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単行本

実例詳解 古典文法総覧

著:小田 勝

紙版

内容紹介

古語辞典の一歩先を行く便利さ。欲しい情報が手に入る!
◎本書の7大特色
1.英文法書と同様の形式で記述
従来の品詞別の記述形式を廃し、英文法書等で広く行われている文法範疇別の形式で記述。通言語的な視点で古典文法の詳細を知ることができ、「数量詞移動」、「形容詞移動」、「否定繰上げ」といった言語現象の古典語の実例にも、容易にアクセスできる。
2.オーソドックスな解説で古文教師の強い味方
説明は学校文法の用語を用いて、丁寧に解説。古文の教授者には、類書のない最大規模の古典文法書として、強い味方となるだろう。
3.13年をかけて幅広い古典作品の用例を悉皆調査
上代から南北朝期まで、採用した用例の出典数は332作品に及ぶ。特に平安・鎌倉期の膨大な私家集・歌合・定数歌からの挙例は類書にみない本書の特色の一つである。
4.類書のない記述密度と規模
例えば「危惧を表さない「もぞ」「もこそ」」の用例を26例、反実仮想で「ましかば(ませば/せば/未然形+ば)…まし」以外の句型を整理して41例、「同格」の用例を整理して78例示すなど、類書のない記述密度と規模になっている。
5.最新の古典文法研究の成果を採用
現在、古典文法研究は活況を呈しており、急速な進展をみせている。本書は、今世紀2000年代の研究成果を積極的に取り入れ、その際逐一依拠文献を明示しているので、古典文法研究の現状を知るのにも便利である。
6.古語辞典では決して引くことが出来ない事項を参照できる
「めり」には連用形があるが「めりけり」といえるのか、「けり」は疑問文に現れるのか、1人称を主語にした「めり」の例はあるのかなど、現行の古語辞典や古典文法書では決して調べることが出来ない古典文法上の事項について、縦横無尽に検索できる。
7.古文解釈辞典としても重宝
珍しい句型や、構文の種々相、複合辞など、従来見過ごされていた句型を積極的に取り上げて、それがどのように解釈されるかを明確に示しているので、類書のない古文解釈辞典としても便利な本である。

目次

第1章 序論 
 1.1 古典文法 
 1.2 形態論と構文論 
 1.3 五十音図 
 1.4 歴史的仮名遣い 
1.5 古文の音読のしかた 
 1.6 文の基本構成 
 1.7 品詞 
 1.8 語の構造 
 1.9 音の縮約 
1.10 上代特殊仮名遣い 
 1.11 文法の史的変化について 
第2章 動詞 
 2.1 動詞の活用 
 2.2 動詞の活用型 
 2.3 音便 
 2.4 動詞の自他  
 2.5 意志動詞・無意志動詞 
2.6 動詞の格支配 
 2.7 補助用言 
 2.8 代動詞 
 2.9 軽動詞 
 2.10 複合動詞 
 2.11 動詞の連続形式 
 2.12 動詞の強調形 
第3章 述語の構造 
 3.1 助動詞 
 3.2 名詞述語文  
 3.3 比況 
3.4 喚体句 
 3.5 已然形終止 
第4章 ヴォイス 
 4.1 ヴォイス 
4.2 受動態 
 4.3 可能態・自発態 
4.4 使役態 
4.5 ヴォイスの重複 
 4.6 ヴォイス形式と表意の齟齬 
第5章 時間表現 
 5.1 テンス・アスペクト 
 5.2 ツ形・ヌ形 
5.3 リ形・タリ形 
 5.4 その他のアスペクト表現 
 5.5 キ形・ケリ形 
 5.6 現在 
 5.7 未来 
 5.8 従属節のテンス 
第6章 肯定・否定 
 6.1 肯定判断 
6.2 否定判断 
第7章 推定・推量 
 7.1 法助動詞 
 7.2 証拠性 
 7.3 推量 
7.4 反実仮想  
 7.5 確述 
第8章 当為・意志・勧誘・命令
 8.1 当為 
 8.2 意志 
 8.3 勧誘・行為要求表現 
 8.4 希望表現 
第9章 疑問表現 
 9.1 疑問表現 
 9.2 真偽疑問文  
 9.3 補充疑問文   
9.4 選択疑問文 
9.5 疑いの文 
9.6 疑問を表さない疑問形式 
第10章 形容詞と連用修飾 
10.1 形容詞 
 10.2 連用修飾 
 10.3 形容動詞 
 10.4 副詞 
第11章 名詞句 
 11.1 名詞 
 11.2 連体修飾  
11.3 準体句 
 11.4 複数表示 
第12章 格
 12.1 格 
12.2 主格 
12.3 目的格・格助詞「を」 
12.4 格助詞「に」 
12.5 格助詞「にて」 
12.6 格助詞「で」 
12.7 格助詞「もて」 
12.8 格助詞「して」 
12.9 格助詞「へ」 
12.10 格助詞「と」  
12.11 格助詞「より」 
12.12 格助詞「から」 
12.13 格の代換 
12.14 副助詞・係助詞による格助詞の内包 
12.15 無助詞名詞 
12.16 異主語省略構文 
第13章 とりたて 
13.1 副助詞   
13.2 は・も  
 13.3 係助詞 
13.4 ぞ・なむ・こそ  
第14章 複文 
 14.1 条件表現 
 14.2 接続表現  
 14.3 接続助詞によらない接続表現 
第15章 複合辞 
 15.1 複合辞 
15.2 「と+動詞/形容詞」型複合辞 
15.3 「に+動詞」型複合辞 
15.4 「より+動詞」型複合辞 
15.5 「を+動詞」型複合辞
第16章 引用・挿入 
 16.1 引用 
16.2 内容補充 
 16.3 引き歌 
 16.4 挿入句 
16.5 不十分終止  
第17章 係り受け
17.1 係り受け 
 17.2 語句の並置 
 17.3 語句の配置 
 17.4 筆のそれ 
第18章 敬語 
 18.1 敬語の分類 
 18.2 敬語の位置 
 18.3 主語尊敬語  
 18.4 補語尊敬語 
 18.5 準敬語 
 18.6 敬意の対象
 18.7 敬語の使用・不使用
18.8 副詞・接続詞・慣用句の敬語形
 18.9 自卑敬語 
 18.10 候ふ 
 18.11 名詞の敬語形 
 18.12 自敬表現 
第19章 談話 
 19.1 ダイクシス動詞 
 19.2 指示詞  
 19.3 終助詞 
19.4 省略・繰り返し 
19.5 接続詞・感動詞 
第20章 物語の文章 
 20.1 物語の文章 
20.2 移り詞 
 20.3 和歌と散文の融合 
20.4 心に沿った地の文 
 20.5 草子地 
 20.6 物語の地の文の手法 
第21章 和歌の表現技法
 21.1 和歌 
21.2 枕詞・序詞 
21.3 掛詞 
21.4 三句めに位置する体言 
21.5 第二句と第五句の反復 
 21.6 物名 
 21.7 縁語・歌枕 
 21.8 本歌取り 
 21.9 句切れ 
21.10 句割れ 
 21.11 句跨ぎ 
 21.12 倒置 
 21.13 句末 
21.14 破調 
 21.15 折句・沓冠 
21.16 畳句体 

引用文献 
用例出典一覧 
あとがき 
索引 

ISBN:9784757607316
出版社:和泉書院
判型:A5
ページ数:752ページ
定価:8000円(本体)
発行年月日:2015年04月
発売日:2015年04月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CJBG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:CFK
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:CBG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:2GJ