イメージの探検学 III
フレスコ画の身体学
システィーナ礼拝堂の表象空間
責任編:上村 清雄
著:金井 直
著:足達 薫
紙版
内容紹介
芸術神ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂に描いた壮麗なる絵画的宇宙、すなわち、ルネッタとヴェーラに描かれたキリストの祖先たち、ペンデンティヴに描かれた預言者とシビュラたち、大ペンデンティヴに描かれた旧約聖書の四つの神話、天井に描かれた『創世記』の語る天地創造の九場面、そして、祭壇に描かれた究極の《最後の審判》、これらの雄渾な視覚を凌駕する表象を丹念に読み解き、その内部に込められた創造の秘跡を探検する!
目次
序 章 システィーナ礼拝堂の五〇〇年Ⅰ──《最後の審判》まで 金井直
第1章 〈モーセ伝〉と〈キリスト伝〉 足達薫/喜多村明里
第2章 キリストの祖先たち──ヴェーラとルネッタ 上村清雄/石井朗
第3章 預言者とシビュラ──キリスト教の普遍性と教会の革新をめぐって 伊藤博明
第4章 大ペンデンティヴにおけるミケランジェロの神学理解と造形
──《ダヴィデとゴリアテ》、《ユディットとホロフェルネス》、《ハマンの懲罰》、《青銅の蛇》 喜多村明里
第5章 《アダムの創造》──天井に描かれた『創世記』連作九場面 金山弘昌
第6章 《最後の審判》──ブオン・フレスコ美学と復活のヴィジョン 足達薫
終 章 システィーナ礼拝堂の五〇〇年Ⅱ──見えることと見えないこと 金井直
註
ミケランジェロの道──あとがきにかえて 上村清雄
人名索引