の中の動物に関する説話を調べてみよう
3授業実践の内容 『十訓抄』一ノ六「蜂の恩返し」
4授業実践の成果(理論と実践の往還) 「見方・考え方」を働かせる「説話」の教材化
5授業実践のまとめ
結 章 説話文学で教えるということ理論と実践の往還にもとづく古典の授業
一、「見方・考え方」を働かせる古典の授業『大鏡』「鴬宿梅」歌説話の教材化に関して
1新しい「高等学校学習指導要領」の古典における「見方・考え方」
2古典の授業における「見方・考え方」
3「鴬宿梅」歌説話における「歌徳」
4「見方・考え方」を働かせる古典の授業づくり
5「見方・考え方」を働かせる教師とは
二、「教材を」「教材で」から「教材に」「教材と」学ぶへ新しい時代に対応する古典の教材研究
初出一覧
索引 (事項・書名論文名・人名)
あとがき