研究叢書 497
中世の戦乱と文学
著:松林 靖明
紙版
内容紹介
後期軍記研究の第一人者の遺稿集。『平家物語』に始まり、『承久記』、室町・戦国軍記に関する二十八本の論文を収録。特に『承久記』に関する一連の研究業績は、その後の『承久記』研究の道標となった。今後の中世文学・中世史研究者に多くの示唆を与える書。
目次
松林靖明 略年譜
松林靖明 著述一覧並びに本書収録題目
一 『平家物語』の世界
古典教材研究 『平家物語』
殿上闇討―教材研究―
『平家物語』の人脈
源平合戦と奈良
軍記物語の中の女人
二 『承久記』の論
承久記試論―冒頭より実朝暗殺までを中心として―
前田家本『承久記』の一側面
『承久記』に見る乱直前の後鳥羽院周辺
『承久記』伊賀光季合戦記事をめぐって
この世の妄念にかかはられて―後鳥羽院の怨霊―
慈光寺本『承久記』の土御門院配流記事をめぐって―日付の検討から―
『承久記』と後鳥羽院の怨霊
『五代帝王物語』の怪異譚―後鳥羽院の影―
大江広元とその子―軍記における京下り官人―
慈光寺本『承久記』の合戦叙述―後人加筆説にふれて―
軍記物語の哀話―『承久記』の場合―
『承久記』の三浦胤義
公武の合戦記―『承久記』『太平記』―
三 室町・戦国軍記の論
『赤松盛衰記』の真実―赤松氏と軍記―
後期軍記における諸本の様相―三木合戦関係軍記を中心に―
『別所記』の虚構性
神大本『別所記』と『中国兵乱記』
『別所記』拾遺
摂津北部の戦国軍記―軍記の在地化と変容―
四 体験談と軍記
籠城・落城の日記と軍記
夜話と武辺咄
戦国軍記における体験談―『伊達日記』と『山口道斎物語』―
田辺籠城軍記の展開
解説 大津雄一
遺稿集の出版に寄せて 松林陽子
あとがき