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ナショナル・ギャラリー・ポケット・ガイド

風景画

著:エリカ・ラングミュア
訳:石井 朗

紙版

内容紹介

風景画はおそらく最も人気のある絵画の形式である。しかしながら、かつて休日に撮ったスナップ写真が輝きを失っていることに失望を覚えたことのある人は、眺望を絵画に変換することがいかにむずかしいかを知ることになるだろう。この「ポケット・ガイド」は、画家が数世紀にわたっていかにして、野外の空間と光を絵具で移し換えてきたのか、そして単なる装飾から人間の営為の視覚的なメタファーへと発展させてきたのかを示している。物語は、ローマ時代の壁画装飾としての始まりから、ルネサンスの感性と理念を表現しようとする野心的な媒体への変容を経て、印象派の画家たちの「変革」とその後へと展開する。われわれはいかに、そこにわれわれが存在する世界を見るのかという美術の現実的な観点は、ナショナル・ギャラリーの作品の数々を例示しながら、現実の風景と描かれた風景の光学についての実践的な議論を通して展示される。

目次

緒 言
序 文
起 源
背景としての風景画
祭壇画
肖像画
神話画
統合された人物像と風景画
描写の表現力を高める風景画
15世紀の起源
16世紀ヴェネツィア
〈ドナウ派〉
スペクタクルとしての風景画
17世紀——ネーデルラント派
統合されたスペクタクル性と高表現力性
一七世紀フランドルとオランダ
英国風景画の英国性
凍てつく北方
風景画の光学
線遠近法
地平線
後退と消尽点
縮 小
後退、縮小、そして観者の位置
光と空気遠近法
ルプソワール、すなわち奥行を生成するフィギュール
印象派とそれ以後
巨匠たちを拒絶する?
……巨匠たちの最後の言葉
さらに理解を深めるための読書

ISBN:9784756610133
出版社:ありな書房
判型:A5変
ページ数:79ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2010年06月
発売日:2010年06月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA