体験的スキーマ療法
著:J.M.ファレル
著:I.A.ショウ
他監:伊藤 絵美
内容紹介
「実践から内省への自己プログラム」とは何でしょうか? うんと簡潔にまとめると,「そのセラピーを実施するセラピスト自身が,そのセラピーを自ら実践し,その体験を通して,自らのセラピーという仕事や,自らの人生そのものへの内省を深めること」ということになりましょうか。私自身,スキーマ療法を自ら体験し,仲間と共に学び,訓練を受け,クライアントに提供し,スーパーバイズやワークショップを行い,現在では慢性うつ病に対するスキーマ療法の効果を検証する臨床研究を行っています。そのなかでいつも感じるのは,「スキーマ療法を自ら体験してよかった」「スキーマ療法によって私自身が助けられた」ということです。そしてそのことが,私がクライアントに提供するスキーマ療法の質を支えてくれている,ということです。そういうわけで,読者であるセラピスト(などの対人援助職者)の皆様にも,ワークブックを通して,ぜひ自らスキーマ療法に取り組んでいただき,それを皆さんの人生に,そして皆さんが実践するセラピーに活かしていただきたいと思います。
目次
第1章 体験的スキーマ療法とは
第2章 スキーマ療法の概念モデル
第3章 参加者のための手引き
第4章 ファシリテーターのための手引き
本ワークブックのモジュールについて
パートⅠ つながりと安全の確保─スキーマ療法の自己実践のために─
モジュール1 つながりと安全
モジュール2 ベースラインを明らかにする
パートⅡ 同定した問題を理解する―スキーマ療法の概念を用いて―
モジュール3 あなたの「早期不適応的スキーマ」の成り立ちを理解する
モジュール4 子ども時代の体験のストーリーとして語ることとアセスメントのためのイメージ技法
モジュール5 スキーマ療法の自己概念化
パートⅢ 行動変容のための計画─セルフモニタリング,問題分析,そして目標設定
モジュール6 今の生活において活性化するモードについて理解する
モジュール7 スキーマ療法における「行動変容のプラン」を立てる
パートⅣ 変化の始まり─モードへの気づきとモードのマネジメント─
モジュール8 「不適応的コーピングモード」に気づく
モジュール9 「不適応的コーピングモード」に対するモード・マネジメント・プラン
モジュール10 「非機能的批判モード」に気づく
モジュール11 「非機能的批判モード」に対するモード・マネジメント・プラン
モジュール12 「ヘルシーアダルトモード」を強化する
モジュール13 プログラムの進行を振り返り,さらなる変容のための計画を立てる
パートⅤ 「モード・チェンジ・ワーク」の体験的実践
モジュール14 「 怒れるチャイルドモード」「衝動的・非自律的チャイルドモード」に気づきを向ける
モジュール15 「脆弱なチャイルドモード」に気づきを向ける
モジュール16 「脆弱なチャイルドモード」のマネジメントプラン
モジュール17 「非機能的批判モード」と闘う
モジュール18 「脆弱なチャイルドモード」を癒す
パートⅥ 変化を維持し,さらに変化していくために
モジュール19 「幸せなチャイルドモード」を見つけ,強化する
モジュール20 「ヘルシーアダルトモード」へのアクセスを強化する
パートⅦ 「気づきと内省」のための質問(全体のまとめ)
文献
監訳者あとがき
索引
ISBN:9784753311774
。出版社:岩崎学術出版社
。判型:B5
。ページ数:296ページ
。定価:4000円(本体)
。発行年月日:2021年03月
。発売日:2021年03月30日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM。