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観なきゃよかった

立川談志映画時評

著:立川 談志
編:和田 尚久

紙版

内容紹介

立川談志、映画を愛し、映画を斬る!生前、誰よりも映画を愛した天才落語家が、アステア、ワイルダーからスピルバーグ、コーエン兄弟まで語った、絶品の映画エッセイ集。ジーン・ケリー追悼から、「週刊サンケイ」伝説の連載「談志のエンドマークを斬れ!」や「週刊文春」星取表、大林宣彦監督ほか映画の盟友たちとの対談まで、愛と毒気と歓びに満ちた映画スクラップブック!

目次

はじめに 和田尚久

Scene1 ジーンとキャグニィが好きだった

談志が惚れた“青春”は間違っていなかった――追悼ジーン・ケリー
『天国は待ってくれる』を観て、私に教えてほしい……
もう一度、ゆっくり観よう……再び帰ってきた『アラビアのロレンス』
明日の夜が楽しみだった三日間、四百二十二分の『ゴッドファーザー特別完全版』
『ゴッドファーザー PARTⅢ』ま、コッポラだし、重厚な撮り方をしてるし……しかし役者が違う
『ミラーズ・クロッシング』を観て
あの人にこの映画をそっと教えてやりたい――『童年往時 時の流れ』
「ワイルダーに関係ない奴ァ読んだって仕様がない」――家元が御大の自伝を読む


Scene2 談志のエンドマークを斬れ!/談志の星取表

「追いつめられて」
「イシュタール」
「ビックタウン」
「危険な情事」
「戦場の小さな天使たち」
「アメリカン・ウェイ」
「遠い夜明け」
「タバコ・ロード」
「誰かに見られてる」
「レボリューション/めぐり逢い」
「張り込み」
「月の輝く夜に」
「ウォール街」
「ブロードキャスト・ニュース」
「ダンサー」
「太陽の帝国」
「うるさい女たち」
 談志の星取表


Scene3 ああ、観なきゃよかった

『ファミリービジネス』は二流のホームドラマ1
『ブレイズ』のP(ルビ:ポール)・ニューマンに、オスカーをやってくれ
『白く渇いた季節』、ま、ヨシとするかね
『悲情城市』をうっかり観てしまった理由
『のるかそるか』は見事なまでに「何もない」
キチンと製作ってはある『レッド・オクトーバーを追え!』
『ヘンリー五世』のケネス・ブラナーはキャグニィに似ている
『48時間PART2 帰って来たふたり』のE(ルビ:エディ)・マーフィがヤダ
『グッドフェローズ』、何といってもデ・ニーロの存在感
『カナディアン・エクスプレス』、“細工は流々、仕上げを御覧じろ”の了見通り
『運命の逆転』、たいしたことないが、つまらなくもない
『ケーブル・ホーグのバラード』、いくら出しても惜しくない
『上方苦界草紙』の小川真由美、文句なし
二度も観た『シラノ・ド・ベルジュラック』
耳に栓して観た『COO 遠い海から来たクー』
『ありふれた事件』は下の下である
しばしの夢に酔った『レディ・イヴ』
呆れけえって屁も出ない『月はどっちに出ている』
サイレントの『椿姫』、澤登翠を聴いてほしい
『シンドラーのリスト』なんか誰が観るかいな
人による映画評の違い、これは一体何なのだ
『林檎の木』、おめえには判ンねえよ
『永遠の愛に生きて』を楽しむのはどういう人達なのか
四十分我慢した『マーヴェリック』
映画メモより、あれこれ

Scene4 映画の友と、映画を語る

立川談志×大林宣彦
立川談志×佐藤慶
立川談志×森卓也

Scene5 わがベストテン、そしてアステア

マイベストテンと好きな映画人<洋画篇> 
マイベストテンと好きな映画人<邦画篇> 
マイベストテンと好きな映画人<ミステリー&サスペンス映画篇>
好きな男優<洋画篇・邦画篇>
史上洋画ベスト10――立川談志×長部日出雄×田中小実昌
名作文学から生まれた名画への偏愛~家元お勧め第一号『情婦』
談志が見たフレッド・アステア

あとがき 和田尚久

著者略歴

著:立川 談志
立川談志(たてかわ・だんし)1936(昭和11)年、東京都に生まれる。本名・松岡克由。1952年、16歳で柳家小さんに入門、前座名「小よし」。18歳で二つ目に昇進し「小ゑん」となり、1963年、27歳で真打ちとして五代目立川談志を襲名する。1971(昭和46)年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選。1977(昭和52)年まで国会議員をつとめる。1983(昭和58)年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる。著書には、『現代落語論』『あなたも落語家になれる』『談志楽屋噺』『努力とは馬鹿に恵えた夢である』『立川談志まくらコレクション』など多数。2011(平成23)年、喉頭がんにより死去。
編:和田 尚久
和田尚久(わだ・なおひさ)放送作家。東京生まれ。担当番組は『立川談志 最後のラジオ』(QR)、『談志の遺言』(TBS)、『青山二丁目劇場』(QR)、『歌舞伎座の快人』(QR)ほか。著書に『芸と噺と 落語を考えるヒント』(扶桑社)、『落語の聴き方楽しみ方』(筑摩書房)など(松本尚久名義で上梓)。CD付きマガジン『落語 昭和の名人』シリーズ(小学館)では東京落語の全席解説を執筆。落語会のプロデュースなどもおこなっている。

ISBN:9784757223455
出版社:アスペクト
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF